ボニュー村のはずれにあるオーベルジュ。
ホテル全体を包む空気は、これこそプロヴァンス、と言いたくなる開放的なもの。
2食付で1泊だけのステイでしたが、このためだけにでもココに来る価値があると思います。
レストランも二つ星にふさわしく、土地の素材と調理法をいかしつつ、新たな試みもある料理。洗練されすぎておらず、それでいて力強い。ハーブの香りが全体を包んでいます。
サービスについては、英語のわかる人は少ないです。給仕長の男性は英語がネイティブっぽく、完璧ですが、あとの人は簡単な英語くらいです。
それでも、全体として楽しんでもらおうという気持ちがしっかり伝わってきます。特に給仕長の笑顔は素晴らしい。帰り際に「特にあなたの笑顔に感謝します」と伝えると、またいい笑顔。
服装が南仏っぽいのも気持ちが良いです。パリのトラディショナルな三ツ星ではばっちり黒スーツを着込んでいますが、それはここには合わない。南仏色のリネンを使った、このゆるい感じが、僕のようなアジア人の未熟な人間でも受け入れてくれる感じがします。これはパリではできない、素晴らしいサービス精神です。ここはある意味、パリの三ツ星よりも価値のある、「ここでしか味わえないレストラン」といえるでしょう。
予約はホームページのアドレスへ英語でメール。クレジットカードで事前に3割を支払います。支払いは2名で400ユーロほど(約6万円)。宿泊と料理がひとり185ユーロ(※季節により変動があります)。二ツ星の料理をこれだけ堪能し、(元)四つ星のホテルに泊まってひとり3万円は格安といえるでしょう。
少し行きにくい場所にありますが、「食べてみてほしい」だけではなく、ぜひとも「体験してほしい」オーベルジュです。