帰国前をゆったり過ごしたく、レーマー広場至近の立地から、出発前にドイツらしい風景を楽しめると思い、滞在時間を考えると割高ではあったがこのホテルに予約を入れたが、このホテルには非常にがっかりさせられた。
当日はケルンからの列車の遅延のため、予定外に到着が遅れ、疲れきっていたことと、観光の関係で昼食が遅かったために、夕食はルームサービスを頼むこととしたのだが、ごくシンプルなトマトスパゲティーしか頼んでいないのに、運ばれてくるまでに、1時間ぐらいかかり、味も最悪。アルデンテには程遠く、安物の喫茶店のナポリタンよりひどい位。
そして何と言っても一番ひどかったのは、前宿泊者が置いていったと思われる飲み残しのレッドブルの缶がミニバーに入っていたこと。決して気付きにくい奥に入り込んでいた訳ではなく、ドアを開ければすぐ目に付くところに置かれていて、缶が開いていることも一目瞭然だったのに、片付けられていなかった事実を考えると、前宿泊者のチェックアウト後きちんと掃除等がなされたかどうかさえ疑いたくなる。シーツはきちんと替えたのか、何て考えると気持ちが悪かった。こんな事を気にしなければならないぐらいなら、若い頃によく泊まったYHの方が、洗濯したてとはっきり分かる状態で渡される分、自分でベッドメーキングしなければならない不便を考慮してもましなぐらいだ。その上、部屋置きのミネラルウォーター(有料)は瓶の表示はガス入り、ガスなしと分かれていたのに、開けて飲んだら、ガスなしと表示された方もガス入りだった。そして、さらにひどいのが、苦情を言うために呼び付けたハウスキーピングの担当者の態度だった。まず、飲み残しのレッドブルに関して文句を言うと、新しい物が欲しいのか、という問いが返ってきた。呆れて、掃除した後のはずの部屋にこんな物が残っていることがおかしいのではないかと、と問うと、困った顔はしたものの謝罪の言葉はなかった。ミネラルウォーターに関しては、支払いはしない、というこちらの要求には従ったものの、こちらについても謝罪はなく、缶と瓶を持って逃げるように部屋を出て行ったが、最後までただの一言の謝罪の言葉もなかった。
また、ホテルの顔とも言えるフロント前のベルボーイスタンドのある路地には、沢山のタクシーが停車しており、柄の悪い運転手たちが大勢車から降りてだべっていて、品位を落としていた。確かにホテル客にはタクシーが必要だが、普通このクラスのホテルなら、客の目に付かない所で待機させて、必要に応じて呼び出す形式を取っているところが大半だ。前夜、ホテル到着時のタクシーが回り道をしたため、文句を言った際も待機していた仲間の運転手がやって来て、払わないなら警察を呼ぶなどと失礼なことを言っているのに、側にいたベルボーイはどちらかと言えば、タクシーに同調するような態度で、全く、高級ホテルの名が聞いて呆れる見下げ果てたホテルだった。
良いのは立地と部屋の広さだけだ。