2006年5月末、スイスのジュネーヴから列車でベネチアに入り2泊した後、次の目的地であるフィレンツェに向かう。Firenze S. M. Novella駅に到着したのはお昼すぎ、さっそくLungarno Suitesへ向かう。タクシーで10分もかからない距離だったと思う。
イタリアにはフェラガモ経営のホテルが数軒あるが、中でもLungarno Suitesはキッチン付きで、コンドミニアム感覚で泊まれるのがうれしい。
日本を発って7日目。「根性無し」と言われそうだが、そろそろ日本の味が恋しくなってきた頃なのだ。
キッチン付きの部屋に泊まり、持ち込んだ調味料で自炊して、日本の味に癒されることで、旅の後半への英気を養おうと考えていた。
インターネットで予約する際、ポンテベッキオの見えるテラス付きの部屋をリクエストしておいた。
テラスに出てみると、斜め下にポンテベッキオが見え、賑やかな人々の往来や、レンガ色のグラデーションが美しいフィレンツェの街が広がっている。
左手、山の上にはミケランジェロ広場のダビデ像も見える。
アルノ川の水面すれすれをツバメが気持ち良さそうに飛びまわり、イタリアの爽やかな風を感じて、おもわず深呼吸した。
テラスにはガーデン用のテーブルとイスがあり、景色をながめながらゆっくりお茶を飲む。強いイタリアの陽射しをさえぎる電動式シェードもある。
フィレンツェに自分の部屋を持てたような嬉しさがこみ上げる瞬間だ。
キッチンはI型で使い勝手まずまず。電子レンジ、コーヒーメーカー、鍋などの調理器具も備えてある。
そして、黒のダイニングテーブル、テレビをみながら寛げる白いソファと、無駄のないすっきりとしたモダンインテリアがとても落ち着く。さすがフェラガモ経営のホテル。
寝室はやや狭く、ツインベット。ごく一般的なシングルサイズだ。女性なら問題ないが、体格の良い男性だとちょっと窮屈かもしれない。
ベットの隣には、クローゼット。そして、バスルームへと続く。
バスルーム内はコンパクトにまとまっている。
この値段のホテルとしては狭いが、清潔に保たれていて、バスローブも備えてある。
湯船は日本人には嬉しい深めなタイプだ。海外旅行の必需品、お気に入りの入浴剤を入れ、ゆっくり浸かれば、歩き疲れた足も生き返る。
バスローブを着てバルコニーに出ると美しい夕暮れ時。
右手にサント・スピリト教会の塔、眼下にはライトアップされたポンテベッキオ。ウフィッツィ美術館の屋根の一角も、わずかだが見えている。
もともと小さなフィレンツェの街。観光の拠点としてここに泊まってみて損はないと思う。ホテルスタッフの対応も、スマート。良い意味であっさりして心地良い。
時間とお金があって許されるのであれば、半年ぐらい滞在し暮らすように過ごしてみたいと心底思う。
ここは訪れる者すべてにとって「フィレンツェの家」となりうるのではないだろうか。
ルンガルノ ホテルズ
http://www.lungarnohotels.com/
総合評価は【4.2】としたい。