台湾小旅行2005　台北市内

2005/05/01 - 2005/05/04

2005年のゴールデン・ウィークに台湾へ行ってきました。
世界一の高さを誇るTAIPEI101を有する先進の街、昔ながらの情緒を残す街など、台北は変化に富んだ街です。
親日家の方も多いこの国で楽しい休日を過ごすことが出来ました。

気候的にはちょうど梅雨に入ったところで、あまりお天気は良くありませんでしたが、よろしければスナップ写真をご覧下さい。
台北市内を観光した際の写真です。

エリア 台北(台湾)

国立台湾博物館
まずは早起きして、ホテルのそばにある228和平公園を散策。この距離からは近すぎて確認できませんが、屋根には美しいドームが載っています。

国立台湾博物館
正面に建つ威風堂々としたコリント円柱と屋根の装飾。建設されたのは日本統治時代の1908年。当時は「台湾総督府民政部殖産局付属博物館」 という長い名前でした。

228和平公園
公園内の並木道。さわやかな朝の風と新緑がとても気持ち良かったです。そばで太極拳をしている方々がおられました。

景観池
228和平公園の中には池や噴水もあり、また緑豊かな散歩道もあります。東屋風の小屋でひと休みすることも出来ます。

228紀念碑
228和平公園という名の通り、この公園には中国国民党による台湾人弾圧事件=228事件を祈念した碑があります。中華風の建物が多いこの公園でほとんど唯一の無国籍建造物です。
ちなみに台湾では「祈念」もしくは「記念」を「紀念」と書くようです。

総統府
1926年に日本政府により建てられたこの建物は、日本統治当時は日本政府の台湾総督府として使用されていました。終戦後、1949年以降は台湾総統府として使用されています。

総統府
中央の塔は60mの高さがあります。

総統府
総統府の入口。平日の午前中は1階部分の見学が可能だそうです。
日本の敗戦と撤退の後も、この美しいネオ・ルネッサンス建築を壊さず、大切に使い続けてくれていることに感謝せずにはいられませんでした。

中正紀念公園
中華民国の指導者的存在として尊敬の対象とされる一方で、228事件を引き起こすなどその独裁的統治に反感を持つ人も多い、蒋介石をしのぶ記念公園。広さ約25万平米の広大な敷地に国立劇場や国立コンサートホール、そして蒋介石の紀念堂などがあります。
ゲート正面の「大中至正」の文字は蒋介石のモットーで「行いを正しくする」と言う意味。

中正紀念公園
この正面ゲートは高さ30m。写真では実感が湧かないですが、ものすごくでっかいです。上の写真で人の大きさと比較してみて下さい。

国立劇場
正面ゲートをくぐって右側にある建物が国家戯劇院(国立劇場)です。これもビッグ・スケール。左側にも同じような建物があり、そちらはコンサートホールです。極彩色の建物ですが中国本土の建築と比較すると、屋根の庇先端の形状が違いますね。こっちの方が大人しいというか、優しい印象を受けます。

中正紀念堂
公園の正面にある蒋介石をしのぶ紀念堂。ここにいると、スケール感が麻痺しそうです。
ところで、「中正」とは蒋介石の名前(First Name)、「蒋」は
苗字で「介石」はあざなだそうです。
これは親切なトラベラーさんに教えて頂きました。

