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生贄の血を吸い続けたチャックモール

  • 5.0
  • 旅行時期:2012/08(約13年前)
ウェンディさん

by ウェンディさん(女性)

チチェン・イッツァ クチコミ:11件

チチェン・イツァー遺跡の中でひときわマイナスのオーラを放っている場所がある。
それは、戦士の神殿の上にポツンと一つだけ残されている石の像。

その像はお腹を上にし、手をその腹の上に乗せ、顔を横に向け、戦士の神殿の下から彼を見上げる私達をじっと見ている。

像の顔の彫刻はパッと見は幼い子供のようだが、よく見ると目は笑っていなく、子無き爺のように老成した顔をしている。
この像の名前はチャックモール。

その昔、マヤの人々がこの場所で生活をしていた頃、チャックモールは、生贄のために存在していた。
マヤの王は神のために生贄の体を引き裂き、その心臓を取り出し、チャックモールの腹の上に乗せ、神への供物とした。

生贄となるのは戦いで捕虜となった人達であることも多かったが、マヤの人達にとって生贄となって死ぬことは誉(ほまれ)とされていたため、同じ村の出身者が立候補で生贄となることもあったそうだ。

この生贄の習慣はスペインによる中米侵略後、宣教師たちの説得により中止されたそうだが、多くの宣教師たちが、説得に失敗し、このチャックモールの上で心臓をとりだされた…。
最終的にはスペインのカトリック教会から送り込まれた宣教師たちは、マヤの土着の神を信仰する人々をカトリックに改宗させ、その地を植民地化し資源と労働力の搾取には一応の成功を収めた…と云うことだ。

そんな昔話を知って、このチャックモールを見ると、なんだか像が笑っているようにも見え、その顔は、最近は生贄がとんと来ていないなぁ…と言っているようにも見える。

もしかして、チャックモールの像は、今でも昔の事を忘れられないのかもしれない。

施設の満足度

5.0

利用した際の同行者:
家族旅行
観光の所要時間:
1日
アクセス:
5.0
チチェン・イツァーの遺跡の中
コストパフォーマンス:
5.0
遺跡入場料に含まれる
人混みの少なさ:
4.0
朝の開館と同時入場がお勧め
展示内容:
5.0
事前にしっかり遺跡の事を学習を…。より楽しめる

クチコミ投稿日:2015/09/13

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