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フランスのニースから海岸線を南下し、斜塔でおなじみのピサへ向かうまでの車窓の風景と、晴れ渡るピサのドゥオモ広場の様子をご紹介します。

イタリア車窓の旅とピサ

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2005/11/08 - 2005/11/08

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7265

7265さん

フランスのニースから海岸線を南下し、斜塔でおなじみのピサへ向かうまでの車窓の風景と、晴れ渡るピサのドゥオモ広場の様子をご紹介します。

  • フランスのニースを出発し、地中海沿岸をひた走る。<br />高速道路は、海岸に向かって傾斜する山の上を通っているので、過ぎ行く1つ1つの街の様子が手に取るように眺められて面白い。<br />11月だというのに続く快晴。<br />空にはまぶしい太陽が煌めき、その姿をゆらゆらと海に映し出している。<br />穏やかな海は、まるで宝石の粒をまき散らしたかのように輝いていた。<br />刻一刻と変わるイタリア縦断の車窓の旅。<br />眠っている暇は、まったくなかった。

    フランスのニースを出発し、地中海沿岸をひた走る。
    高速道路は、海岸に向かって傾斜する山の上を通っているので、過ぎ行く1つ1つの街の様子が手に取るように眺められて面白い。
    11月だというのに続く快晴。
    空にはまぶしい太陽が煌めき、その姿をゆらゆらと海に映し出している。
    穏やかな海は、まるで宝石の粒をまき散らしたかのように輝いていた。
    刻一刻と変わるイタリア縦断の車窓の旅。
    眠っている暇は、まったくなかった。

  • ニースを出発して2時間強。<br />ジェノバの街を通り過ぎた。<br />イタリア屈指の港町だけ合って、貨物を運ぶ鉄道も発達している様子。<br />バスは、ちょうど街をぐるりと囲むような形で高速道路をひた走る。<br />でも停まることはできない。<br />いつか自分の運転でイタリアの道を走り、気になった街で途中下車、という気ままな旅をしてみたいものだ。

    ニースを出発して2時間強。
    ジェノバの街を通り過ぎた。
    イタリア屈指の港町だけ合って、貨物を運ぶ鉄道も発達している様子。
    バスは、ちょうど街をぐるりと囲むような形で高速道路をひた走る。
    でも停まることはできない。
    いつか自分の運転でイタリアの道を走り、気になった街で途中下車、という気ままな旅をしてみたいものだ。

  • ジェノバを過ぎた辺りから、高速道路は海沿いを離れ、内陸へと進んで行く。<br />さっきまでの景色とは全く異なる、右も左も高山という風景に圧倒される。<br />時々、「よくぞあんなところに」と思うようなへんぴな場所に山の上にいくつかの街が佇んでいた。<br /><br />しばらく進むと、さっきまでの温かい地中海の様子がウソのように、雪をたたえた山の斜面に出くわす。<br />変化に富んだイタリアの自然を実感できるワンシーンだった。

    ジェノバを過ぎた辺りから、高速道路は海沿いを離れ、内陸へと進んで行く。
    さっきまでの景色とは全く異なる、右も左も高山という風景に圧倒される。
    時々、「よくぞあんなところに」と思うようなへんぴな場所に山の上にいくつかの街が佇んでいた。

    しばらく進むと、さっきまでの温かい地中海の様子がウソのように、雪をたたえた山の斜面に出くわす。
    変化に富んだイタリアの自然を実感できるワンシーンだった。

  • ニースから約5時間。とうとうピサに到着した。<br />ドゥオモ広場には大型バスが入れないため、周辺のパーキングで降り、そこからシャトルバスで広場へと向かう。<br />5分ほどで広場に到着。<br />周辺には土産物やバッタもののブランドバッグを売る黒人が多く、観光客はカモにされそうな雰囲気。<br />でも、平垣でぐるりと囲われた広場の中に足を踏み入れると、そこには予想以上にすばらしい景色が広がっていた。<br /><br />青空と緑の芝生に映える真っ白い3つの建物。<br />洗礼堂と巨大な大聖堂、そして鐘楼。<br />この鐘楼が、あの有名なピサの斜塔だ。<br />斜塔の知名度だけが先行している感があるけど、世界遺産には「ピサのドゥオモ広場」として登録されているだけあって、この3つの建物が三位一体となった風景にこそ圧倒的な迫力があった。<br />広場自体の入場料は無料というだけあって、地元の人が芝生の上で日光浴をしたりピクニックを楽しむ姿があちこちで見受けられた。<br />限りなく、平和な光景だった。

    ニースから約5時間。とうとうピサに到着した。
    ドゥオモ広場には大型バスが入れないため、周辺のパーキングで降り、そこからシャトルバスで広場へと向かう。
    5分ほどで広場に到着。
    周辺には土産物やバッタもののブランドバッグを売る黒人が多く、観光客はカモにされそうな雰囲気。
    でも、平垣でぐるりと囲われた広場の中に足を踏み入れると、そこには予想以上にすばらしい景色が広がっていた。

