東京文化会館

フジコヘミングの豊かな世界観

4.0
旅行時期：2020/10（約4年前）

by たびたびさん（男性）

上野・御徒町クチコミ：488件

フジコヘミングのコンサート。コロナ過で一度延期になって心配しましたが、無事に開催されてほっとしました。
第一部はショパンからモーツアルト。ころころと玉を転がすように流れる曲調のショパンからモーツアルトに移ると主旋律の美しさにどんどん押しまくられるみたいな感じ。無駄というものがありませんね。異次元の見事さ。ただ、フジコヘミングが素晴らしいのか。やっぱりモーツアルトがすごいのか。なんかどっちがどっちだか分からなくなっていましたが、ここで私の中ではこの時点ではどちらかというとモーツアルトの素晴らしさの方が勝っていたかもしれません。第二部はリストが中心。モーツアルトが聴き手を圧倒する美しい旋律だとすればリストはちょっと大人の味わい。聴き手の想像力が入り込む余地がありますね。しかし、その違いがあっても、フジコヘミングの手にかかるとやっぱりフジコヘミングの豊かな世界観に包まれる。それに気が付くと、なるほど。ちょっと鳥肌が立ちました。そして、名高いラ・カンパネラ。高音のピコピコピコピコが耳に心地よい。文句なく楽しませてもらいました。
なお、コロナ過ですが、客席は満員。東京都の方針が出たので、直前に空けていた席を追加で販売したということでした。