2004/07/05 - 2004/07/05
2445位(同エリア3205件中)
まみさん
ブダペスト観光1日目(2004年7月5日)
はじめてのハンガリー、はじめてのブダペスト。その観光の初日は、ホテルのレセプションにあったパンフレットを頼りに、朝食前に予約した現地観光ツアーでブダペストを大まかに把握することから開始しました。このツアーには念願の国会議事堂の見学が含まれていました。そして夜は、ブダペスト夏の音楽祭ブダフェスタ(BUDAfesta)のハンガリー国立オペラ座ソロイストたちによるバレエ・ガラ公演を鑑賞することにしました。チケットを手にするまでには、観光案内所へ出向いたり、ハンガリーの大手旅行会社IBUSZ(イブス)やガイドブックに掲載されているプレイガイドを巡るなど回り道をして苦労しましたが、オペラ座のチケット売り場で、なんとか手に入れることができました。オペラ座主催だったのですが、会場がヒルトン・ドミニカン・コートとなっていたのでわからなかったのです。それは要するに、王宮の丘にあるブダペスト随一の高級ホテル・ヒルトンの中庭のことでした。ヒルトン・ホテルの中庭に、かつてのドミニカン修道院の遺跡が残っているので。20時開演ですが、オペラ座でチケットを購入したあとは、早めに王宮の丘に向かうことにしました。
といっても、王宮の丘に着いたのは、17時すぎ。市内観光ツアーでは中を見学しなかったマーチャーシュ教会にぜひとも入りたかったのですがすでに閉館していました(閉館17時)。バレエの開演まで3時間。30分前には会場入りをし、夕食をとるにしても、まだ時間が余ります。そこで、もしブダペストで時間があれば行きたいと思っていた王宮地下迷宮に行くことにしました。そこは、19時まで開いているのです。
(写真は、ブダの王宮の丘にある三位一体広場です。背後にある、ムーミンのスナフキンの帽子のようなとんがり屋根を持つ建築物は、漁夫の砦です。騎馬像は、ハンガリー建国の王、聖イシュトヴァーンです。この向かって左手にマーチャーシュ教会があります。)
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★王宮地下迷宮 (Budavári labirintus)
王宮地下迷宮は、王宮の丘の地中にできた鍾乳洞を利用した迷路です。昔は貯蔵庫やシェルター等に使われていたそうです。入口は、通りに並ぶ家並みの中にひっそりとありました。看板プレートと、これから入ろうとする観光客がいなかったら、見過ごして通り過ぎてしまうところでした。地下は涼しくて、地上の暑さからしたら別世界のようです。チケットを買ったら、地図入りの小冊子を渡されました。てっきりガイド付ツアーで案内してもらえるのかと思っていましたが、どうやら一人一人勝手に歩くことになっているようです。
はじめはチョロい迷宮だと思いました。地図を見ますと、多少、枝分かれした道がありますが、メインの進路はわかりやすく、ほとんど一方通行なのです。そして私のほかに歩いている観光客も、ちらほらいます。歩くペースが違うため、どこかで一緒になってもすぐに離れてしまいまい、たまぁに出会う程度で、ほとんど一人っきりで歩いてるも同然でしたが、2人連れ以上の場合は話をしながら歩いているため、姿は見えなくても声は聞えたりするので、すぐ近くにいることがわかります。メインのコースをそのまま歩くのも芸がないので、枝分かれの道だろうなぁと思っても、何やら面白そうな展示があるので寄り道したりしました。それでも、たいていすぐに行き止まりになったので、元の道に戻るのは簡単でした。道々、進路を示す矢印もあったので、安心できました。
中は、鍾乳洞がそのままむき出しではなく、れんがで固められた上に、観光客向けに演出がなされていました。展示セクションがいくつかに分かれています。入口でもらった地図付の小冊子にも簡単に説明がありました。
最初のハンガリーの古代の伝説時代のセクションでは、彫刻やトーテムがうす暗闇にぬぅっと現れるのにちょっとビビりました。音楽に音響効果もあって、やや演出過剰という気がしなくもありませんでしたが、よくわからなくてもいいからとにかく楽しみたい観光客である私にとっては、悪い気はしませんでした。
