大地と水が織りなすスペクタルなマジック・ショー
- 4.0
- 旅行時期:2015/08(約10年前)
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by ウェンディさん(女性)
裏磐梯・猫魔 クチコミ:19件
五色沼の青く輝く水。
あの水を掌にすくってみたら、どの色に見えるでしょうか?
みどり色?、ひすい色?、それとも、エメラルドグリーン???
その答えは…
どの色でもありません。
何処の沼の水を掌にすくっても、ただの透明な水にしか見えません。
では、探索路から見える沼の色は、なぜあんなに美しい緑色や青色なのでしょうか。
その理由は、地球が五色沼という舞台装置でマジック・ショーを行っているから…です。
マジック・ショーなので、種明かしをしたらつまらない…と思われる方は、此処で読むのを止めましょう。
種明かしを知った上で、五色沼を楽しみたい…と云う方は、この先へとお進みください。
五色沼のマジック・ショーで重要な役割を果たしているのが、泥と水と太陽。
でも、それらはただの泥と水ではなく、五色沼にある泥と水でなければショーは始まりません。
五色沼の泥は、銅や鉄の成分を多く含む酸性の泥です。
そして、五色沼に流れ込む湧水には二種類の液性の水があり、一つは1888年の磐梯山の噴火以降から湧き出すようになったアルカリ性の水。そして、もう一つは酸性の水です。
もともと池の底に堆積する酸性の泥(この泥は、酸性の湧水が大地の岩などを溶かして作った物)と、アルカリ性の湧水が触れあう…つまり化学反応を起こすことで、五色沼の色が決定されると云われています。
とはいうものの、酸とアルアリの化学反応で緑色や青色の未知の物質が作り出され、沼水の中にその色が溶けだしているわけではありません。
酸とアルカリの反応には色々な化学反応がありますが、五色沼で起きているのは沈殿反応。
酸性の泥の中や酸性の湧水に含まれるケイ素(シリカ)やアルミニウムが、沼に流れ込むアルカリ性の湧水と化学反応し微粒子状の白色の結晶を作り、その結晶がゲル状となり、沼底に沈まずに水面近くにフワフワと漂い、水面を鏡のように覆います。
ここで太陽が登場します。
太陽の光には青い光を反射する性質があり、その太陽光が鏡と化した水面に当たると、青色の光が反射し、私達には水面が青く輝いているように見える…と云うのが、マジック・ショーの種明かしです。
掌にすくった水が沼水と同じ様な青い色に見えない理由は、掌の上の水量では微粒子の漂うゲル層が薄く、水面が鏡となる様な濃度に達していない為です。
更に…、
近年の研究では、五色沼の微粒子は粒サイズが殆ど同じであることから、青色の光散乱の原因となる微粒子が出来る過程が上記の説では説明しきれない…との研究結果もあり、今後、異なる種明かしが明らかになる可能性も捨てきれません。
- 施設の満足度
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4.0
- 利用した際の同行者:
- 家族旅行
- アクセス:
- 4.0
- 五色沼湖沼群の中の沼。バス停から散策路へとアクセスできる。
- 景観:
- 5.0
- 太陽光の当たる角度により、その水の色は変わる。
- 人混みの少なさ:
- 4.0
- 8月はお盆の時期でもそんなに混んではいません
クチコミ投稿日:2015/08/22
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