アルハンブラ宮殿の引き立て役となってしまった建物
- 3.0
- 旅行時期:2015/07(約9年前)
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by ウェンディさん(女性)
グラナダ クチコミ:46件
カルロス五世宮殿はアルハンブラ宮殿の中にある異質な建築物で、欧州風のドーリス式、イオニア式、コリント式の混合様式で建てられている。
この宮殿の建築を命じたのはカルロス五世で、アルハンブラを陥落したカトリック両王(イザベラとフェルナンド)の孫にあたる人物だ。
カルロス五世はコルドバの世界遺産メスキータの中に異様に豪華なカトリック大聖堂を作る許可を与えてしまったカルロス一世と同一人物(カルロス五世=カルロス一世となるのだが、彼はスペイン王のみならずドイツ王でもあったためスペインではカルロス一世、ドイツではカルロス五世の名を持つ)だ。
カルロス五世は幼い頃に母である狂王妃ファナと離別し外国で育てられたため、祖父母が創立した国であるスペイン王国の歴史に疎い王であった。
それ故に、コルドバの美しいメスキータの柱を壊してまでカトリック大聖堂を作る許可を与え、アルハンブラの中にもこのような異質の建物を作ってしまったのだろう。
カルロス五世は祖国スペインで己の名を残すために、ムーア人の王よりも素晴らしい建物を作り自分の名を後世に残そうと必死だったのだろう。
しかし結果的には彼が作らせたカルロス五世宮殿は、逆にその存在がアルハンブラの他のムーア建築物の美しさを引き立て役となってしまっているとは、皮肉なことだ。
- 施設の満足度
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3.0
- 利用した際の同行者:
- 友人
- 観光の所要時間:
- 1-2時間
- 展示内容:
- 3.0
クチコミ投稿日:2015/10/28
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