≪Romantische Strasseロマンチック街道、Schwaebische Alb Strasseシュヴェービッシ...
続きを読むュ・アルプ街道、Burgenstrasse古城街道の旅≫
期間:2012年05月15日(火)~05月29日(火)15日間の旅
“生きている完全な中世都市”と称されるNoerdlingenネルトリンゲンはローテンブルクの町から南に80kmの距離にある。
この町も1500万年前に直径1000mの隕石が落下・衝突によって形成されたと云われる25kmのリース盆地にあって、かつての新教派の帝国都市である。
中世城塞都市の環状の城壁が14世紀に建てられ、5つの門、11の塔と共に、今もほぼ完全に保存され、この町をぐるりと囲んでいる。
この町でもいまだに城壁を夜警が見回るのだと云う。しかも城壁の回廊を歩いて一周できる町は広いドイツでもネルトリンゲンだけなのだ。人口は21千人。
ディンケルスビュールの教会と同じ名前の聖ゲオルク教会内部には隕石の衝突跡の岩石があると、観光本に書いてあった。
・・・が、良く分からないので、74歳の老女に聞いてみると、
“こっちだ!”と、説教壇の柱傍の、見た目は普通の石段を指して、
“これが隕石から作った石段だよ。”と教えてくれた。
≪Die Sage・Turmwaechter:トゥルムヴェヒター(塔守)と豚の伝説≫
聖ゲオルク教会の塔には塔守が住んでいる。塔の上から火事や敵の襲来を見張ってきた者で1490年に塔が建って以来の歴史的存在でもある。
現在はロマンチック街道上の町々では観光化して、夜警の夜の観光ガイドとして、知られている。
さて、聖ゲオルク教会の塔守は塔の上から、一晩中、1時間毎に“So G’sell so!ゾー、ゲゼール、ゾー”と叫ぶ。“オーイ、仲間たちよ!”といった感じで叫ぶらしい。
だが、これには古い話が言い伝えられているそうだ。
話は1440年の頃に遡る。
近郊の領主がネルトリンゲンの町を手に入れようと、この町に夜襲をかけてきた。領主の兵たちは町の城壁の周囲に密やかに集まり、夜襲の機会をうかがっていたそうだ。
所が、町の東にあるLoepsinger Torレプジンガー門の脇で遅くまで働いていた織物工の女房が、豚が一匹、門から逃げ出して行くのを見つけ、とっさに“So, G’sell so!ゾー、ゲゼール、ゾー”と大声で叫んだ。
この地方の方言で豚の事をSauザウと言っていたそうで、詳しくは“So, geht Sau Soゾー、ゲー、ザウ、ゾー!・・・ほら!豚が行く!ほら!”というわけだ。
織物工もそいつを聞いて、慌てて同じように大声で騒いだ。それで町中が大騒ぎとなったと・・・。
吃驚したのは城壁を囲んで、イザ攻撃と思っていた敵兵たちでした。町の人に気付かれたと、これも慌てて逃げて行ってしまった。
Turmwaechterruf "So, G`sell, so!" 塔守の叫び声(合図)“ゾー、ゲゼール、ゾー”:
この事から、以後“So, G’sell so!ゾー、ゲゼール、ゾー”が塔守の合言葉になり、今も塔の上から叫んでいるのだと云う。】
(2012年8月27日;訳・編集)
以前は見ることが無かった„豚”が町の観光名物として、街中に見られる。
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投稿日:2016/07/20