河回村には民泊できる所が少なからずありますが、ここはあくまでも「民泊風の宿」という位置付けです。
しかし、室内にバス・トイレがあるという点は、やはり安心感があるので、ほぼ同価格の北村宅とどちらを選ぶか迷った末、ここに決めました。
マウル内のシャトルバスの終着点から川沿いの道を進めば、左手に「楽古齋」の小さなプレートが見えて来ますので、場所的にはわかりやすいと思います。
この道は桜の並木道で、春以外の季節の緑も爽やかですが、桜の季節には絶景になることでしょう。
「楽古齋」の入り口には木の通せん棒が下りているので、「あら、ここは入り口じゃないの?」と思ってしまいますが、実はここが入り口です。(よっこいしょと棒をまたがって侵入・・・)
たぶん、散策中の観光客が勝手に敷地内に入って来ないよう、一応バリアを張っているという感じなのでしょう。
写真で見た通り、中心に松の木がスックと立っている庭を三方から囲むように母屋、離れなど独立した藁葺きの家屋が建っています。全体の敷地は思ったより狭い感じ。
私たち夫婦は向かって右手のビョルチェという離れに宿泊。外観は2人で独占するには十分な広さの簡素な一軒家に見えるのですが、実際は狭い寝室とバスルーム、朝食をいただくダイニングスペースだけで構成されていて、かなりコンパクトです。
チェックイン時にはすでに2組のお布団が敷かれていましたが、テーブルを置くような余裕はありません。
独特の形の鍵、環貫代わりのスプーンなど細部に興味深いこだわりが見られました。
夜は本当に静かで、星もキレイです。しかし、早朝(と言うか真夜中!)3時半には一番鶏が「コケコッコー」と鳴いていました!
お隣のダイニングスペースとの間の扉は嵌め殺しになっていて、そこに行くにはいったん表に出て、履物を履いて、脱いでという「ひと手間」が必要です。
宿泊者限定の黄土サウナは入室した瞬間にヨモギの香りがプーンと鼻をかすめます。
本来は7:00p.m.~9:00p.m.に利用できるのですが、この日は7時から伝統花火が行われたので、6時半にはもう利用できました。
私たちが一番乗りだったようですが、寝っ転がってじんわり汗もかくので、宿泊客は少人数とは言え、次々と入るのは衛生的にどうなの?と少し気になりました。
部屋に付いていた噂のヒノキの浴槽はジェットバスになっていて、なかなか快適でした。
朝食は8時か8時半かを選ぶことができるので、私たちは8時にお願いしましたが、ダイニングスペースには扉がないので、10月初旬でもかなり冷えました。(日中との寒暖の差が大きい!)
お向かい(と言っても距離は十分ありますが)の韓国人のご夫婦は、一度ご自分の離れのダイニングスペースに出て来られましたが、室内で食べることにされたようです。
たぶん、あちらの離れはもう少し広く、室内にもテーブルがあったのかもしれません。
朝食はアワビのお粥、安東名物の塩サバ(お店で食べるようなビッグサイズではなく、1人ずつの切り身で、よく脂が乗っていました)、小菜とシンプルながら、上品で優しいお味でした。
デザートのフルーツナッツヨーグルトもなかなか美味でした。
しかし、着込んでいてもかなり外気温が低い(恐らく10℃強くらい)ので、お粥がすぐに冷めてしまったのが残念でした!
この朝食タイムも本当に静かで、聞こえるのは遠くで鳴く鶏の声だけ。
寒いけどピーンと澄み切った空気の中で、非日常的な安らぎを覚えました。