2016/04/22 - 2016/04/25
74位(同エリア512件中)
小林希さん
南ドイツの南北をつなぐロマンチック街道を北はヴュルツブルクから下り、南の最後の街フュッセンに到着しました。
バイエルン地方でもっとも標高が高いところにあって、レヒ川の畔にある自然豊かな街。小さな旧市街には15世紀に建てられたホーエス城とベネディクト修道院がシンボリックな存在として静かに佇み、かつて使われた城壁はところどころに残り、中世の面影を感じることができます。
また、ロココ様式の教会の中は目を見張るような華やかさ。
「ロマンティック街道の終わり」という場所もあって、ついに最後の街に辿り着いたと感慨深くなりました。
そしてフュッセンにあってロマンチック街道の旅のハイライトは、やはりノイシュヴァンシュタイン城!
嬉しいことに、お城に行く前に猫ちゃんに出会いました……。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 観光バス 徒歩
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☆猫宿「Filser」☆
ロマンチック猫街道、最後の街フュッセンは猫宿に泊まりました。
家族経営のアットホームな宿なのです。
嬉しいことに、レセプションにオーナーのお孫ちゃんと猫ちゃんが来てくれました。
大人しい猫ちゃん。
「明日も、お庭をお散歩してるから会えるよ」とお孫ちゃんが教えてくれました。 -
部屋からはフュッセンの旧市街の目玉であるベネディクト会修道院St Mang Kloster and Basilikaやホーエス城Hohes Schlossが見えたり、その背後に広がる美しく壮大なアルペンの山脈がみえます。
美味しい空気をバルコニーで吸って、ほっと一息。
旅の疲れも吹っ飛んじゃう! -
さらに疲れを癒してくれるのは、さきほどレセプションで出会ったMillyというふわふわの猫ちゃん。
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彼女はいつもホテルのお庭をお散歩するのが大好きで、ゲストにも慣れているので、運がよければミリーとしばし戯れることができます。
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私がいた日はミリーのお友達猫ちゃんにも遭遇!
一緒にお庭をお散歩していました。 -
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お散歩中でもしっかりポーズを決める。
ミリーちゃん、ニャイス。 -
☆フュッセンの美しい旧市街を散策☆
猫宿にいたら、あっという間に時間が経ってしまう!!
意をけっして旧市街へ出発! -
15世紀のころからある城壁には、美しい花々が咲き誇っています。
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ロマンチック街道の「終わり」の場所。
あ〜。
長くてあっという間の旅。
ヴュルツブルクから8つ目の街フュッセンに辿り着くまで、ただの移動ではなくて、中世への過去と現在を行き来するような時空旅行を経験した気分。
なんだか、感慨深いです……。 -
乙女心くすぐるロココ様式の教会は必見。
ファサードに描かれたフレスコが素敵で、思わず見入ってしまう。
シェルの窓はロココの特徴。その右にいるのが聖クリストフォルスですが、
私にとっては大切な神様。
というのが、彼は「旅」の守護神なのですよ。
それにしても、その前をゆっくり歩く地元のおばあさんが絵になる。 -
お天気は悪いけれど、絵になるパステルカラーの街並み。
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レヒ川の対岸から旧聖マング修道院をのぞむ。
守護神マングを崇めている、ベネディクト会の修道院でした。
現在は、市立博物館となっていて、フュッセンの歴史や文化を知ったり、美しい図書室など見られます。
さらに、バイオリンの製造が盛んだったようで、その歴史や実際にバイオリンの展示品なども多く見られて、音楽が好きな方は面白いと思います! -
近づくと、シンメトリーな建築に圧倒されちゃう……
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☆ノイシュヴァンシュタイン城と猫☆
旧市街を出て、いよいよロマンチック街道のハイライトと言える、ノイシュヴァンシュタイン城を目指したいと思います。
その前に、この旅は「猫街道」をめぐる旅でもあって、当然ノイシュヴァンシュタイン城と猫の図が撮れないかなと思っていたところ……
こういうこと!?
でも、すごく良くないですか? -
アルペン山脈の麓に緑豊かな農場が広がり、その農家には昔から絶えず猫がいるそうです。
もちろんネズミ退治という立派なお仕事があるから。
現在は白黒柄の23歳の老猫アドルフィッヘンがいて、幸運にも会うことができました! 彼女の名前は造語で、ドイツではユニークな名前なのだとか。理由は、生まれたとき農家の家族は彼女をオス猫だと勘違いして、「アドルフ」という男の子の名前を付けてしまった。
あとで女の子とわかり、無理矢理「アドルフィッヘン」と女の子らしい名前を作ったそう(笑)。 -
アドルフィッヘン、壮大なアルペンと山に抱かれたノイシュヴァンシュタイン城をバックに今日も農場をパトロールします。
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☆ノイシュヴァンシュタイン城☆
19世紀にルートヴィッヒ二世が建てた夢の城。
ヴァルトブルク城やフランスのヴェルサイユ宮殿を目にして、中世への強い憧憬を具現化した傑作です。森の中にどっしりと腰を据えるように佇み、お城の尖塔は天へと高く聳え、城色は白くピュアな印象を受けます。
信仰の深かった彼の健気な心がこのお城をつくったのでしょう。
私のお城の第一印象は、「なんて、ピュアなお城!」でした(笑)。 -
城内見学は5分おきにガイドがあって、「英語ツアー」「ドイツ語ツアー」「オーディオツアー」など時間で選べます。私は「オーディオツアー」でしっかり日本語を聞きながら城内を探訪!
