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サンタポリナーレ ヌオヴォ聖堂 施設情報・クチコミに戻る

壁面の一連のモザイク画が見事☆彡

  • 4.5
  • 旅行時期:2019/10(約6年前)
sanaboさん

by sanaboさん(女性)

ラベンナ クチコミ:18件

東ゴート王国のテオドリック王により西暦500年頃に宮殿に隣接して建設されたアリウス派の聖堂です。(ゴート族が信奉していたアリウス派はキリストの神聖つまり三位一体説を否定するもので、正統派カトリックからは異端とされていました)
540年に正統派カトリックの東ローマ皇帝ユスティニアヌスがラヴェンナを奪還すると、アリウス派を想起させるモザイクや装飾が修正され、異教徒と戦った聖マルティヌスに捧げる聖堂として『サン・マルティーノ・イン・チェロ・ドーロ(黄金の空の聖マルティーノ)』と名称も変更されました。  
9世紀にクラッセ地区にあるサンタポリナーレ聖堂に安置されていた聖アポリナーレの聖遺物(遺骨)がラヴェンナ市内にあるこの聖堂に移され、サンタポリナーレ・ヌオヴォ(Nuovo=新しい)と名称変更され現在に至っています。

聖堂の一番の見所は左右の列柱アーチ上部の壁面に描かれた3段構成のモザイク画です。
身廊北側(後陣に向かって左側)の一番下の段のモザイク画は一連の壮大なもので、クラッセの街を出立した22人の聖女が東方三博士を先頭に天使に囲まれた聖母子のもとへ向かう行列が描かれています。
高窓のある中段には18人の聖人や預言者たちのモザイク、一番上の段には「十字架と2羽の鳩と貝をモチーフにしたモザイク」と『キリストの奇跡とたとえ話』の13の場面が描かれたモザイクが交互に配置されています。 
南側(後陣に向かって右側)の一番下の段の一連のモザイク画には26人の殉教者たちがテオドリック王の宮殿を出立し、キリストのもとへと向かう行列が描かれています。一番上の段には「十字架と2羽の鳩と貝をモチーフにしたモザイク」と『キリストの受難と復活のモザイク』が交互に配置されています。

北側壁面に描かれた聖女たちは特定の人物でそれぞれのお顔つきが個性的に描かれていることに感心し、その煌びやかな衣装にも目を引かれました。その先頭に立つ東方三博士たちの描かれ方も面白いです。
南側の殉教者たちのたちの先頭で一人だけ焦げ茶色の衣を纏っているのが聖マルティヌスで、皇帝ユスティニアヌスの時代になりアリウス派から正統派カトリックの聖堂に改修された時に施された修正箇所の一つですので、ご注目下さい。
一番上の段の『キリストの奇跡とたとえ話』が描かれたモザイクと『キリストの受難と復活』が描かれたモザイクはそれぞれの場面の意味が解るとなかなか興味深いです。(関連旅行記にそれぞれの場面の解説を記載してあります)
モザイク画は漠然と観てしまうとそれだけで終わってしまいますが、決して象徴的に描かれているわけではなくそれぞれに意味がありますので、それを理解したうえで観ると大変興味深いです。


施設の満足度

4.5

利用した際の同行者:
一人旅
観光の所要時間:
1-2時間
アクセス:
4.0
ラヴェンナ駅から徒歩で6~7分
コストパフォーマンス:
4.0
5ヶ所共通券(9.5ユーロ)で入場可
人混みの少なさ:
4.0
それなりに観光客はいますが特に問題ないと思います。
展示内容:
4.5
身廊壁面の一連のモザイク画が大変見事です。

クチコミ投稿日:2021/02/07

いいね!:39

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