修行場としての趣も感じる名寺・永平寺。

5.0
旅行時期：2011/10（約14年前）

永平寺・丸岡クチコミ：1件

鎌倉時代から歴史の続く、言わずと知れた名刹。
座禅で知られる仏教宗派、曹洞宗の大本山です。

京都や鎌倉の名寺は、電車でらくらく行ける市街地にありますが、
福井の郊外にあるこのお寺は、機会をつくらない限り、なかなか訪問できません。
それだけに、古色蒼然とした小さなお寺を想像していたのですが、
とにかく立派。あらゆるお堂や建物が、スケールの大きいものです。

というのも、こちらのお寺では200人ものお坊さんが修行しているそうです。
お寺というより、むしろ、大きな合宿場といったイメージです。
一般客の修行もウェルカムで、この日もたくさんのお客さんが滞在していました。

「座禅を組む宗派＝厳格」なイメージがあったので、
境内の歩き方もいろいろ厳格な定めがあるのかと思いきや、
意外と自由にウロウロできます。
（とはいっても、お寺の中のものにむやみに手を触れてはいけません＾＾；）

760年も前から、修行の場として脈々と歴史が築かれているかと思うと、圧巻です。

ちなみに、お寺の中には、自動販売機(！！)で入場券を買って入ります。
意外と現代的。

個人的にいちばんの見どころは、「傘松閣」の天井画。
道元禅師の750回大遠忌の記念事業として1955年につくられたものだそうです。
金箔に彩られた、230枚もの花鳥図がはめ込まれています。
私は首が痛くなるくらい、その美しさに見入ってしまいました。

そして、お寺の中は歴史を感じさせないほどにピカピカに手入れされています。
日頃のお坊さんの努力のたまものです。
大きな階段があるのですが、なんでも毎朝7時半から、
一斉にダッシュで拭き走るそうです。すごい！！

文化財としての歴史的建造物であることに加えて、
お坊さんの「くらしの場」となっていることも、
今まで訪れたお寺にはなかなかない、興味深い点でした。

ぜひ、ゆっくり時間をかけてめぐってみてください。