撫養航路　復路　鳴門から徳島へ　旧吉野川から今切川河口堰を通って

2017/05/20 - 2017/05/20

　鉄道が徳島まで開通するまでは、大阪・神戸方面からの定期線で鳴門に就いた人たちは撫養航路の定期船で徳島市に向かった。その航路を徳島市の新川クルージングに使われているソファー席１０人定員の「サロン舟」でたどった。
前回は往路編、今回はその復路編です。

エリア 徳島市(徳島)

　鳴門市民会館でしばしの上陸・休息後に再出航です。

舟と言うよりも動く応接間「サロン舟」という感じで、たらい船のように浮かんでいます。これに再び乗り込んで、今度は徳島市に向けて帰ります。

撫養川の沿岸は、広い畑が続いているのですが、川からはサイクリング道路が見えるだけ。そこでのんびりと釣り竿を出す人がいます。

旧吉野川と撫養川の合流点の南側には、大きな工場や倉庫が建ち並びます。
海洋からの舟も陸付けできそうです。

こんな近代的な工場も見えました

旧吉野川を遡ると、現代の幹線　R２９号の大津橋が見えてきました。

　そして旧吉野川河口堰。
往路のように１５分掛けて校門の開閉を待ちます。

ここから上流は真水域になります。

往路は鍋川を抜けてきましたが、帰りは旧吉野川を通ります。

真水の川は、海水域よりも緑が多いような気がします。
幾つもの橋をくぐるとJR大谷駅まで真っ直ぐに伸びた水路の入口にさしかかりました。大谷焼の焼き物は、この水路を使って舟で出荷されていたようです。

　大きな橋、小さな橋を幾つも越えていきますが橋のない時代はどうしていたのでしょうか。数多くの渡場が有り、渡し船が人や物を渡していたようです。

渡りの途中のシギが羽を休めていたり、空にはミサゴがホバリングしていたり、鳥たちにとっては楽園が続きます。
そしてここはバスの生息地。全国から釣り人がやって来てルアーを繰り出している姿が見えました。

そして、大型の商業施設が忽然と姿を現したり・・・
次には何が出てくるの・・・・

半円を描くように東から西へ流れをたどると今切川との分岐があり、それを東に進むと今切川河口堰が見えてきました。

今切川河口堰は、北島町鯛浜（左岸）と川内町榎瀬（右岸）の間にあります。
地河口堰は、通船のための閘門1か所、制水ゲート6門、調節ゲート1門、左右2か所の魚道から構成されています。
ちなみに３つの閘門は、ここにある旧吉野川河口堰管理所がコントロールしているそうです。

　今切川河口堰を出るとすぐに榎瀬江湖川に入り、鈴江樋門を抜けて吉野川に出ます。

海苔養殖の網を避けながら下流に向かうと、吉野川最下流に架けられたしらさぎ大橋が優美な姿を見えます。

河口はすぐそこです。

が、河口には向かわずしらさぎ大橋の南側のたもとの小さな樋門をくぐります。

樋門を抜け、県道１８９号の橋をくぐるとそこには船溜まりがあって、沖洲川に続いていました。

沖洲川沿いには、県営金沢住宅の建物が水際沿いに並びます。

更に進むと見えてきたのが徳島市立高校。
ここをドックレッグして９０度回り込んでいきます。

市立高校は沖洲川のコーナーに位置する場所です。ボートやカヤックで通学する生徒がイテもおかしくないなとおもったりして・・・・。そんな生徒がいれば話題性大でしょうね。

更に進むと県道３８号の橋の袂に、大型電気店が見えてきました。

園瀬川との合流点で沖洲川は港と呼べるほどの川幅になります。ここには和歌山を結ぶ何回フェリーのターミナルもあります。

この辺りは、リバーサイドの長所を生かした町作りが進められているようです。

そして眉山と県庁が見えてきました。

県庁の前にはヨットハーバーがあり、徳島市が海に開けた都市であることを改めて気付かせてくれます。

さごに煉瓦制のJR鉄橋と眉山が迎えてくれました。

　スタート地点の両国橋へ、今度は反対側から帰ってきたことになります。

７：５０分に出航して１１時１５には帰港。往復、約３時間半の「船旅」でしたが、いままで地図を見ても頭に入りにくかった吉野川の支流のルートやその周辺の様子が、実際に舟でトレスすることで分かってきた気がします。そして、吉野川の自然や歴史、生活について考える材料を与えてくれた船旅に感謝。