一人で擂茶を飲むのは中々の重労働
- 4.0
- 旅行時期:2013/05(約12年前)
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by 食べ太郎さん(非公開)
新竹 クチコミ:2件
客家の伝統飲料、擂茶を体験したくてこの店に入りました。「擂」の漢字の訓読みは「す(る)」で、「すりばち」を漢字変換すれば変換候補の下の方に「擂鉢」があるはずです。擂茶とは、ナッツ類などの材料を擂鉢で擂ってペースト状にした後、お湯を注いでドロドロに溶かした飲料です。
新竹郊外にある北埔は客家人の多く住む郷で、古い街並みが残っている事で近年の台湾では観光地化している地方都市です。水井茶堂は、その北埔の街の路地裏に佇む古い民家を利用した隠れ家的な茶館です。新竹から北埔へ行くには台湾鉄路の支線と路線バスを乗り継ぐので、こんなところまでやって来る物好きな日本人観光客は私以外におるまいと思っていましたが、この店のメニューを見ると手書きで日本語訳が書き込まれていました。こんなところまでやって来る物好きが少なからず存在するという事でしょうか。
擂茶の値段は、一人の場合で300元で、更に一人増える度に100元が追加されます。300元の内の200元は擂鉢と擂粉木の使用料、残り100元が擂茶の材料費という事でしょうか。もし3人で注文すれば、初期費用300元+追加二人分200元=500元で、一人当たり約167元となる計算です。また、既に擂り潰された材料をお湯で溶いて出すインスタント式擂茶もあって、こちらは一律に一人100元です。
私は一人旅でしたので擂茶一杯に300元は高いと思いましたが、せっかく北埔まで来たので本格的な擂茶を体験してみました。店のおばさんが持ってきた擂鉢の中には、カボチャの種、落花生、胡麻、と少量の茶葉が入っていました。これを自分で擂粉木を使って擂るのですが、自分では十分に擂ったつもりでおばさんに見てもらっても、なかなかOKが出ません。大勢で雑談しながら交代して擂れば旅の楽しい思い出になるかもしれませんが、一人でやると中々の重労働です。
添付写真の擂り潰した写真でもまだゴールまで五合目くらいの段階です。写真を拡大すれば小さな白い点が見えますが、それは砕かれた白胡麻の粒子で、材料の粒子が残っているとおばさんのOKは出ません。完璧にペースト状にしてようやくおばさんのOKが出ると、おばさんがヤカンを持って来て擂鉢に熱湯を注ぎ、しゃもじでよく溶いてからお椀に注いでくれます。お茶菓子は別途注文しました。
擂鉢の中のお湯で溶いた擂茶の分量はお椀に二杯分くらいです。擂茶を注ぐ前のお椀の中にはおコメのポン菓子が入れられており、一杯目の擂茶(添付写真参照)はポン菓子の甘味がついて美味しく頂けましたが、二杯目はポン菓子無しの純粋な擂茶を味わう事になります。100%の擂茶のお味は、少々苦味があってそれほど旨い飲み物とは思いませんでした。客家の伝統文化に興味がある方なら一度体験するのも良いと思いますが、私的には一度体験すればもう十分です。(^_^;)
私が擂鉢を飲み終えた頃、別の客が高級烏龍茶を注文しました。私が中国茶の正式な淹れ方を興味深く眺めていると、おばさんは急須の中に残ったお茶を私にも出して味見させてくれました。
- 施設の満足度
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4.0
- 利用した際の同行者:
- 一人旅
- 一人当たり予算:
- 2,000円未満
- 利用形態:
- その他
- アクセス:
- 2.0
- 新竹から台鉄のローカル線とバスを乗り継いで1時間ほど
- コストパフォーマンス:
- 2.0
- 都会の喫茶店のコーヒーよりは割高
- サービス:
- 4.0
- お茶をサービスしてくれました
- 雰囲気:
- 4.0
- レトロな味わいを出しています
- 料理・味:
- 3.0
- 客家の伝統文化に興味がある方限定
クチコミ投稿日:2013/08/27
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