マラケシュ旅行記(ブログ) 一覧に戻る
約1000年も前の街並みが残るモロッコのマラケシュ。フェズと並んでモロッコで、いや世界で最も古い街の一つと言えるだろう。だが、古都という言葉は、この街を表現するのに適していない。古都と言ったら、京都や奈良のように落ち着いてしっとりした佇まいを想像してしまう。だがここマラケシュはとんでもないエネルギーに溢れ、あらゆるものが混沌と渦巻く、まさにカオスそのものなのだ!<br /><br />まずは世界最大とも言えるスーク(アラビア語圏のバザール)だ。中は小さな商店が密集しており、道は細く入り組んで迷路のようになっている。さっき見た店にもう一度行こうと思っても辿り着けず、気が付くとスークの元の入り口に戻っていたり、全く見当はずれの出口に出てしまったり。その中を商品、商人、地元の買い物客、観光客がごちゃごちゃにひしめき合っている。<br /><br />ここでの買い物は、買い物というよりかはアトラクションだ。他のアラブの国々と同じように商品に定価なんてなく、全てが交渉で決まるのだが、そのやりとりがとにかく熱い。<br /><br />「よう兄ちゃん、ちょっと俺の店を覗いて行きなよ」<br />「えー、いいよ」<br />「まぁまぁそう言わずに、ほら見るだけ見てみろって」<br />「じゃあ見るだけだよ」<br />「このサンダルなんか彼女へのお土産にどうだい?」<br />「へー、かわいいね」<br />「だろ?これはベストクオリティだぜ」<br />「いくら?」<br />「んー、お前は特別にだな、、200ディラハムにしてやるよ。200ドルじゃねーぞ、安心しな」<br />「それでも高過ぎるからいらないよ。バイバイ」<br /><br />「ちょ、ちょっと待てよ。じゃあお前はいくらだったら買うんだよ」<br />「買わない」<br />「まぁまぁ、とにかくお前の値段を言ってみろ」<br />「んー、50くらいかな」<br />「はぁ?バカ言っちゃいけねーよ。これはそこらの工場モノとは違うんだ。職人の手作りだ。見ろよ、この縫い目を」<br />「ふーん」<br />「お前の本当の値段を言ってみろよ」<br />「60」<br />「おいおい、冗談はよしてくれよ。180でどうだ?」<br />「だめ」<br />「仕方ねぇ。170だ」<br />「全然だめ」<br />「兄ちゃん、厳しいねぇ。よし、150にしてやるよ。グッドプライスだぜ」<br />「高すぎるよ。やっぱりいらない」 (背を向けて立ち去る)<br /><br />「マイフレンド!ちょっと待った!」(軽く振り返る)<br />「戻って来いって。話し合おうぜ」<br />「だって150でしょ?」<br />「分かった分かった。ベリーグッドプライスにしてやるよ」(店まで戻る)<br />「いいか、俺はこれを120で仕入れてるんだぜ。60で売ったらこっちが損しちまうぜ。140でどうだ」<br />「まだ高いよ」<br />「全くしょうがねーなー。 (おもむろに紙とペンを取り出し)これでどうだ(125)」<br />「やっぱり買わない」 (背を向けて立ち去る)<br /><br />「マーイフレーンド!」これを何度か繰り返す・・・。<br /><br />「90でどうだ。俺は日本人が大好きだから出血大サービスだ。アメリカ人には500で売るんだぜ(ここだけヒソヒソ声)」<br />「あともう少し!」<br />「85だ!」<br />「もう一声!」<br />「これが最後だ。80!」<br />「よし買ったぁ!!!」<br /><br />こんなやり取りが毎日毎日、どこへ行っても行われる。お茶まで振舞われる事もある。甘いミントティーを飲み、世間話を交えながら、値段の交渉をするわけだ。俺は2日がかりで値切って買ったバッグもある。<br /><br />スークの外、観光客がほとんど来ない地元エリアでも、屋台や露店が並ぶ道にいつも人やリヤカー、自転車、バイク、トラック、馬車などがごちゃごちゃに行き交っている。「どこへ行くんだ?俺が連れて行ってやるよ」とガイドを買って出てずっと付いて来る奴が各通りに一人はいる。それはガイド料や、知り合いの店に連れて行ってコミッションを取る為にやる奴もいれば、ただの親切でやる奴もいる。<br /><br />俺をしつこく仕事場に呼び入れ、俺が入って座るとアラビア語で話しながら自分の仕事をやり続ける職人。俺を見かけると「アチョー!」とか叫びながらカンフーの真似事をしてくるガキ。何を話しかけてくるわけでもないが、俺の顔を何度も超至近距離で振り返ってはジロジロ見ながら歩く大人、子供、男、女。なんなんだ?こいつら!宿の近くでは、俺を見かける度に日本語で「ラクダはつかれた〜」と言っては大笑いするおっさんもいた。しまいには俺が先に言ってやった。<br /><br />そしてマラケシュ最大の見ものは、旧市街中心にあるフエ広場だ。見た感じはだだの広い広場なのだが、ここが夜になると凄い事になる。昼間から出ている20軒ほどのオレンジジュースの屋台(他のジュースを売る店があれば儲かると思うんだが・・・)に加えて、100軒以上の様々な屋台が現れる。モロッコ名物のタジンやクスクスの店、焼き鳥の店、羊の頭を店先に並べた羊の脳ミソ料理の店、スープとお菓子の店がずらっと並ぶ。それぞれの店からモクモクと白い煙が立ち昇っている。そしてこれらのほとんど全ての店が通りすぎる客に呼び込みしまくっている。<br /><br />さらにその屋台群の外側にはたくさんの大道芸人、ミュージシャン、ゲーム屋などが出て、それらを囲む見物人の輪から歓声や笑い声が起こる。そして、その見物人や歩いてる人にスススッと近寄っては「ハシシ?」と囁いて来る売人。全く人が集まっていない所で下手な太鼓をひたすら叩いているおっさん。なにやらブツブツ言いながら、ずっと座っている物貰いの親子。そして、さらに外側を何故か必ず笑いながら走っている二人乗りのバイクや自転車。。。<br /><br />そんな屋台や人の輪やバイクや自転車が、広場を埋め尽くしているのだ。いきなりこの光景を見たら、年に一度の大きなお祭か何かがあるのかと思うだろう。だが、ここではこの大騒ぎが日曜祝日関係なく、毎晩毎晩夜中の2時3時まで続いているのだ。<br /><br />俺もそんなマラケシュで毎日スークに出掛け、裏道を散歩し、屋台で飯を食い、輪に混ざって大道芸を見たりしながら4日間を過ごした。その間ずっとマラケシュの熱気に飲まれてしまっていたような気分だった。ただ、特に何をしていたというわけでもないのに、いつもヘトヘトに疲れていた。<br />

