サービスは及第点。ホスピタリティは今一歩。

こちら側の期待レベルの差によって評価の分れるホテルではないでしょうか？
フォーシーズンズホテル椿山荘東京の元総支配人である塩島賢次氏が著書で、「サービスとは、100人のお客様がいても、すべてのお客様に同じレベルでおもてなしすること。ホスピタリティとは、100人のお客様がいたら、100通りのおもてなしをすること。」と書いていますが、その意味では、ネクサスは「サービスは合格点。ホスピタリティは今一歩。」といったところではないでしょうか？
至れり尽せりのおもてなしでセレブ気分を味わいたい人には、あまりおススメできないホテルかもしれません。
乱暴な例えかもしれませんが、伊豆などで増えてきた1年中均一料金がウリの合理性重視のホテル(斜陽になったホテル買収し、効率化を高め、均一のサービスレベルを比較的低価格で提供するホテルチェーン。例えば伊〇園ホテルグループみたいなとこ)での楽しみ方に似ている気がします。

ネクサスは、市内からは遠いけれど、その分、抜群のロケーションだし、広大な敷地にきれいなビーチ、建物も部屋も施設もそこそこ立派で、スタッフも笑顔で応対してくれます。それ以上を望まなければ、充分、合格点だと思います。
ただ、せっかくだから、ここでのホテルライフをもっと満喫したい! もっともっと楽しみ尽したいと思った瞬間から、期待感と現実のギャツプが生れてくるかもしれません。
まず、あれこれ相談にのってくれるコンシェルジュがいません。その役目も果たすべきフロントのスタッフは、フレンドリーで、出来そうなことを頼んだり、答えられる質問にはちゃんと応えてくれますが、ホスピタリティの点で評価の高いホテルみたいに、気を利かすとか、一歩先の気配りをしてくれるということは、期待しないほうがいいと思います。
具体的に言うと、羽田からコタキナバルの直行便は早朝着ですから、ネクサスにも朝の8時前には着きます。フロントもなるべく早く部屋に入れるように気を遣ってはくれます。でも、まだ部屋の準備ができないと、「まだ無理です。あと1時間くらい待ってください」と言って終わりです。あとは自分でベルボーイのところに荷物を運んで行って、預かってもらって、初めてのホテルの中を手探りで探検して、時間をつぶすことになります。
ホスピタリティあるホテルなら、「お部屋の準備が整うまであと1時間くらいお待ちいただくと思いますので、お荷物はこちらでお預かりします」と言って、ベルボーイを呼ぶ。あるいは、「朝食がまだでしたら、どこどこのレストランがご利用できます」とか、「お待ちの間、ビーチや館内をご案内しましょうか？」的な気配りはありませんでした。
部屋の準備が出来た時も、その案内だけで、荷物は自分でベルボーイに頼んで出してもらって、自分でポーターにリレーするみたいな感じ。そんなものと思えばそんなものですが、ホテルに対する期待感が高ければ、はぁ？ナニコレ、こんなのアリ？って幻滅してしまうかもしれません。
「タクシーチャーターってできます？ 予算はどれぐらい？」って聞いても、「ホテルに来ているタクシーはしてません。どこか頼めるとこもわかりません」
「ビーチでカクテル飲みたいんだけど？」「プールサイドではお楽しみいただけます」
って感じで、出来ることは親切にやってくれるけど、出来ないことは、にべない感じです。
とはいえ、逆にスタッフはおおらかで、細かいことは言わない感じなので、自分で頑張って楽しむ努力をすると割り切れば、結構快適だと思います。

その他、良い点とイマイチの点
（良い点）
部屋の掃除が素早い…ホテルによっては分業制で、何部屋かを同時平行で掃除するため、なかなか終わらないということがありますが、ネクサスは、省力化なのか、少ない人数で１部屋ごと仕上げていく感じなので、あっという間に終わっている感じです。ホテル内でのんびりするビーチリゾートでは、着替えやシャワー、お昼寝でちょこちょこ部屋に戻りたいことが多いので、これはありがたいです。

ホテル内に手ごろな料金でのアクティビティが揃っている…オプショナルツアーで1日潰れちゃうのは嫌だけど、ちょっとは何かしてみたい、短時間でオプショナルツアーに行った「つもり」は味わいたいというのには、ありがたいです。

（イマイチな点）
無線LAN（wifi）環境が脆弱…もともとコタキナバルはガイドブックも情報量が少ない上に、上記のようにコンシェルジュもいないから、アレコレ楽しむためにはネット検索が必須。なのに、ロビーですら弱々しい電波で、部屋や朝食会場は全くなし。これはつらかった。

朝食ブッフェ…アジアンリゾートはトロピカルフルーツのフレッシュジュースが楽しみなのに、なぜか濃縮還元味のオレンジジュースとグレープフルーツしかないのは寂しい。
いろんなカレーも楽しみだけど、毎日1種類しかないのも残念。

全体的にちょっとネガティブ風なコメントになりましたが、わたし的にはきどらず、自分のペースで楽しめたし、もう一度来てもいいかなという評価です。