1970/06/28 - 1970/06/28
335位(同エリア451件中)
片瀬貴文さん
国鉄では、地方視察に出かけると、部長クラスがつきいあってくれ、必ず昼食に誘われる。
田舎レストランでワインを堪能しながら、お互いに人生を語り、決して行程を急がない。
時には16時頃までかかり、午後に予定された日程が、キャンセルされることさえあるる。
彼らにとって、予定された視察行程よりも、お互いの情報交換のほうが大切と考えている節がある。
私が学ぶと同時に、彼らも学んでいるのだ。
マルセイユを案内してくれた地中海局の国鉄マンは、赤ら顔で堂々たるかっぷくの、話し好きな男だった。
ヨットが趣味の彼は、ブイヤベースを食べながら、南フランスに住む自分たちを盛んに自慢する。
「われわれは正義心が強く、権威にひるまず、冒険好きで、情熱的だ」
この地域はローマ、ゲルマン、アラブと、次々に文明の嵐にさらされ、アヴィニオン法王時代の輝かしい栄光、フランス革命におけるマルセイユ義勇軍の華々しい活躍など、幾多の伝統に飾られている。
フランスは文明の十字路で、たくさんの血が混じっている。
地方ごとにものの考え方、気質から体格までさまざまである。
それぞれが自らに誇りを持つと同時に、他の良さも見逃さずに認めようとする。
「その多様性が、民主主義を生んだのだ」
この言葉には、ずしっとした重みがある。
愚衆的と批判されようと、現在国家意思決定でベストとされる、全員参加型民主主義手法は、自他共に彼らが元祖と考えられているからだ。
国鉄での研修は、全国を見ることにより、この国全体を考える機会を与えてくれたという点でも有難かった。
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