This is “the”chaos!

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2003/10 - 2003/10

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captainkoji

captainkojiさん

約1000年も前の街並みが残るモロッコのマラケシュ。フェズと並んでモロッコで、いや世界で最も古い街の一つと言えるだろう。だが、古都という言葉は、この街を表現するのに適していない。古都と言ったら、京都や奈良のように落ち着いてしっとりした佇まいを想像してしまう。だがここマラケシュはとんでもないエネルギーに溢れ、あらゆるものが混沌と渦巻く、まさにカオスそのものなのだ!

まずは世界最大とも言えるスーク(アラビア語圏のバザール)だ。中は小さな商店が密集しており、道は細く入り組んで迷路のようになっている。さっき見た店にもう一度行こうと思っても辿り着けず、気が付くとスークの元の入り口に戻っていたり、全く見当はずれの出口に出てしまったり。その中を商品、商人、地元の買い物客、観光客がごちゃごちゃにひしめき合っている。

ここでの買い物は、買い物というよりかはアトラクションだ。他のアラブの国々と同じように商品に定価なんてなく、全てが交渉で決まるのだが、そのやりとりがとにかく熱い。

「よう兄ちゃん、ちょっと俺の店を覗いて行きなよ」
「えー、いいよ」
「まぁまぁそう言わずに、ほら見るだけ見てみろって」
「じゃあ見るだけだよ」
「このサンダルなんか彼女へのお土産にどうだい?」
「へー、かわいいね」
「だろ?これはベストクオリティだぜ」
「いくら?」
「んー、お前は特別にだな、、200ディラハムにしてやるよ。200ドルじゃねーぞ、安心しな」
「それでも高過ぎるからいらないよ。バイバイ」

「ちょ、ちょっと待てよ。じゃあお前はいくらだったら買うんだよ」
「買わない」
「まぁまぁ、とにかくお前の値段を言ってみろ」
「んー、50くらいかな」
「はぁ?バカ言っちゃいけねーよ。これはそこらの工場モノとは違うんだ。職人の手作りだ。見ろよ、この縫い目を」
「ふーん」
「お前の本当の値段を言ってみろよ」
「60」
「おいおい、冗談はよしてくれよ。180でどうだ?」
「だめ」
「仕方ねぇ。170だ」
「全然だめ」
「兄ちゃん、厳しいねぇ。よし、150にしてやるよ。グッドプライスだぜ」
「高すぎるよ。やっぱりいらない」 (背を向けて立ち去る)

