いわゆる「台湾牛肉麺」とは別系統の牛肉麺。辛くはなくて味わいは濃厚牛肉ダシの肉うどん。
- 4.0
- 旅行時期:2017/05(約9年前)
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by 食べ太郎さん(非公開)
台北 クチコミ:46件
まずこの店の店名ですが、店内のお品書きの左端に「劉山東小吃店」とあります。
表に掲示してある2010年の国際台北牛肉麺フェスティバルの受賞を伝えるパネルにもそう表示してあります。当店の公式ホームページはまだないようですが、フェイスブックのページは開設しています。そこに表示してある店名は、「劉家山東牛肉麺」です。
どちらが正式店名なのか?国際台北牛肉麺節の受賞パネルに表示してある店名が正式だと思いますが、それは2010年時点の話です。その後改名したのかもしれません。ネット時代ですから、現時点でフェイスブックに表示してある「劉家山東牛肉麺」が当店の正式店名だと私は解釈します。
住所はフェイスブックに表示してあるように開封街一段14巷2號です。当店の場所は通りから路地を入った所で分かり辛いので、初めて行く人はグーグル・マップに上記の住所をコピペして、場所を確かめてから行く事を勧めます。私はこのあたりの某ホテルを台北における定宿にしており、ここの通りは何度も歩いているのですが、路地裏にこんな牛肉麺店があるとは知りませんでした。
いわゆる「台湾牛肉麺」とは四川料理から影響を受けたピリ辛の紅焼スープの麺料理です。「紅焼」とは中華料理用語で牛肉麺に限らず醤油煮込みの調理法を意味して使われます。
この店の牛肉麺は「山東牛肉麺」と銘打っており、いわゆる「台湾牛肉麺」とは別系統の牛肉麺です。広い中華文化圏では同じ「牛肉麺」と名乗っていても地方によって味は異なり、例えば私が上海で食べた「蘭州牛肉麺」はスパイシーな塩ラーメンでしたが、「山東牛肉麺」とはいかなる麺料理なのか?
簡単に言えば肉うどんでした。添付写真を見ての通り、カンスイを使って黄色く変色させた中華麺ではありません。小麦粉をそのまま捏ねてこの太さで製麺すれば「うどん」です。スープも醤油味ですが、写真のように色が薄いです。辛さはまったくありません。
薄めの醤油スープにうどんを入れて牛肉を載せると、正に関西で言う「肉うどん」。しかし、醤油スープのダシはカツオや昆布ではなく濃厚な牛肉ダシなので、肉うどんとは微妙に異なる味わい。それに日本の肉うどんは、これほど豪快に牛肉は使いませんし。
この店の「山東牛肉麺」が山東省の伝統料理か、山東省出身の当店の創業者のオリジナル料理なのかを確かめたくて、中国の検索サイトで「山東牛肉面」で検索すると、同じような肉うどんもどきの麺料理の写真がたくさんヒットしました。やはり山東省の伝統的麺料理のようです。ただ、伝統的とは言っても台湾牛肉麺自体が戦後に生まれた料理なので、山東牛肉麺もどれほどの歴史があるのかは知りませんが。
テーブルの上にはドンブリほどの金属容器が置かれ、中には漬物が入っています。それより小さいプラスティック容器には豆鼓(発酵した黒豆)が入っています。どちらも無料サービスです。漬物は外見も味も高菜の漬物。豆鼓は製造途中の味噌の味です。どちらも牛肉麺に入れるよりは白いご飯と一緒に食べた方が旨いと思いました。
いわゆる「台湾牛肉麺」とは異なる系統ですので、初めての台湾旅行で「台湾牛肉麺なるものを賞味してやろう」と思っている人が行くべき店ではありませんが、台湾リピーターで台湾牛肉麺を何軒も食べ歩いた人は、中国料理界における「牛肉麺」の幅広さを知る意味で行ってみる価値はあります。
- 施設の満足度
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4.0
- 利用した際の同行者:
- 一人旅
- 一人当たり予算:
- 1,000円未満
- 利用形態:
- ランチ
- アクセス:
- 3.0
- 台北駅から徒歩圏だが、路地裏で地図がなければ分かり辛い
- コストパフォーマンス:
- 4.0
- これだけ牛肉がゴロゴロ入って140元はコスパ高い
- サービス:
- 3.0
- 普通の大衆食堂
- 雰囲気:
- 3.0
- 普通の大衆食堂
- 料理・味:
- 4.0
- まるで肉うどん
クチコミ投稿日:2017/06/06
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