新造船「きたかみ」は、新しいビジネスホテルのよう
- 4.0
- 旅行時期:2019/04(約7年前)
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by しそまきりんごさん(男性)
宮城野・若林・名取 クチコミ:12件
2019年1月に苫小牧ー仙台ー名古屋の航路に就航した新造船「きたかみ」に乗船しました。船内はまだ新しくて、塗色は清新な白が多用され、船内はコンパクトにまとまっていて、まるで新しいビジネスホテルのような印象でした。ゴロ寝の大部屋は無く、全てがカプセルホテル以上のグレードの個室で、姿が見えないプライベート空間が確保されており、女性にとっても利用しやすくなったと言えるでしょう。
最安のC寝台は、昔、陸を走っていたブルートレインのA寝台個室と仕様が似ていて、比較すると、船の方は各ベッドに窓や扉の鍵などは無いものの、天井がカプセルホテル並みに高く、寝室の空間が広くて快適度が増しています。何より、列車特有のガタガタという振動や音は無くなったのが大きいですが、代わりに、ゆったりとした大振幅で揺れるようになりました(慣れない方や悪天候の時は、酔ったり(胃の辺りがムカついたり)、下船後しばらくは大地が揺れている感覚に襲われたりします)。また、まだ新しいせいもあって、ブルートレインの時のような寝室の汗臭いにおいもなくなったのがよいですね。更に、列車と違い、船ならではの広い空間が確保できるため、レストランや風呂などの設備が、列車の食堂車やシャワー室に比べて飛躍的に充実し、旅の快適性からしてもブルートレイン衰退の要因が見えてくるような気がしました。
ちなみに、新きたかみのC寝台を例に挙げましたが、同船において1つ上のランクのB寝台にしたら更に快適性が向上するかと思いきや、B寝台は、C寝台にミニテーブルと小さな鏡が付いただけで、条件がほぼ変わりませんでした。そのため、C寝台が満席でもない限り、B寝台の利用は、あまり意味が無く、プチ贅沢のつもりのグレードアップにかかる数千円は、はっきり言って無駄としか言いようがありません。贅沢をするのなら、プチを越えますが、更に上位のテレビ付き個室、またはそれ以上を目指すほかないでしょう。
次に、船内全体の広さは、苫小牧から秋田行き、小樽から新潟行きのフェリーに比べると少し小さめの印象ですが、いずれの航路の新船と比べても、新きたかみは船内の雰囲気が良く、清潔できれいでした。新きたかみでは、乗船から入港30分前まで風呂に入ることができ、浴槽は、円形でジェットバス付きのため、船が揺れると、まるで流れるプールに浸かっているような面白さがありました。船内同様、浴室内も白が多用されていて、日が差し込むと清新な雰囲気に包まれます。洗い場にはボディーソープ、リンスインシャンプー備え付けられ、個々に軽く仕切りがあって、新しいホテルの大浴場の趣がありました。そして、おススメなのは、苫小牧―仙台間では、湯に浸かりながら太平洋に昇る朝日を眺めることです。特に、甲板で日の出までを眺めてから、朝風で冷えた体を風呂で温め、続きの清新な朝日を湯に浸かりながら楽しむなんていうオツな楽しみ方はいかがでしょう。なお、夏場は日の出の時間が早いので、朝風呂は比較的すいていました。また、朝早い時間帯は、船体の浴室と反対側に、三陸沿岸の見事な岩礁の海岸線を眺めることもできます。苫小牧発の新きたかみに乗船したなら、早起きはぜひともおすすめしたいです。
次に、船内での飲食ですが、持ち込みがおススメです。値段など気にせず、温かい食事と上質な雰囲気を楽しみたい方は、船内のレストランを利用すればよいですが、安さを求めるため労力をいとわない方は、次の価格構造を乗船前に計算に入れておくべきです。
市価<苫小牧フェリーターミナル売店の価格<船内価格
お菓子や缶ビールなど、同じ商品でも、それぞれ約1割ずつ価格上昇していました。ましてや、船内の狭い物販スペースでは、置いてある商品の種類は少なく、新きたかみに至っては、秋田行き、新潟行きのフェリーと比べても、更に品数が少なくなっていました。一方で、お茶(緑茶・ほうじ茶)の無料サービスが自販機コーナーの隣に設置されていたのは便利でした。
新きたかみの船内レストランは、メニューが二千円のバイキング一本しかなく、その他のアラカルトメニューはありませんでした。レストランの前には、椅子やテーブルが配置されたフリースペースがあり、そこで持ち込み品がいただけました。
- 施設の満足度
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4.0
- コストパフォーマンス:
- 4.0
- 夜行便や良い
- 人混みの少なさ:
- 3.0
- 連休やお盆、年末年始は混む
- バリアフリー:
- 3.0
- 乗り場へのアクセス:
- 3.0
- 車窓:
- 4.0
- 苫小牧→仙台は朝、三陸海岸を間近で見られる
クチコミ投稿日:2019/05/08
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