「マイフレンド!ちょっと待った!」(軽く振り返る)
「戻って来いって。話し合おうぜ」
「だって150でしょ?」
「分かった分かった。ベリーグッドプライスにしてやるよ」(店まで戻る)
「いいか、俺はこれを120で仕入れてるんだぜ。60で売ったらこっちが損しちまうぜ。140でどうだ」
「まだ高いよ」
「全くしょうがねーなー。 (おもむろに紙とペンを取り出し)これでどうだ(125)」
「やっぱり買わない」 (背を向けて立ち去る)

「マーイフレーンド!」これを何度か繰り返す・・・。

「90でどうだ。俺は日本人が大好きだから出血大サービスだ。アメリカ人には500で売るんだぜ(ここだけヒソヒソ声)」
「あともう少し!」
「85だ!」
「もう一声!」
「これが最後だ。80!」
「よし買ったぁ!!!」

こんなやり取りが毎日毎日、どこへ行っても行われる。お茶まで振舞われる事もある。甘いミントティーを飲み、世間話を交えながら、値段の交渉をするわけだ。俺は2日がかりで値切って買ったバッグもある。

スークの外、観光客がほとんど来ない地元エリアでも、屋台や露店が並ぶ道にいつも人やリヤカー、自転車、バイク、トラック、馬車などがごちゃごちゃに行き交っている。「どこへ行くんだ?俺が連れて行ってやるよ」とガイドを買って出てずっと付いて来る奴が各通りに一人はいる。それはガイド料や、知り合いの店に連れて行ってコミッションを取る為にやる奴もいれば、ただの親切でやる奴もいる。

俺をしつこく仕事場に呼び入れ、俺が入って座るとアラビア語で話しながら自分の仕事をやり続ける職人。俺を見かけると「アチョー!」とか叫びながらカンフーの真似事をしてくるガキ。何を話しかけてくるわけでもないが、俺の顔を何度も超至近距離で振り返ってはジロジロ見ながら歩く大人、子供、男、女。なんなんだ?こいつら!宿の近くでは、俺を見かける度に日本語で「ラクダはつかれた〜」と言っては大笑いするおっさんもいた。しまいには俺が先に言ってやった。

そしてマラケシュ最大の見ものは、旧市街中心にあるフエ広場だ。見た感じはだだの広い広場なのだが、ここが夜になると凄い事になる。昼間から出ている20軒ほどのオレンジジュースの屋台(他のジュースを売る店があれば儲かると思うんだが・・・)に加えて、100軒以上の様々な屋台が現れる。モロッコ名物のタジンやクスクスの店、焼き鳥の店、羊の頭を店先に並べた羊の脳ミソ料理の店、スープとお菓子の店がずらっと並ぶ。それぞれの店からモクモクと白い煙が立ち昇っている。そしてこれらのほとんど全ての店が通りすぎる客に呼び込みしまくっている。

さらにその屋台群の外側にはたくさんの大道芸人、ミュージシャン、ゲーム屋などが出て、それらを囲む見物人の輪から歓声や笑い声が起こる。そして、その見物人や歩いてる人にスススッと近寄っては「ハシシ?」と囁いて来る売人。全く人が集まっていない所で下手な太鼓をひたすら叩いているおっさん。なにやらブツブツ言いながら、ずっと座っている物貰いの親子。そして、さらに外側を何故か必ず笑いながら走っている二人乗りのバイクや自転車。。。

そんな屋台や人の輪やバイクや自転車が、広場を埋め尽くしているのだ。いきなりこの光景を見たら、年に一度の大きなお祭か何かがあるのかと思うだろう。だが、ここではこの大騒ぎが日曜祝日関係なく、毎晩毎晩夜中の2時3時まで続いているのだ。

俺もそんなマラケシュで毎日スークに出掛け、裏道を散歩し、屋台で飯を食い、輪に混ざって大道芸を見たりしながら4日間を過ごした。その間ずっとマラケシュの熱気に飲まれてしまっていたような気分だった。ただ、特に何をしていたというわけでもないのに、いつもヘトヘトに疲れていた。

  • この盛り上がりが毎晩午前3時頃まで続く

    この盛り上がりが毎晩午前3時頃まで続く

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