閑静な佇まいから津軽海峡を眺められるホテル

国道から脇道に逸れ、ナビの案内通りに民家もない夜道を走り、予定時刻より30分ぐらい遅れ、到着したのは辺りが真っ暗になってからだった。
フロントは新人なのか笑顔はなく、ありきたりのマニュアル通りの機械的な対応だった。「遠いところ大変だったでしょう」ぐらいの愛想が欲しいところ。
ただ、部屋に案内して下さった係の方は、重い荷物も嫌な顔一つ見せず、笑顔で接して下さった。「ちょうど、館内の暖房が故障していたらしく、電気温風ファンヒーターを置いていますのでご容赦下さい」との断りがあったが、充分暖かさは保たれていて、温泉に入れば苦にならないので、たいして気にならなかった。
夕食前の一風呂。多少古さは感じるものの、清掃も行き届き、広い檜風呂は、宿泊客も少なく一人貸し切り状態でいい気分だった。透明なクセのない温泉だが中々暖まる。
いよいよお楽しみの夕食。味付けも量も申し分なく、新鮮な魚貝に地元色も感じられ、温かいものは温かい内に食べられる様にその都度運んで下さるのが嬉しい。ただ、運んで下さるペースが早すぎて、急かされている気分だったのは、折角初めての青森での宿泊なのに少し残念。これも宿泊客が少ないから仕方のないことなのか。
夕食後、休憩してまたひとっ風呂浴。露天風呂の灯りが消えていて、フロントにインターホンして点灯してもらった。
朝食。旬のイカはいつ出るのか。「今でしょ？」とばかりに膳に並ぶ。この辺では、イカ刺しは朝食に出るとのこと。そう言えば、昨晩部屋の窓からイカ釣り船の灯りが見えたが、これが一番新鮮な食べ方なわけだと納得。
宿を後にする前、また軽くひとっ風呂。
もうちょっぴり賑やかな時期に、またゆっくり来たいものだ。

クチコミ投稿日：2013/11/05