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二重レートと二重価格 アルゼンチンペソへの両替は米ドルから - ブエノスアイレスのクチコミ

World Traveler 1959さん 写真

World Traveler 1959さん
男性 / ブエノスアイレスのクチコミ : 10件
旅行時期 : 2023/06(約2年前)

アルゼンチンの紙幣

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  • サンマルティン将軍像
  • アルゼンチン国立美術館

 アルゼンチンに初めて行く際には、現地通貨のアルゼンチン・ペソをどのようにして手に入れるかよくわからないですよね。その答えはズバリ現地に到着して市中で米ドルをペソに交換するのがベスト!

 米ドルやユーロなどであれば出国前に日本国内の銀行などで両替することが可能で、一般的にその方が現地での両替のレートよりも良いと言われていますね。
 
 しかし、日本から「マイナーな通貨」が流通しているような国に旅行する場合は、一般的に現地で両替した方が有利だと言われています。アルゼンチンもそうです。ただし、アルゼンチン到着後に、銀行などで日本円をペソに交換しようとするとすごくレートが悪くなります。

 その理由はいったん日本円を米ドルに交換し、さらに米ドルをアルゼンチン・ペソに交換することになるからです。つまり、交換手数料を二重に取られるのです。そうなんです。ですから、アルゼンチン・ペソを手に入れようと思えば、まず米ドルを入手する必要があるんです。その際、米ドルは日本で購入していく方が良いでしょう。

 さて、アルゼンチンでは政府が決定する公式レートとは別に市中で広く通用しているブルーレートという二つのレートがあります。しかも、公式のレートで交換すると「損」になっちゃうんです。だからブルーレートでの両替がおすすめなんです。
 
 わたしが訪れた2023年6月下旬に米ドルをアルゼンチン・ペソに交換した際には、公式レートとブルーレートの間で2倍近い開きがあったんです。その後、大統領選前の2023年10月には当時の公式レートが1ドル350ペソだったのに対し、非公式レート(ブルーレート)はなんと1ドル1,000ペソを超える事態となったようです。アルゼンチンの人々が政情の激変を懸念して、たとえ1ドル1,000ペソであっても不安定なペソを持っているよりドルに換えておきたいという状態が過熱したわけです。

 そのため、新大統領が就任した同年12月にアルゼンチン政府は公式レートをそれまでの350ペソから50%以上引き下げるという緊急の経済措置を講じたのです。その結果、公式レートは1ドル800ペソほどになりました。これにより公式レートが少し「実勢」に近づいたことにはなったのでしょう。でも、わずか数か月の間にに米ドルに対してペソの価値は公式に半分以下に下落したわけです。言い換えればペソを持っていたら、自動的に価値が半分になってしまうという悲劇に見舞われたわけですよね。

 アルゼンチンではこれまでも何度か通貨の信用不安がおき、通貨の引き下げが繰り返されきたため、現地の方々はペソで得られた収入はすぐに米ドルへの交換を望まれます。ちなみに、わたしは利用したお宿で代金を米ドルで受け取っていただきお釣りをペソでいただくことができました。その際にブルーレートで計算してくれました。

 ブルーレートはあくまでも非公式レートなわけなのですが、アルゼンチンでは個人の銀行口座から公式に交換できる米ドルは200ドルに限られているそうで、しかもその手続きが複雑なので、自国通貨が信用できない中で現地の方々にしてみれば公式レートより分の悪いブルーレートであってもペソからドルへの交換したい、言い換えればできれば保有たくないペソを合法的にドルに交換することは事実上できないので、非合法的なブルーレートでの交換に頼らざるを得ないという悲しい現実があるのです。

 不況の中での物価高や安定した収入を得られる仕事がなかなか見つからないアルゼンチンの人たちには大変申し訳ないのですが、日本人旅行者にとって円安傾向の昨今にあってもなおアルゼンチン・ペソに関しては円安の影響はそれほど大きくはありません。ドルに対して円が20%下がろうが、ペソは50%下がっているので、相対的に円はペソに対して値上がりしているということになるんですよね。その結果、極端な円安が進む中でも日本人旅行者にとってアルゼンチンはむしろ為替の恩恵を受けられる数少ない国ということになるわけです。
 
 アルゼンチンでも激しいインフレが起こっていますが、それでも物価そのものは日本より安いものも多いと感じます。わたしは滞在中に地元の人たちが利用するようなレストランで食事をしましたが、250グラムのサーロインステーキとビール、ワイン、サラダでおなか一杯いただいてお勘定は8,550ペソでした。アルゼンチンのレストランではチップは10%程度とされていましたので9,500ペソお支払いしました。当時のブルーレートで19USD(日本円に換算すると3,000円以下)です。仮にこのお料理を日本のレストランでいただいたなら多分5,000円以下ということはあり得ないでしょう。感覚的には7,000円でもお得かなと思えるほどでした。

 なお、アルゼンチンでは高級なお店に加えて、観光客向けのレストランやお土産店などではカード決済が可能ですが、そのようなところではブルーレートではなく公式レートが適用されたり、最近になって日本でも話題になっているいわゆる二重価格となってたりすることが通常です。そうすると、あまり為替の有利な恩恵は感じられないかもしれませんね。

 また、地元の方々が利用するようなカジュアルなお店のほか、列車やバスに乗車する際に必要となるスーベカードの購入などにはクレジットカードを受け付けてもらえず、基本的には現金払いが主流となっていますので、現金は絶対に必要となるでしょう。その際、現地に行ってから米ドルをブルーレートでアルゼンチン・ペソに交換するのが最適だということなんです。
 
 ところで、両替し過ぎてペソが余ったらどうしましょう?実は、ペソからドルへの両替は不利なレートになるので、つかい残し過ぎがでないように注意して両替しましょう。それでも残った場合には、何年か先にまたアルゼンチンに来た時のために残しておいたほうが…みたいに考えるのではなく、ちょっと豪華な食事をするなり、お土産を買うなりして、できるだけその時に使い切っちゃうようにしましょう。それはなぜかというと、たとえ10,000ペソ(約10ドル)程度残ったとしても、数年先にそれと同じ価値が維持できているかというと残念ながらそうではない可能性の方が高いからです。

 まとめると、アルゼンチン入国前に米ドルを用意しておき、空港の両替所や政府系の金融機関ではなく、市中の両替所や信用できる現地の方と個人的に有利な(ブルーレートで)アルゼンチンペソを手に入れましょう。そのうえで地元の人たち御用達のお店をお得に利用しましょうということです。
 
 ブエノスアイレスに行く前は、治安が良くないのではないかという印象を持っていましたが、実際に行ってみると必ずしも町中治安が良くないということではありませんでした。もちろん他の国でさえ昼間でも危なそうな場所はあるわけで、ブエノスアイレスにまそういう地域はあるようです。そう言う場所は避けて、十分に気をつけて行動していたら危険を感じることはありませんでした。むしろ緑あふれる美しくて広い公園が多く、親切な人が多くて、ステーキが安くて美味しくて、見どころがたくさんある魅力溢れる町でした。早くまた行きたいです。ただひとつの難点は日本からすごく遠くて時間も旅費も半端ないところですね。もっと近ければよいのに...。残念です。

https://4travel.jp/travelogue/11837436

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