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城内は撮影厳禁なので、文章でもってちょっとご紹介。
城内の想像を超えるロマンチックな壁画がまず圧巻。
これは、父であるマクシミリアン二世が建てたホーエンジュバンガウ城の中で幼少期に育ったからだそう。ホーエンシュヴァンガウ城もまた、メルヘンな壁画で施されているのです。
描かれている壁画は中世の頃の伝説や想像であり、彼のロマンチズムはセンチメンタリズムでさえあると思いました。
なんというか、20代のころに見ていたら、
「おお、まさにシンデレラ城のモデルだ!」
で終わっていたと思うのです。
でも、30代にもなると、40歳という若さで幽閉されて変死するまでの晩年をここで孤独に過ごしたと聞いて、切なさがつのりました。
ただの可愛い、美しいお城じゃない。お城に残る切なさのようなものが、しみじみ肌に伝わってきます。
嬉々とするツアー客の中で、なぜかウルウルする私って……(笑)。 -
さらに彼はワグネリアンで、つまりドイツの偉大な作曲家リヒャルト・ワーグナーに心酔し、彼を多大に援助、庇護していたそう。彼のためのお部屋というのも実際に見ることができます。
(後ほど、ワーグナーをiphoneで聞き始める私、影響受けやすし。)
※写真は、一瞬雪が止んで青空になった瞬間。本当に一瞬でした。 -
なんといっても、インテリアや装飾はほぼすべてオリジナルというのが凄い。ゴシック調につくられた天蓋付きベッドやロイヤルブルーを基調としたインテリアや刺繍等、王の寝室は見応えアリ。
ところどころにあしらわれた「白鳥」は王が愛したからだそうですが、意味するところはやはり「ピュア」らしいです。
そういえば、このお城は横からみると白鳥に見えるんですって。通称「白鳥城」と呼ばれているそうです。(メルヘン〜♡笑) -
お城見学は、まるで一本の映画を見終えたような充実感がありました。
帰り道も、ぞくぞくと人がやって来ては、皆さんすぐに心を奪われているようです。 -
☆ホーエンシュヴァンガウ城☆
ルートヴィッヒ二世の父であるマクシミリアン二世が古城を改築してできたメルヘンなお城。
ノイシュヴァンシュタイン城よりも規模は小さいけれど、城内の壁画やインテリアは見応えあります。 -
ノイシュヴァンシュタイン城へ行く前に見学すると、より歴史や親子のつながりのようなものが見えて面白いと思います。
こちらもやっぱりガイドは5分おきで、言語は選べるので、「オーディオガイド」でしっかり日本語を聞きながら堪能しましたよ! -
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☆ロマンチック街道バス☆
ところで、今回の移動で使っていたのはロマンチック街道バスです。
この運転手のおじさん、「やあ、また君か」と町から町の移動中、何度かおじさんのバスに乗り込むうちに、すっかり顔を覚えてもらえました。
移動中もよく前の席に座って、とっても話が弾みました(笑)。
でもその話の内容がドイツの魅力だったり、母国トルコの話だったり、どんな生活を今していて、どれほどこの仕事が好きかという話だったり。
こないだまで知らないおじさんのことを知る。
むふふと思う、素敵な旅路。 -
それから途中でバスを止めて、アルプス山脈を撮影させてくれたりと、臨機応変なサービスはあっぱれ!
しかも、この写真は運転手のおじさんが隠し撮りしてくれていたのをくれました。優しい〜(笑) -
いやあ、今回、ロマンチック街道バスのおかげで本当に快適な移動ができました。
とくに小さな町と町(こそ、面白いのに)は列車が走っていないので、レンタカーを借りる以外なかなか移動が難しいのが現実。
それが時刻もほぼ正確で、乗り心地も、運転手さんも、移動中のオーディオガイドなどのサービスも、本当に素晴らしかった! -
そうそう、立ち寄る予定のない町でも、30分程度止まったりすることもあるので、簡単に町を歩いたりできて、それもいいな〜と思いました。
知らない町を10分だって歩けるのはワクワクするものね! -
☆フュッセンからミュンヘンまでも、ロマンチック街道バスを利用!☆
フュッセンからミュンヘン駅まで移動して、そこから電車で空港まで行かねばなりません。
で、フュッセンーミュンヘン間もバスが走っていて、これまた素晴らしかった。
それが行く予定のない町だけど、ドイツの中でもとっても有名なロココ様式のヴィーツ教会があって、その町に30分ほど滞在してくれて(そうなっているみたい?)、教会見学ができるのです!!
建築が好きだし、これは感動しました!!!! -
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最後の最後まで、贅沢な旅ができたなと思います。
それに、バスの中、ずっとずっと、今回出会ったたくさんの猫たちのことや、猫を愛する地元の人のことを思い出して、とっても幸せな気持ちになっていました。
猫がいる街で、嫌いな街がない。
猫がいる街は、なぜだか美しい。
これからも、猫を追いかけて旅を続けたい。
そう思えたドイツはロマンチック街道の街に、ダンケシェーン!
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この旅行記へのコメント (1)
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- ひろさん 2016/05/23 21:08:45
- 充実した旅ですね
- 小林希さん こんばんは!
ロマンチック街道の旅行記完結ですね〜
前編をとして、主目的の猫旅もそうですがそこで出てくるき旅の風景や出会った人々とのやり取りに大変ほんわかさせてもらいました(*'▽')
猫さんの写真もそうですが、ノイシュヴァンシュタイン城の雪の風景や、バスの運転手さんの写真。
出会った動物や人達の人柄が写真に溢れていますね〜
つぎはどこに行かれるのか興味を持ってしまいました
ひろ
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