新たな災害に備えるためにも、古き災害を学ぶ大切さを教えてくれる。
- 4.0
- 旅行時期:2012/05(約12年前)
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by 木枯らし紋次郎さん(男性)
島原 クチコミ:4件
太古の昔、島原半島は海の底にあったという。
そこへ海底火山が徐々に爆発を繰り返し、その隆起した部分、それが今の島原半島だ。
そういう意味において、雲仙岳は島原の産みの親ともいうべき存在だが、有史以来この火山は島原に住む人に多大な厄災も与え続けている。
記憶に新しいのは20余年前に起こった普賢岳からの火砕流。
そして江戸時代には火山活動の影響で島原市街の背後にある山が崩壊し、それが海になだれ込み、大津波となって熊本側へ押し寄せたという。いわゆる「島原大変肥後迷惑」である。
日常は私たちに憩いをもたらしてくれる雲仙岳のもう一つの顔、つまり火山災害の恐怖と、人々がいかにそれを克服していったかということを総合的に学べる施設がこの雲仙岳災害記念館であろう。
この記念館で特に印象に残ったのが、大スクリーンの前で雲仙岳の構造を説明してくれる「舞台装置」だ。
座席が揺れるように設計されており、巨大なスクリーンの前に座っていても、まるで空を飛んでいるかのごとく感じられる。バーチャルな世界だとわかっていても、高いところが苦手だとちょっとした恐怖を覚えてしまう。単にテレビで見た情報ではなく、まるでスーパーマンになったかのようにあらゆる角度を飛び回って雲仙岳の火山構造を学ぶことができる。
現代の災害を説明するのがハイテク装置を使った方法であれば、江戸時代の災害は紙芝居風の舞台説明であった。ただ紙芝居風といっても、映画館のスクリーンほどの大きさはあるので、臨場感は抜群だった。
天災は必ずやってくる。
かつて天災に遭遇した人々がどのようにその被害から立ち直っていったのか、これを学ぶことがやがて起こり来る新たな天災への備えになるのだろう。
- 施設の満足度
-
4.0
- 利用した際の同行者:
- カップル・夫婦
- アクセス:
- 2.0
- 島原市内からも離れており、島原鉄道も使えず、車以外のアクセスができない。
- コストパフォーマンス:
- 4.5
- 展示物が充実しているので、リーズナブルな入場料だと思う。
- 人混みの少なさ:
- 4.0
- ゴールデンウィークにしては、それほどの人はいなかった。
- 展示内容:
- 4.5
- 様々な展示コーナーがあり、多様な角度から災害について学ぶことができる。
- バリアフリー:
- 4.5
- 車いすの方は大スクリーンがあるホールに座れるかどうかが心配だが、それ以外は充実したバリアフリー構造となっている。
クチコミ投稿日:2015/02/07
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