100年前に世界一高いビルだった、隅々まで意匠を凝らした超絶美麗建築
- 4.5
- 旅行時期:2018/05(約8年前)
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by porculsさん(非公開)
ニューヨーク クチコミ:34件
1913年に出来てから1930年までの間、世界一高いビルだった、当時の人にとって、このビルの屋上に近い展望台に上ることは、ライト兄弟の飛行機に乗るくらいな大冒険だった…というのが信じられないくらい、今では一見、周辺の高層ビルに埋もれた普通の古いビルです。でも、当時このビルをキャッシュで建てた(!)という大金持ちの実業家ウールワースさんが、金に糸目をつけず、世界一の高層ビルというだけでなく、建物の隅々の、超細かいところまでお金と技術の粋を凝らした、今でも、というか今だからこそ一見の価値がある美麗建築です。今ではこんなお金や手間をかけた建築は無理だと思うので…。エレベーターのドア、構内郵便物を入れる郵便ポスト、天井などの素晴らしい細工・意匠、建築家キャス・ギルバートの遊び心で、ギルバート本人やウールワースさんなどビルの関連人物がビル内の天井近くにミニ石膏像みたいにこっそりと飾られていたり、本当に見どころ満載です。かつては1階ロビーまでは観光客でも入れたそうですが、911以降はビルの関係者しか入場できず、観光客が中を見るには、有料のガイド付きツアー(ビル自体が主催していて、要予約。コロナ下では中断中のようです)しか手段がありません。ツアーは30分(20ドル)、60分(30ドル)、90分(45ドル)の3種類あり、60分に参加したかったのに売り切れていて30分に参加しましたが、ガイドさんのウールワース・ビル愛が強すぎて、40分ほどかけて、予定外の地下まで見せてくれて、大満足でした。今ではオフィス・ビルですが、できた当時はコロンビア・レコードの本社とスタジオがあり、ジャズが世界的人気になる発信地だったとか、58階の展望台が大人気で、レストランやショップもある、文化発信地で摩天楼の中心地で、「続あしながおじさん」で主人公のサリーが、親友ジューディが家族で南の島に船で出かけるのをNYの港に見送りに行ったとき、「私が必死で手を振っているのに、船上のジューディは名残惜しそうにウールワースビルの方を見ていた」と非難する手紙が出てきます。そして!ツアーに参加するなら写真に収めてほしい細部の見どころが、ビルのあちこちに建築家の遊び心で設置されている、小さな石像たち。建築家キャス・ギルバート本人は、ウールワースビルのミニチュアを持っていたり、発注者のウールワースさんは大金持ちだからお金を数えていたり、ビルの運営会社に出資していた銀行家のピアソンさんは株価の速報値を見ていたり…と、本当に笑えるというか素敵というか…是非、見逃さずにチェックしてください。ドラマ「アグリー・ベティ」でモード社として使われている(たぶん)他、「魔法にかけられて」という映画などのロケ地にもなっています。
場所は、ダウンタウンのNY市庁舎の真横で、ワールドトレードセンターやブルックリン・ブリッジのすぐ近くです。地下鉄の駅は、徒歩圏内に10個ほどあり、アクセスも便利で、ついでに色々見るものが周囲にたくさんあります。コロナが収まったら、建築好きの方、歴史好きな方は、是非ツアーに参加してみてください。
- 施設の満足度
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4.5
- 利用した際の同行者:
- 一人旅
- 観光の所要時間:
- 1-2時間
- アクセス:
- 4.5
- 徒歩5分以内に地下鉄の駅が10個くらいある、至便な場所です。
- コストパフォーマンス:
- 4.0
- 建築や歴史が好きな人なら、有料のガイドツアーが価値ありです。911以降は、ツアー参加以外では関係者以外はビル内に立ち入れなくなっています。
- 人混みの少なさ:
- 3.5
- 訪れた2018年の5月には、ツアーは人気でしたが、それ以外はビルに勤務する人くらいしか出入りしていませんでした。
- 展示内容:
- 4.5
- 建築が好きな人には嬉しさに悶絶するほど、細部までお金と技術の粋を凝らした超絶美麗ビルで、一見の価値ありです。
クチコミ投稿日:2021/01/03
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