2017/05/20 - 2017/05/20
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tono202さん
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徳島から鳴門までの撫養航路を、新川遊覧に使われている舟でたどりました。
中国の江南地方のクリークのような吉野川の旧河川を結んで、鳴門を目指します。途中には河口堰があり行く手を遮ります。
しかし、パナマ運河の超小型のような閘門(こうもん)があり水位を調節して、次の水面に進むことが出来ました。
地上では味わえない異次元体験の報告です。
- 旅行の満足度
- 4.0
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両国橋のひょうたん島クルーズの桟橋に8時集合。
予定していた9名がそろったので定刻の10分前に出航。新町川水際公園 公園・植物園
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空も川も真っ青。
いいクルージング日和になりそうです。
神様からのプレゼントに感謝。あわぎんホール(徳島県郷土文化会館) 名所・史跡
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ひょうたん島クルーズでは三ツ合橋はくぐらずに助任川に入っていきますが、今日はこの橋をくぐって新川を吉野川に向けて遡ります。
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上助任コミュニティー会館横の航路をさらに進むと
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新町樋門が見えてきました。煉瓦造りでおしゃれな感じ
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狭い樋門をくぐった向こう側には、鮎食川と吉野川が合流してドーンと流れています。
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このあたりは海苔の養殖が行われていて、川の真ん中には養殖用のヴィが並びます。
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海苔網を避けて舟は吉野川大橋まで下ります。吉野川橋が遠ざかります。
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そして吉野川大橋沿いに対岸を目指します。
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吉野川大橋の上流側のたもとに今切川に続く樋門があります。周囲はちょうど工事中です。
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吉野川に別れを告げて鈴江樋門をくぐります。
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鈴江樋門をゆっくりとくぐると・・・
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本日2番目の川となる榎瀬江湖川に入りました。
くぐってきた鈴江樋門を振り返ると・・・ -
こんな感じでメガネを掛けたロボコンのよう・・
向かって左側のアーチは大正時代の構造物だそうです。 -
鈴江のこのあたりはプレジャーボートの係留地になっています。河川法上は全て「不法係留」になるのでしょうが、いままでの「既得権」もあるので行政は見て見ぬふり扱い。
「南海地震で津波が樋門や河口堰で防げなかった場合、ここに3㍍から4㍍の波が押し寄せたら怖いで・・。舟が弾丸のように津波の先頭になって走り出す。東北震災のようになる可能性はあるはな・・」と、同乗していた人たちの会話にどきりとしました。 -
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榎瀬江湖川は鯛浜橋で今切川に合流し、180度流れをかえます。
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共栄橋を越え北上すると西側には工場群が見えてくる。工場の岸壁には、貨物船の接岸のための設備も残っている。かつては、この工場へも舟で材料が運び込まれ、製品が出荷していたのだろう。
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百手堤防の石組みが見えると舟は、左に折れ鍋川に入っていく。
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橋の向こうには鍋川の船溜まり。ここがかつての川港ではないかと推測。
明治以後、幾つの川に分断された地域を鉄道や道路で結んで行くには「鉄橋」が必要になり建設費や技術力の問題から整備が遅れたようです。
でも、このあたりは舟で水路を通じて徳島や鳴門、さらには神戸や大阪につながっていたため利便性は高かったともいえます。
近代化という時代の中で、鉄道や道路の必要性を感じさせない水路の交通網があったも言えるのではないでしょうか。 -
鍋川が流れを北から東に変えると見えてきたのがこれ。
行く手に立ちふさがる城門のよう。
さて、どうなるのやら???
鍋川閘門(こうもん) -
これは鍋川閘門(こうもん)で、旧吉野川と今切川を結ぶ鍋川の東端にあります。今切川から海水が旧吉野川へ流入するのを防いでいるようです。
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船長さんに「扉の前に出てきとるひもをひっぱてくれるかな」と言われ、「たのもうー」と引っ張ると「ジリリリー」とベルが鳴り「城門」が開き始めました。
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舟が開ききった扉の下をくぐる時には、水滴が容赦なく落ちてきます。
前の扉は閉まったまま。舟が入りきると後ろの扉が閉まり、上流側と水位を同じにします。 -
水位が同じになると進行方向の扉が上がります。
うみにむかて進むのに扉には「上流」との標記が・・
なんで???
