1970/07/01 - 1970/07/01
47位(同エリア60件中)
片瀬貴文さん
翌朝私が起きたとき、彼はもう会議を主催していた。ようやく昼を過ぎて手が空いたらしく、現場主任と私を昼食に招待してくれた。
「せっかく来てくれたのに、ゆっくり話し合えずに失礼した。せめてここの名物料理でも、ゆっくり食べて欲しい」
と、野兎の血ソース煮をすすめながら、楽しくワイングラスを傾ける。
ウサギは、かつてパリの城壁外にある安レストランの、名物料理だった。
人気が高く、たくさんの注文があるので、野良猫の肉をだまして使っているとの、うわさが立つほどだった。
話に花が咲き、コニャックのディジェスティフを飲み終えた時、秋の日はすっかり落ちて辺りは暗くなっていた。
私はいい心地でうつらうつらするにもかかわらず、私と同じくらい飲んだ彼は再び霧の中を150キロで飛ばし、400キロの道のりを一度も休まず、20時にパリに着いた。
(当時のフランスは、飲酒運転には寛容で、「両手を水平に180度に伸ばして、親指を動かし、前を向いたままで同時に両手の親指を見ることができれば運転してよい」と指導されていた。
酒量としては、ワイン250ccプラスブランディー1カップ)
その二日間、彼の休養をついに見ないままに終わった。恐るべき働きぶりである。
彼は土木技師、案内人、運転手の3役を、普通の2倍ほどの密度でこなした。
つまり6倍の生産性を発揮したわけだ。
シュッツさんは特別としても、フランス人はゆったりした生活を送っているように考えられがちだが、その背景に濃度の高い猛烈な働きぶりがある。
しかし、バカンスも必ずと言っていいほど、しっかり休んでいる。
一年を通じての生活のリズムがはっきりしているのが、こちら流だ。
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