    青空と緑の芝生に映える真っ白い3つの建物。
    洗礼堂と巨大な大聖堂、そして鐘楼。
    この鐘楼が、あの有名なピサの斜塔だ。
    斜塔の知名度だけが先行している感があるけど、世界遺産には「ピサのドゥオモ広場」として登録されているだけあって、この3つの建物が三位一体となった風景にこそ圧倒的な迫力があった。
    広場自体の入場料は無料というだけあって、地元の人が芝生の上で日光浴をしたりピクニックを楽しむ姿があちこちで見受けられた。
    限りなく、平和な光景だった。

  • 大聖堂や洗礼堂に入場する前に、まずは腹ごしらえ。<br />広場の外に並んでいるトラットリアで昼食を取ることに。<br />適当に入った「トラットリア トスカーナ」のテラス席で、タリアテッレ ボロネーゼをオーダーする。<br />人当たりの良いウエイトレスは、頼んでもいないのに私たちが食事を楽しむ風景を写真に撮ってくれたり、「このボロネーゼはとっても美味しいのよ。ウチの自慢の生パスタなの!」などと、あれこれ話しかけてくれる。<br />テーブルに届いた幅広のタリアテッレは、しっかり煮込まれてコクがたっぷり出たミートソースがよく絡み、美味。<br />昨日までのフランスでの食事がイマイチだったため、なおさら美味しく感じられた。<br />過去2回のイタリア旅行で覚えた数少ないイタリア語「il cont per favore!(会計お願いします!)」を使い、会計を済ませると、先ほどのウエイトレスが「一緒に写真を撮ろう!」と誘ってくれた。<br />値段は観光地価格で若干高かったものの、アツアツの美味しさと陽気なもてなしに、ようやくイタリアに来た実感を感じた。

    大聖堂や洗礼堂に入場する前に、まずは腹ごしらえ。
    広場の外に並んでいるトラットリアで昼食を取ることに。
    適当に入った「トラットリア トスカーナ」のテラス席で、タリアテッレ ボロネーゼをオーダーする。
    人当たりの良いウエイトレスは、頼んでもいないのに私たちが食事を楽しむ風景を写真に撮ってくれたり、「このボロネーゼはとっても美味しいのよ。ウチの自慢の生パスタなの!」などと、あれこれ話しかけてくれる。
    テーブルに届いた幅広のタリアテッレは、しっかり煮込まれてコクがたっぷり出たミートソースがよく絡み、美味。
    昨日までのフランスでの食事がイマイチだったため、なおさら美味しく感じられた。
    過去2回のイタリア旅行で覚えた数少ないイタリア語「il cont per favore!(会計お願いします!)」を使い、会計を済ませると、先ほどのウエイトレスが「一緒に写真を撮ろう!」と誘ってくれた。
    値段は観光地価格で若干高かったものの、アツアツの美味しさと陽気なもてなしに、ようやくイタリアに来た実感を感じた。

  • 食事を済ませ、再びドゥオモ広場に戻る。<br />斜塔は30人の人数制限があり、集合時間までに間に合わない可能性があるので、大聖堂と洗礼堂のみ入場することにした。<br /><br />チケット売り場で入場券を購入。<br />ガイドさんからは2施設セットで6ユーロと聞いていたのに、大聖堂は無料だと言われる。<br />それはラッキーということで、洗礼堂1施設のみの5ユーロのチケットを購入した。<br /><br />まずは、迫力の大聖堂へ。<br />内部には、高い天井、細かな細工のステンドグラス、巨大な壁画など、しっとり落ち着いた雰囲気の荘厳な空間が広がっていた。<br />ガリレオ ガリレイが振り子の法則を発見したと言うシャンデリア風のランプもある。<br />ミラノやフィレンツェのドゥオモに比べると華やかさはないが、それが逆に厳かなムードを引き立てていた。<br />聖堂を出る際には、扉上部にあしらわれているメディチ家の紋章(盾に丸薬のマーク)も見逃さずにチェックしてきた。

    食事を済ませ、再びドゥオモ広場に戻る。
    斜塔は30人の人数制限があり、集合時間までに間に合わない可能性があるので、大聖堂と洗礼堂のみ入場することにした。

    チケット売り場で入場券を購入。
    ガイドさんからは2施設セットで6ユーロと聞いていたのに、大聖堂は無料だと言われる。
    それはラッキーということで、洗礼堂1施設のみの5ユーロのチケットを購入した。

    まずは、迫力の大聖堂へ。
    内部には、高い天井、細かな細工のステンドグラス、巨大な壁画など、しっとり落ち着いた雰囲気の荘厳な空間が広がっていた。
    ガリレオ ガリレイが振り子の法則を発見したと言うシャンデリア風のランプもある。
    ミラノやフィレンツェのドゥオモに比べると華やかさはないが、それが逆に厳かなムードを引き立てていた。
    聖堂を出る際には、扉上部にあしらわれているメディチ家の紋章(盾に丸薬のマーク)も見逃さずにチェックしてきた。