台北西部の街並み
淡水河に沿って、台北で古くから発展してきたのが台北市の西側。言ってみれば旧市街っていう感じでしょうか。古くからの街並みが多く残る地域です。

台北西部の街並み
とってもローカルなオープン・カフェ。下町情緒が溢れまくりです。
龍山寺への道すがらのスナップです。

龍山寺
1738年に建てられた台北で最古の寺院。仏教寺院ですが、神道の神々も一緒に祭られています。

龍山寺
多様な神々&仏様が集まる場所だけに、参拝者で常に賑わっています。みなさん真剣にお祈りされていて、信仰心の深さを感じます。

龍山寺
梁の装飾。他の寺院と比較してもこの龍山寺の装飾は抜きん出て高い完成度でした。

龍山寺
柱の装飾。龍山寺という名にふさわしく、たくさんのドラゴンがいます。

龍山寺
第二次大戦の時に米軍の空襲を受け、正殿が破壊されたときにも本尊の観音菩薩像は全くの無傷だったそうです。

龍山寺
参拝出口付近の小さな池と噴水。
参拝者は通常、向かって右側の側面入口から入り、左の出口から出ます。

国父紀念館
台湾建国の父として広く慕われる孫文。その生誕100周年を記念して1972年に建てられました。これまた巨大な建築物ですが、周りの公園はきれいに整備されており、緑に囲まれた散歩道をのんびりと歩く人たちがいました。

国父紀念館

台北の歩行者用信号機
3連写の写真を一枚にまとめてあります。
台北市内の信号機は私が歩いて見た限り、すべてLED式でした。
青信号の上にカウント・ダウンする秒数表示があり、しかも青色の人がパラパラ漫画風に動きます。さらには残り時間が少なくなってくると青色人間が走り出します。かなり面白いですよ。

TAIPEI101
世界一の高さを誇るTAIPEI101は台北国際金融センターです。高さ508m、101階建て。国父紀念館付近から撮影しましたが。このくらい離れて撮らないと全貌が分かりません。

TAIPEI101
となりの建物は台北市政府、シティ・ホールです。かつてからこの付近は市政府や市議会など行政施設の集まるところでしたが、世界貿易センターや国際金融センターが出来て、経済活動の中心的役割も大きくなってきました。

TAIPEI101
下から見上げるとこんな感じ。高すぎるので、逆に高さの実感が湧きません。
併設されているショッピング・センターには世界中の有名高級ブランドがめじろ押しです。地階にはフード・コートもあります。

TAIPEI101
外壁は緑色の偏光ガラスで覆われています。所々に配された雲形の装飾が「筋斗雲 （きんとうん）」を連想させ、けっこう可愛いです。

TAIPEI101
夕暮れの101。派手なライトアップは無いため、日没後は良い被写体ではありません。

士林夜市
台北で最大規模の夜市。「夜市」と聞いて、屋台や夜店の集合体だとばかり思っていたら随分印象が違いました。小規模店舗の集まりには違いありませんが、きちんと屋根のある建物の中で想像以上に衛生的です(失礼)。

士林夜市
とはいえ、活気と様々な食材のにおいに溢れ、歩いているだけでお腹いっぱいになりそう。

士林夜市
特に鉄板焼のお店がよくはやっていました。

士林夜市
名物のタピオカ入りミルクティーを飲みました。「珍珠乃茶」と書きます。今では日本でも沖縄などでよく見かけるこの飲み物は、台湾の台中生まれなのだそうです。
タピオカのプニュプニュ感がたまりません。

士林夜市
もうひとつスイーツに挑戦しました。あん子の入ったパイをクレープ生地で包んだようなお菓子です。包む時に中のパイをたたき潰すアクションがけっこう豪快で見ていて楽しいです。こんな説明ではまったく分からないと思いますけど、、、。
味は甘くて油っぽいです。

忠孝東路
台北市内を東西に貫くメイン・ストリート。夜も賑わっています。
お店の前に様々な出店が並び、昼間より活気があります。

忠孝東路
なかなか魅力的な洋服やアクセサリーもたくさんありました。

この旅行記へのコメント （6）

• 鬼才紫嵐さん 2005/12/02 18:39:01

  はじめまして

  BATT MANさん、こんにちは！
  大阪の名建築の旅行記と台北の旅行記を拝見しました。
  確かに旧い建物たちは前人が私達にくれる一番良いギフトですので、
  旧い建物を保護することは私達の責任だと思います！
  日本本国を除く、やはり台湾は今まで一番多い戦前の日式建築を保存する国はずですね。
  詳しい紹介も、素晴らしい写真の撮り方も本当に気に入って、ありがとう！
  ちなみに、蒋介石についに、「蒋」は軍事的尊称じゃなくて、彼の苗字です。
  そして、「中正」はご存知の名前（First name）だけど、「介石」はあざなですよ。日本人だれも知る中国人に例えば、諸葛孔明亮、諸葛は苗字、孔明はあざな、亮は名前となりますね！
  では、これからもどうぞ宜しくお願いします！
  BATT MANさんも私のページに遊びにいらして下さい。
  