この時にはこの疑問が解けませんでした。地図を見ながら外の河口堰の位置を見ていると分かってきました。
Hintは、海に向かって進行しているのに、ここから先が真水、ここまでの今切川が汽水なのです。 -
鍋川閘門を抜け旧吉野川との合流点に向かいます。
鍋川はまるで今切川と旧吉野川を結ぶ運河のよう。
そこに架かる橋も、人と二輪車のみの生活道が今も残ります。
通過するときには頭を下げないとぶつかりそうです。 -
そして旧吉野川との合流点へ。ちょうど工事中です。
狭い通路を抜けると・・・ -
見えてきたのは旧吉野川河口堰。堤長 192.3m、型式はフローティングゲートダム(可動式)で、起業者は水資源開発公団、施工者は清水建設(株)、総事業費69.9億円だそうです。
河口堰の上流のこちら側は真水の上。
空気や匂いまでが今までの汽水域とは違って感じられます。
空気が軽い感じがします。
ゆっくりと旧吉野川河口堰に近づきます -
吉野川河口は江戸時代初期以後の新田開発で陸地化が大規模に進められた所です。そのため煙害や高潮などに苦しめられ、その対策として樋門や堰を築いて対応してきました。しかし1946年(昭和21年)の南海地震で旧吉野川・今切川河口地域は大規模な地盤沈下を起こし、抜本的な対策を求められることになります。
そおため旧吉野川と今切川に河口堰を建設し治水・利水を図ろうとし、水資源開発公団により、1971年(昭和46年)今切川河口堰の建設が、2年後の1973年(昭和48年)には旧吉野川河口堰の建設が始まりました。 -
両堰とも可動堰で、洪水調節・塩害防止・上水道・工業用水が目的で実際には堰ですが、法的には多目的ダムの扱いのようです。防潮対策だけでなく利水対策にも大きな役割を果たし、河口の農地に農業用用水を提供しているようです。
なお、旧吉野川は1932年(昭和7年)に別宮川が吉野川本川に定められるまでは、吉野川の本流とされていました。
ということは、撫養航路に定期船が行き交った時代は、この川がまだ吉野川本流だったということです。また、可動堰ができたのは約40年間のことなので、その時代にはこの閘門もなかったということになるのでしょう。 -
ここでも先ほどの鍋川閘門とおなじような手順が繰り返されます。
川上川の閘門の扉が開き・・・ -
水門が閉じられ水が満たされ・・
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そしてGO!です。
この間、約15分ほどの時間です。
ゆっくりとまっていると、ウトウトしてきます。
このユルい雰囲気がいいのかもしれません。
河口堰や閘門については河口堰管理事務所のHPに分かりやすくイラスト入りで紹介されています。
http://www.water.go.jp/yoshino/qyoshino/kakozeki4.html -
現在の徳島市と鳴門を結ぶ幹線道路に架かる大津橋です。
この橋が架かる前は、この川を人や荷物を積んだ舟が行き交う姿が見えたのでしょう。
この橋を真っ直ぐに東に向かえば、河口はすぐそこ。
河口手前を左に曲がり、撫養川に入っていきます。 -
撫養川の護岸は石積みで整備されて、そこをサイクリングロードが通っています。周囲のレンコン畑を見ながら自転車で風を切って走るのもいいかもしれません。
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そして見えてきたのが妙見山の「鳴門城」
ゴールも間近です。
このあたりは川と言うよりも、まさに運河という感じ。
この沿岸は本来は低湿地で、藩政期に塩田として開発され、撫養塩田の一部を形成していたようです。その後、川の南半の沿岸も埋め立てられ、工場や運動公園となったり、畑地となり夏はサツマイモ、冬はダイコンの栽培が行われています。 -
鳴門文化会館の建物がだんだん近づいてきます。
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水際に向かって開放的な建物です。
見ていてうきうきする建物です。 -
そしてブルーの粋な文明橋。ここが撫養航路のゴールです。
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文明橋を越えたこの辺りがかつての林崎港です。
江戸時代には吉野川筋の内陸河川航路の小舟から海上航路を行く大型船に荷物が積み替えられる「海と川の接点」の商港として栄えました。そのためこの川の両岸には、豪商の館が軒を連ねていたといいます。
明治中期以降は、撫養文明橋と徳島市の新町橋を結ぶ早船や巡航船の航路の始発港でもありました。 -
河川沿いには撫養川親水公園があり、桟橋も整備されています。
親水公園にはドイツの童話作家グリム兄弟の童話をモチーフにしたレリーフが並びます。毎年夏には、ここで徳島最大の花火大会も行われているようです。 -
さて我々も上陸です。
徳島市の新川から90分の船旅でした。
この舟は、普段は新川のひょうたん島クルージングに使われているもの。椅子はソファー張りで座り心地は抜群、屋根もなく開放的。舟と言うより川を行く応接室といった感じでした。
ちなみに、かつての撫養航路の定期船は4時間掛けて、撫養と徳島を結んでいたようです。 -
先ほど前を通った文化会館前で上陸、背を伸ばし休息をとります。
帰りのコースは往路とは一部別のコースを通るようです。
それは、またの機会に・・・
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