針江生水の郷体験処のクチコミ

一軒貸切で実際に湧水を使って生活できるのがよいですね。

4.5旅行時期：2015/08 （約9年前）

junuvievさん（非公開）

高島のクチコミ：2件

NHKで観て以来、ずっと行ってみたかった針江。
いわゆる何でもそろった観光地ではないので、うろうろ歩いていると不審者と思われるとのことで、生水の郷のボランティアガイドさんからの2時間ぐらいの町内ガイドを受けたあと、首から"ガイド参加者"の名札をぶらさげてチェックインするといいと思います。町内を歩く時は必ず首にかけてました。

古民家というほどの趣はありませんが、よく手入れされた庭が素敵です。
台所の奥のドアを開けると、とうとうと溢れる冷たい湧水『かばた』があり、そこから家中の全ての水道に引かれています。もちろんその湧水を柄杓ですくってそのまま飲んだり、野菜を洗ったり、豆腐やお酒、果物を冷やすこともできます。
町内ガイドの時に見たよそのお宅では『かばた』に魚が入ってきていましたが、こちらはそこまでの隙間はないので、魚は見られませんが、巻貝は何匹か見られました。
ぼこぼこ湧く水をしゃがんでぼーっと見ている時間はとても幸せでした。長い間見ていたら、湧く場所が一か所だけでないことに気づきました。これは時間に余裕がないと気づけないことかもしれません。

完全自炊なので、近所の小さな商店(お孫さんが可愛い)で野菜やそば、米、豆腐屋さんでお豆腐、造り酒屋さんでお酒、魚屋さん(川魚専門)で鮎の佃煮を買って調理します。車があるなら、国道の大きなスーパーに行けばよい、と商店の方から伺いました。
連泊すればこの町の住民になったような気がするでしょう。

さすがに使った後の食器を『かばた』で洗うことは、いくら拭き取ったとしても、洗剤を使わないにしても、気が引けてできませんでした。汚れものは台所の流しで洗いました。
洗濯は玄関先に洗濯機があるので、それを使います。
お風呂には合成シャンプーやリンスがそなえつけられています。
台所やお風呂、洗濯、トイレの排水は湧水の水路を通らず、下水道を通って、琵琶湖西岸の下水処理場へいき、処理された水は琵琶湖へ流れます。
針江は家屋が多い宅地で、若い都市通勤者が増えているそうです。
汚れた水をなるべく流さないという工夫は下水道ができると忘れがちですし、家に居る人が少なくなると、自然の変化に気づきにくくなります。
『かばた』を使い続けてきたのが高齢者である、と聞かされると、世代交代したときに『かばた』はお飾りにならないか、ちょっと心配です。