先史時代のセクションでは、ラスコーの洞窟を模した動物のレリーフがあり、ラスコーの洞窟見学を疑似体験ができた気がして嬉しくなりました。ていうのも、その昔、マドリッドの国立博物館のラスコーの洞窟のレプリカ室では、ちょっと期待してたのと違ってがっかりした覚えがあるからです。逆にいうと、そういうのが期待どおりということは、素人でも容易に満足できる「やらせ」ということになるのでしょうか。
(写真は、その先史時代のセクションの、ラスコーの洞窟を模した動物のレリーフです。) -
ワインの湧き出る泉や、半ば地に沈んだ巨大な古代の王の頭像の演出などは、「地球の歩き方」で前に読んで覚えていたとおりでした。ペットボトルにワインを汲んで飲んでいる人がいたので、私も手ですくって飲んでみました。確かにワインです。昼食をとる暇がなかったので元気づけに何度かすくって飲んでみました。私もなにか汲むものがあれば、もっと飲めたのに残念です。巨大な王の頭像は、「地球の歩き方」に写真がありますが、自分のカメラでも撮ろうかと迷いました。迷いつつも結局、そのまま先に進んだら、係員らしい人が現れ、足元にあった明かりのカンテラを次々と見学者に配りだしました。もちろん、私にもくれました。私はやっぱり王の頭像の写真を撮ろうと思って、一人、来た道を戻ってみたら、あたりがさっきより異様に暗いことに気付きました。そういえばさっきの係員は、配って余ったカンテラを持ち帰っていました。
いやな予感を覚ながらワインの湧き出る泉のところまで戻ってみたら、うそーっ! さっきとうってかわって、あたりは真っ暗です。うそでしょ、うそでしょーっ、と心の中で何度繰り返しても、事態はかわりません。なんと、係員は、進路を照らしていた明かりを、みんな持ってかえってしまったのです!
いやはや、まいりました。すっかりまいりました。何しろ、たった今、自分が来た方向がどっちだったか、それすらわからなくなってしまうのですから。暗闇とはかくも恐ろしいものだったのですね。しかも私は方向音痴なので、自分の勘をあてにすることができません。命綱のたった一つのカンテラは、私のほんの手元しか照らさないため、この弱い明かりでは、道がどこへ続くのか、先が見えません。方向音痴だからか、岩の形や展示物で方向の見当をつけることもできません。真っ暗闇でほとんど手探り状態なので、歩いている道の壁がカンテラに照らされただけで、行き止まりかとあせってしまいます。そのうちにだんだん道が狭まってきて、人一人がやっと通れるほどに狭くなってきたときは、今度こそ行き止まりかと本当にびくびくしました。まさしくラビリントス、迷宮の名にふさわしくなって、泣けてきました。
とはいえ、いざとなったら他の見学者の後をずっとくっついていく、という手もありました。ワインの泉のところまで戻れば、さきほどいた親子連れはまだワインに舌鼓を打っています。でも、すぐには動きだしそうにありません。あからさまに頼りにしてます、って態度を見せるには、まだ、私のなけなしのプライドが邪魔をしました。なので、まずは一人でなんとか出口に向かおうと思いました。だけど、もしこのまま閉館の19時まで出られなかったらどうしよう。
(写真は、ワインの湧き出る泉です。手ですくってワインを飲んだら、手のひらでワインが跳ねて、白いTシャツにシミがついてしまいました(泣)。) -
ふと、カンテラを配った係員が消えた方向は出口にいたる近道かもしれないと気が付きました。そのとおりにたどって歩くと、かすかに聞えていた音楽がだんだんはっきり聞えてきました。出口が近いのかもしれません。音楽に励まされて、とにかく進みました。それでも道が狭くなるたびに、間違った道を歩いているのかもかもしれない、と不安でたまりませんでした。足元ではピチャと水音がしていますが、どのくらいの水たまりに足を突っ込んだのか、暗くてわかりません。いや、すでに、靴やズボンの裾が汚れるのを気にしていられませんでした。
なんとか出口にたどり着いた時には、本当にホッとしました。地下は涼しかったのに、あせりと緊張で、すっかりイヤな汗をかいてしまいました。