  • 次に隣りの洗礼堂へ。<br />先ほど購入したチケットを見せ、いざ内部へ。<br />すると、思いのほか簡素な空間が広がっていた。<br />ここは、優れた音響効果で有名な施設なので、とりあえず手を叩いてその噂の真相を確かめる。<br />確かに、手を叩く音もささやき声もホワンホワンと鳴り響き、神聖な雰囲気。<br />ただ、先ほどの大聖堂の規模に比べると、当然ながら奥行きもなければじっくり鑑賞するべきオブジェ等もまったくない。<br />「せっかくお金を払ったのだから」と5分くらいは内部にとどまったが、やはり時間を持て余し、すぐに出てしまった。<br /><br />あとで聞いたことだが、11月は大聖堂が無料で開放される月だったらしい。<br />洗礼堂だけで5ユーロは、高すぎる。。ちょっぴり損をした気分で施設をあとにした。<br />

    次に隣りの洗礼堂へ。
    先ほど購入したチケットを見せ、いざ内部へ。
    すると、思いのほか簡素な空間が広がっていた。
    ここは、優れた音響効果で有名な施設なので、とりあえず手を叩いてその噂の真相を確かめる。
    確かに、手を叩く音もささやき声もホワンホワンと鳴り響き、神聖な雰囲気。
    ただ、先ほどの大聖堂の規模に比べると、当然ながら奥行きもなければじっくり鑑賞するべきオブジェ等もまったくない。
    「せっかくお金を払ったのだから」と5分くらいは内部にとどまったが、やはり時間を持て余し、すぐに出てしまった。

    あとで聞いたことだが、11月は大聖堂が無料で開放される月だったらしい。
    洗礼堂だけで5ユーロは、高すぎる。。ちょっぴり損をした気分で施設をあとにした。

  • 15時30分。<br />時間が来たので、再びシャトルバス乗り場へ。<br />ちょうど、大の大人が乗るにはちょっぴりメルヘンチックすぎるシャトルバスが過ぎ去っていたところだった。<br />そこから待つこと10数分。<br />いっこうに次のバスは来ない。<br />係の人に聞くと、「今日はもうバスは終わったよ」とのこと。<br />「何で?! 17時まであるはずでしょ!」と尋ねても、「さぁね!」と答えるイタリアらしさにあきれつつ、仕方がないので15分ほど歩いて、パーキングに戻ることになった。<br /><br />この国では、ちょっとくらいいい加減なことがあっても「イタリアだからしょうがないか!」となぜか許せてしまうのが不思議だ。<br />日本とは全く異なるこの曖昧さは妙に心地よい。<br />それが、この国にハマってしまう理由のひとつかもしれない。

    15時30分。
    時間が来たので、再びシャトルバス乗り場へ。
    ちょうど、大の大人が乗るにはちょっぴりメルヘンチックすぎるシャトルバスが過ぎ去っていたところだった。
    そこから待つこと10数分。
    いっこうに次のバスは来ない。
    係の人に聞くと、「今日はもうバスは終わったよ」とのこと。
    「何で?! 17時まであるはずでしょ!」と尋ねても、「さぁね!」と答えるイタリアらしさにあきれつつ、仕方がないので15分ほど歩いて、パーキングに戻ることになった。

    この国では、ちょっとくらいいい加減なことがあっても「イタリアだからしょうがないか!」となぜか許せてしまうのが不思議だ。
    日本とは全く異なるこの曖昧さは妙に心地よい。
    それが、この国にハマってしまう理由のひとつかもしれない。

  • バスにのり込み、今度は一路フィレンツェを目指す。<br />景色がだんだんトスカーナらしい雰囲気に変わって来た。<br />なだらかな丘陵地帯、ポツンポツンと立つ糸杉。<br />私はこの風景にずっと憧れていた。<br />高速道路からではなく、一般道路を走れば、もっと見渡す限り何もない大平原が楽しめることだろう。<br />次はぜひレンタカーを借りて、トスカーナの田舎町をひた走りたいものである。

    バスにのり込み、今度は一路フィレンツェを目指す。
    景色がだんだんトスカーナらしい雰囲気に変わって来た。
    なだらかな丘陵地帯、ポツンポツンと立つ糸杉。
    私はこの風景にずっと憧れていた。
    高速道路からではなく、一般道路を走れば、もっと見渡す限り何もない大平原が楽しめることだろう。
    次はぜひレンタカーを借りて、トスカーナの田舎町をひた走りたいものである。

  • 17時30分。ようやくフィレンツェの街が近付いて来た。<br />窓の外には大きな夕日。<br />きっと明日もいい天気に恵まれる。<br />そう予感させる見事な景色だった。

    17時30分。ようやくフィレンツェの街が近付いて来た。
    窓の外には大きな夕日。
    きっと明日もいい天気に恵まれる。
    そう予感させる見事な景色だった。

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