  BATT_MANさん からの返信 2005/12/02 22:54:19

  RE: はじめまして

  鬼才紫嵐さん　こんばんは。
  書き込みありがとうございます。
  
  蒋介石に関する正しい情報ありがとうございます。
  早速旅行記の記載内容を訂正いたします。
  
  私は各国、各都市の建築を見るのが好きなのですが、建築物そのものだけでなく、
  それにまつわる歴史的背景も知ると、より旅が楽しく有意義なものになりますね。
  わたしも鬼才紫嵐さんを見習ってもっと勉強しなくっちゃ！
  

• マキタンさん 2005/05/19 13:43:59

  建造物の撮り方・見方が素晴らしいです｡感謝！

  バットマン？さん　こんにちは　マキタンです｡
  新しい旅行記、拝見しました｡特に建造物の撮り方が素晴らしいですね｡
  台北は２回行きましたが、新鮮な視点からよく観察されていて、説明もわかり易いです｡もちろん１票投じました｡「世界一の高さを誇るというTAIPEI101」の写真は初見でしたが、アングルに苦労されただけ大切な作品になりました｡
  街も変わってきているのでしょうが、「台湾総督府として使用されていた建築を壊さず、大切に使い続けてくれていることに感謝せずにはいられませんでした。」との詞に心情が込められています｡日本統治時代には負の遺産だけでなく、現地の人々に役立ったことも多くあったに違いありません｡
  建築物が貴重な文化財だとわからせてくれる記録ですね｡ありがとう・・｡

  BATT_MANさん からの返信 2005/05/19 20:57:22

  RE: 建造物の撮り方・見方が素晴らしいです｡感謝！

  マキタンさん　こんばんは。
  書き込みと投票ありがとうございます。
  
  日本でも老朽化と「手狭になった」などの理由で、文化財的な建築がどんどん失われています。
  私の住む大阪でも歴史ある百貨店（そごう）の閉店と同時にその建物が無くなってしまった
  時には怒りと寂しさで泣いてしまいそうでした（ちょっと大げさ）。
  まして占領統治時代に建てられたものを保存していくなんて、心が広いと言うべきか、現地の方のお気持ちまでは分かりませんが私には少し驚きでした。ヨーロッパに代表される
  「旧い街」で行われていることが台湾で行われています。保存することの意義を深く理解
  している台湾の「先進性」に関心したということかもしれません。
  
  TAIPEI101のような高い塔や、横に長く伸びた大きな橋などは、苦手科目です。
  どうすればバランス良く画面に配置できるのかよく分かりません。
  これからも苦労しながら挑戦して行きます。
  もう少し台湾旅行記を更新するつもりですので、また遊びにいらして下さい。

• SUR SHANGHAIさん 2005/05/16 20:49:35

  こちらへの書き込み、ありがとうございました。

  いや〜、台湾にいらっしゃってたんですか〜。
  台湾は私にとって懐かしい想い出満載の土地なんですよ。（例によって、旅行記はまだ一つも出してないんですが。(^○^)）
  台湾内でも何度か引越ししたんですが、最初に住んでいたのが国父記念館の近くだったんです。懐かしい〜。
  
  上海に帰って来てみたら、総領事館の壁はあの通りのままでした。どうなることやら、です。(ーー;)
  

  BATT_MANさん からの返信 2005/05/16 21:03:41

  RE: こちらへの書き込み、ありがとうございました。

  SUR SHANGHAIさん　こんばんは。
  お久しぶりです。現実逃避のゴールデンウィークもすっかり終わってしまい、
  旅行の写真をまとめているところです。
  もう少し写真を増やすつもりなので、また覗いて下さい。
  
  SUR SHANGHAIさんは、世界各地で暮らしているんですね。何かと苦労も多いでしょうが
  羨ましいです。SUR SHANGHAIさんの台湾旅行記もいつの日かUPして下さいね。