身も心もくたくたなったので、外に出る前に、チケット売り場の外のテーブルとイスがいくつも並ぶカフェみたいなところで、いったん一休みしようと思いました。ところが、その手前に2段ほど段差があったのに気付かず、足を踏み外してしまいた。あっ、と思ったら、床にベタッ、見事にすっころんでいました。痛くて、しばらく起き上がれませんでした。
幸い、腕をすりむいたのと、右足を少しひねったくらいで、軽傷ですみました。少し休んだら痛みもだいぶおさまりました。全く痛まないわけではなかったのですが、ひょこひょこと少し足を引きずりながらも歩けるようになりました。
迷宮に入ったことを後悔はしていませんが、やはり私の心境は「踏んだり蹴ったり!」───でした。
(写真は、これも先史セクションにあったものです。人面獣……!?でしょうか。不気味……) -
★ブダペスト夏の音楽祭ブダフェスタ (BUDAfesta) のハンガリー国立オペラ座ソロイストたちによるバレエ・ガラ公演(ホテル・ヒルトンの中庭のヒルトン・ドミニカン・コートにて)
会場は野外なので、雨天の場合、開演を1時間ずらしても上演できそうになければ、翌日の7月6日に延期される、と、ちらしにもチケットの裏にも書いてありました。確かヨーロッパの夏は雨が少なかったと思うので、私はこれは、本当に本当に万々が一のことで、形式上、雨天時の予備日を設定しなくてはならないことにでもなっているのかと思っていました。ところが、もうすぐ時間だって頃になって、雲行きが怪しくなってきて、雨が降ってきたではありませんか。
そんなぁ、明日に延期されたらどうしよう。明日は民族舞踊のコンサートの予定をすでに入れているのに。
フェスティバルの中でバレエ・ガラ公演予定は、5日と7日だけです。雨天の場合、5日の公演が6日に延期になるのではなく、チケットを7日のものと交換してくれないかしら。どうせ自由席だし。7日の夜なら、まだ予定を入れていないため、あいているのです。でも一番いいのは、雨が止んで、予定どおり今晩、上演されることです。やきもきして待ちました。私もそうでしたが、自由席であるため、すでに席を陣取った人々は、カサをさしたまま誰も席を立ちません。小雨なので、カサもささずに構わず座っている人もいます。そう、ヨーロッパの天気は変わりやすいのです。少しの雨ではカサをさす人が少ないくらい。日本と違って雨が降り出したら、もう当分止まない、ということはありません。しばらくすると係りの人が現れて、この分ならやみそうなので、少し待ちましょう!と告げました。たちまち観客席から拍手があがりました。だってね、せっかく来たのに、出直すのは誰だってイヤですよね。
一度、雨が止みました。ホテルの人がモップで舞台の上の水を拭きとりました。いよいよ開演か!と思ったら、また少しだけ雨が降り出してきました。この状態で押し切って開演されるのかも、と期待していたら、我々はいいけど、ダンサーにとってはリスキーだね、と誰かが話しているのが聞こえてきました。確かにそうですけど! やっぱり延期してほしくないです。上演してくれないか、と強く願いました。上空を見上げると、風も強いせいで、雨雲は目に見える速さで流れています。これなら雨が止むかもしれません!───期待しては消沈し、また期待して、の繰り返しでした。
結局、開演時間は30分遅れましたが、雨の気配はすっかりうせて、無事、上演されることになりました。感謝!
(写真は、ブダフェスタのちらしとプログラムです。それに、ブダペストで買った日本語の「ハンガリー小史」も添えました。この写真は、2004年当時の旅先ではなく、2006年3月に初めてデジカメを買った後に撮ったものです。「ハンガリー小史」は、写真や歴史画、地図などが多くて、山川出版社のなつかしの「世界史総合図録」を思い出させたせいもあって、買ってしまいました@) -
ところで、観客席のあるところは劇場と違って平らな空間で、そこに仮の劇場にしつらえるためにイスが並べられているような会場なので、前の席との段差がありません。私がとれた席は真ん中あたりです。予感はしていたが、舞台が始まってみると、案の定、前の列の人たちの頭で、足元が見えませんでした。バレエなのに、肝心の足元が見えないなんて……!
