コンパクトなのに正真正銘ココでしか見られない有名作品群
- 5.0
- 旅行時期:2017/06(約9年前)
-
-
by 尾葉ちゃんさん(非公開)
ロンドン クチコミ:4件
昔の貴族の館丸ごと美術館。寄贈者の遺言により、作品は門外不出、正真正銘、ここでしかお目にかかれません(他の美術館の特別展に貸し出すことがない)。しかも入場無料。周囲は落ち着いたショップが並ぶおしゃれなショッピング街で、飲食店も豊富なので、ぶらぶらするだけでも楽しく、アクセスは若干悪いですが(どの地下鉄の駅からも徒歩5分以上かかる)気になりませんでした。
中庭はガラス天井がはめられオシャレなカフェに。ここのクリームティ(クロテッドクリーム付きスコーン+紅茶)はリーズナブルで美味しいです。
作品は大まかに分けて、絵画、家具、陶磁器、武具・甲冑があります。
絵画は主に17-18世紀の欧州絵画で、ムリーリョ、ルーベンス、レンブラント、ベラスケス、ヴァン・ダイク、フランス・ハルス、ヤン・ステーン、ピーテル・デ・ホーホ、フラゴナール、ブーシェ、カナレットなどが所狭しと掲げられています。違う画家が同じモチーフ(受胎告知、聖母の結婚、東方三博士の礼拝、など)を描いている絵が同時に見られるのも興味深かったです。
有名どころ以外でも、グルーズの色っぽい(というか恍惚とした表情の)女性の絵ばかり集めている小部屋(Boudoir=私室)があって、かけている費用は全然違いますが、たぶん現代で言う、某有名カメラマンが撮ったグラビア写真を壁一面に貼ってる部屋ってことかな、と思うと、貴族の人間臭さが垣間見れて楽しいです。また、同じ人物を、違う画家(当時イギリスで有名だった肖像画家のゲインズバラ、レイノルズ、ロムニー)が描いているのが並べてある部屋(West Room)もありました。
家具は、18世紀のフランス家具がこれまた所狭しと並んでいます。とくに、アンドレ・シャルル・ブールという家具職人の作品は、象嵌の繊細さ、技術の高さ、縁のカーブの滑らかさ・優美さ、デザインの面白さは必見です。切り絵のような象嵌が、対になっている家具で、ネガポジのように反転しているところなど、ため息しかでません。
陶磁器コレクションの中で圧巻なのは、何と言ってもセーブル焼き。フランスのどのコレクションより充実している、と言われるのも頷けます。ルイ15世の愛人・ポンパドール夫人が実際に使っていたと思われるもの、なんかもありますが、特別扱いな展示でもないところがまたニクいです。
武具・甲冑は興味がないので割愛…すみません。
以上のように、無料で混雑していなくて17-18世紀の有名どころの画家の作品をいっぺんに見られるのにコンパクトで、とコストパフォーマンス抜群の美術館です。このギャラリーの欠点を強いて言うなら、あまりにもさりげなく有名な画家の作品が展示されているので、後から知って、あれ、あったっけ?見ておきたかった、と後悔すること。少し予習をしてから行ったほうがいいかもしれません。所要時間は、ザっと回るなら1時間半、じっくり見て回るなら3時間くらいは欲しいです。
- 施設の満足度
-
5.0
- 利用した際の同行者:
- 一人旅
- 観光の所要時間:
- 1-2時間
- アクセス:
- 4.0
- コストパフォーマンス:
- 5.0
- 人混みの少なさ:
- 5.0
- 展示内容:
- 5.0
クチコミ投稿日:2018/01/06
いいね!:2票
利用規約に違反している投稿は、報告することができます。 問題のある投稿を連絡する