1970/06/05 - 1970/06/05
17237位(同エリア20604件中)
片瀬貴文さん
ケーブルの運賃0.6香港ドル(36円)。
ビクトリア・ピーク駅から見渡す香港の眺めは、実に美しい。
それから標高554メートルの頂上まで、徒歩20分。途中まで歩いたが、時間が惜しくなって引き返す。
長い旅のはじめだから、無理は避けよう。
レストランに立ち寄り、サンドイッチを買う。
庭には、見慣れぬ熱帯の花が美しく、溢れるばかりに咲き誇っている。
再び下界へ。
暑さはますます激しく、流れる汗は滝のよう。
タイガーバーム公園まで近いので、タクシーに乗ってみる。
ところが、おのぼりさんと見透かされたせいか遠回りされ、メーターは3.1香港ドル(190円)と上がり、「釣りがない」と4香港ドル(240円)せしめられる。
遠回りを注意したところ「あなたはタイガーバームパーク(ガーデンが正しい)と、行き先を間違えたではないか」と、理屈にならない反論。まことに不快。
お目当の公園は、悪趣味そのもの。
だが色の鮮やかさに惑わされ、ついシャッターを切りすぎた。
興味深かったのは、公園そのものより、周りの穴居生活だった。
次にバスに乗ってみる。0.2香港ドル(12円)。
賑やかな通りに出ると、大丸百貨店がある。
象牙のブローチを買い、茶碗蒸しを食べる。
外国人への対応はどうかと、英語の片言にフランス語を交え、ベトナム人を装ってみた。
サービスはまずまずだが、隣の中国系百貨店に比べ、客は少ない。
いよいよ楽しみにしていた二階建て市電(トラム)に乗る。
東に向かうケネディータウン行。
二階が一等で0.2香港ドル(12円)、一階は0.1香港ドル(6円)だから、二倍。
二階からは、街並みや、街に住む人々の生活が展望できて面白い。
終点までの途中二回下車。野菜市場や、中国人居住区を歩く。
街は全て四階建てのアパート。
中を覗き込むが、暗くて何も見えず、不気味。
線香と油に匂いが混じり合い、独特の香りが立ち込めている。
この香りは、何時までも鼻にまとわりついて離れない。
道端に椅子を持ち出し、食事などやっている。家の中はよほど暑いのだろう。
終点のケネディータウンに、大きな市場がある。
魚や肉のにおいが激しくて、早々に退去。やや疲労気味か。
子供がいっぱい寄ってきて、カメラを不思議そうに覗き込む。
海に浮かんだジャンクで、麻雀を遊んでいる。
水上生活者は、人口の4%とか。
市電の折り返し点では、僅かの時間に、運転士は屋台から中華丼を買い、運転台でかきこむ。
山盛りのご飯からして、相当な食欲。
発車時間になると、食べさしを脇に置いて、仕事再開。
次に西の終点を目指そうとしたのだが、電車を乗り違え競馬場に行ってしまった。
ここですでに19時。腹八分目が大切と、街めぐりを終える。
夕食は洋食。
アメリカのケチャップ、イギリスのソース、ドイツのビール、フランス風のパンが食卓に並び、国際都市を実感。
ビールに銘柄がたくさんあって、注文を迷う。
今日一日の奮闘を讃えて、一番高価な2.2香港ドル(130円)のものを選んだら、”cider”つまりサイダー。
リンゴの発泡酒だった。
乾いた喉にグッと飲み干すには今ひとつ。
だが、後悔しても始まらない。
この種の失敗はこれからも多いだろう。
それを楽しむのも旅の大切な収穫なのだ。
香港では今日一日ハエを一匹もみなかった。
不思議といえば不思議だ。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
香港(香港) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
0