という不満はありましたが、実はこの公演、チケット代はたったの4,500HUF(ハンガリー・フォーリント)(1HUF=約0.5円で換算すると、約2,250円)です。これはきっと、国立オペラ座のソロイストたちの公演にしては安いと思うので、見づらさについては我慢するしかないのでしょう。そこだけ眼をつぶれば、ガラ公演自体はすばらしかったです。
踊ったソロイストは全部で10人でした。ガラなので演目はヴァラエティに富みます。「くるみ割り人形」や「ドン・キホーテ」のような見覚えのある古典バレエのパ・ドゥ・ドゥ(ハイライトとなる男女2人の踊り)もあれば、コンテンポラリーとまでいかなくてもかなり現代的な振り付けのものもあり、たとえば「エスメラルダ」では、ヒロイン・エスメラルダの踊りは、薄布のドレスに裸足で現れ、苦悩を表現した踊りが演劇っぽくて、これもバレエなのか、とちょっと驚いたくらいでした。また、シルクハットやコーヒーカップを小道具にタップもまぜた軽快で楽しい踊りもあれば、「人形」と題された踊りは、魂が宿ったように自由に動き回れるようになった2つの人形が、互いを恋する喜びに有頂天に踊っていたが、やがて電池が切れたようにもとの動かない人形に戻る、といった、寸劇のような、それだけで完結している小品でした。会場はそれほど大きくないため、中ほどの席でもダンサーの顔がよく見えました。バレエ・ダンサーはたいていそうですが、みんな見事にハンサム・美女ぞろいでした。
(写真は、開演前の舞台の様子です。写真を撮ったのは開演時間の20時前。夏のヨーロッパ、21時近くにならないすぎないと暗くならいため、この段階ではまだ明るかったです。背後にあるのは、ドミニカン修道院の遺跡です。ダンサーはもちろん、この手前のところで踊りました。)
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この旅行記へのコメント (2)
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- shinesuniさん 2005/10/27 09:38:08
- ブダ王宮の地下迷路
- いったんですねェww。
私は行った事がないので次回のリヴェンジに燃えております。
ところでまみさんはヴィシィフラトやエステルゴムは行った事ありますか?
エステルゴムは特に安い宿もあり、対岸のスロヴァキアとんぼ返りツアーなんかも決行できてお薦めです。
宿も安くていのが結構ありますしTsuruサンのサイトに詳しいホテル情報もあります。
ワインセラーで自家製ワインを振舞う宿やドナウ川沿いにある宿もあります。私も旅行記かいてますので古いですが、情報は最新のを入れてますのでみてやって下さいませ。
- まみさん からの返信 2005/10/28 08:54:04
- RE: ブダ王宮の地下迷路
- shinesuniさん、こんにちは。書き込みありがとうございます。
行きましたよ、地下迷宮。
私は坑道跡にも、ウィーン、ザルツブルク、クラクフと行っていて、地下に潜る、狭いところ、というのがわりと好きみたいです@
それに、とっても涼しくて天然クーラーでした。入口前にテーブルといすが置かれていて、迷宮の中に入場料を払って入っても入らなくても休める場所だったと思いますから、意外な穴場かもしれません。
地下は、夏は涼しく、きっと冬はあったかいでしょうから。
shinesuniさんがリベンジなされたら、感想を聞かせてくださいね。
私みたいに、真っ暗なあまりビビって、もうあとは出口を目指すだけで楽しむ余裕がない、なんてことがないといいですね。
「歩き方」にあるような、巨大な王の像がななめ半分土に埋もれているところもありました。あの写真、本当は撮りたかったんですが、暗すぎて。
性能のよいカメラだとかなりきれいに写るかもしれません。
ヴィシィフラトやエステルゴムは、行きそびれました。リベンジ対象です@
ブダペスト、いやハンガリー滞在は正味4日でしたから、本当、足らなかったです。もともと2004年の旅行は、チェコがメインで、ハンガリーはちょっとのぞく程度のつもりでした。だからとってもリベンジがしたいのです@
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