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Izu Cliff Houseのクチコミ
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2020年6月頃にたまたまAirbnbで発見して「一目惚れ」してしまい、同年の11月末に１泊しました。場所は南伊豆町の伊浜というところになります。山の急斜面、断崖絶壁に建てられた一軒家で、もともとは1960年代にとある夫婦の邸宅として建てられたものでしたが、初代の持ち主がいなくなってからは長い年月を経て廃墟となっていたのを、現在のオーナー夫妻が買い取られて少しずつリノベーションされ、60年代モダニズム建築のレトロな雰囲気は残しつつも、現代にマッチしたスタイリッシュさと快適さを取り入れ美しくよみがえらせていった、デザイン的にも歴史的背景的にも、非常に価値の高い建築物です。
全面ガラス張りの建物は２階建てで、１階のメインダイニングから天井までは吹き抜けになっており、ミニマルな生活空間でありながらも、まったく狭さは感じず、非常に開放感があります。現オーナー夫妻が取り付けられたウッドデッキを含め、どこにいても180度視界に広がる空と山々、そして駿河湾のダイナミックな景観に囲まれ、南伊豆の雄大で美しい自然を最大限に堪能できるデザイン設計が素晴らしいです。
レトロなテイストを残しつつリノベーションされた室内はとても居心地が良く、ナチュラルで優しい空気が満ちています。現地スタッフによる清掃は大変丁寧に行われており、ゴミひとつ落ちていませんし、キッチンにもバスルームにも必要なものはすべて揃っています。１階のデイベッドと２階和室の寝具に掛けられた真っ白のリネンは最高に肌触りが良くて清潔で気持ちが良く、ほんのりとしたハーブ系の香りに心から癒されます。
そして夕刻になるにしたがい、周囲の山々全体を真っ赤に染め上げながら駿河湾のかなたに落ちていく夕陽は息をのむような美しさ。夜には海の上を照らす三日月と星空、どの時間帯に見せる表情も素晴らしすぎて、過ぎていく一瞬一瞬がとても貴重で勿体なく思えるほどでした。
初代のオーナー夫妻がどれだけの思いとこだわりを持ってここを作られたか、そしてその思いを汲み取るかのように、約半世紀後、雑林に埋もれた廃墟の中からここを見つけ出し、途方もない時間とエネルギーを注いで、これほどまでに美しく建物を再生された現オーナー夫妻の情熱と行動力には感服です。それぞれの時代にこの家を愛した二組の夫婦の思いが、時代を超えてリンクし、この家を守っているような、そんな壮大なドラマを想像して目頭が熱くなるような思いにも浸れます。
アクセスは多少不便ではありますが、車があれば特に問題はありません。車がなくても西伊豆の松崎町からタクシーまたは、下田方面から南伊豆東海バスで一丁田バス停下車で徒歩でなんとか来られます。周辺一帯には本当に何もなく、レストランなども２キロ以上は山道を歩かなければなりませんので、車のない方は食料の買い出しをしてから来られることを強くおすすめします。（キッチンの冷蔵庫はたっぷりサイズです。冷凍庫はありません）
また、これだけの大自然に囲まれているので、当然、春～夏場には虫が多いとのことです。野生の猿やイノシシも周りの山にいますので、キャンプと同じように食べ物を外に放置しないなどの注意が必要です。自分は虫が苦手なので、敢えて秋冬シーズンに滞在しましたが、この時期は室内でも外のデッキでも不快な虫はほとんど見かけずに快適に過ごせました。
2020年11月末現在、民泊施設ということでAirbnbと一休.comからの予約が出来ます（一休のほうが少し安いかと思います）。2021年からは会員制になるという話もありますが、2021年のいつの時点からなのか、現在のところ詳細未確認です。気になる際は「Izu Cliff House」で検索するか、Airbnbに会員登録するとオーナーにダイレクトメッセージを送れますので確認されるとよいかと思います。
いろいろな意味において、日本国内（本州）には希少な宿泊施設であると思われますし、またとない非日常体験ができますので、海や大自然が好きな方、ビンテージ建築物が好きな方などにはとてもおすすめのお宿です。
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