2015/12/15 - 2015/12/15
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かっちんさん
知多半島の西側にやきものの街「常滑(とこなめ)」があります。
常滑の訪問は2回目で、1回目はやきもの散歩道Aコースを歩きました。
今日は常滑駅から少し離れたINAXライブミュージアムを訪ね、タイル博物館、大きな窯を見ながら土管(やきもの)造りの歴史と製造工程を学びます。
土の魅力が体感できる「土・どろんこ館」では、江戸後期から昭和初期にかけて人力で掘られた「素掘りのトンネル」の企画展示が、2016年3月27日まで開催されています。
「素掘りのトンネル」は東京・大阪のLIXILギャラリーに巡回する予定がないので貴重な展示です。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 私鉄
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
名鉄知多半田駅
午前中、半田にある蔵と運河の街歩きを楽しんだ後、知多半田からバスに乗り常滑(とこなめ)へ向かいます。 -
INAXライブミュージアム前
バスは半田から知多半島を横断し、20分程で常滑駅より手前のINAXミュージアムに到着します。
ミュージアムへはバス停から歩いて2分です。 -
常滑の案内図
常滑を訪れるには名鉄常滑線常滑駅が最寄り駅です。
やきもの散歩道Aコースは初めて訪れる人にピッタリのコースです。
今回は2回目なので、古くから陶器を製造しているINAXへ行きます。
INAXミュージアムは常滑駅から少し離れており、半田行きのバスに乗れば5分で到着します。
かっちん夫婦のように、半田から訪ねることもできます。 -
焼酎瓶のオブジェ
常滑の街にはこんなオブジェが飾られています。 -
LIXIL工場
INAXは、トステム・新日軽・サンウェーブ・東洋エクステリアとともに、2011年からLIXIL(リクシル)になっています。 -
INAXライブミュージアム
INAXライブミュージアムは、「窯のある広場・資料館」「世界のタイル博物館」などの既存施設に体験工房が加わり、2006年にグランドオープンしました。
現在6つの館があり、共通入館料は600円です。 -
窯のある広場
伝統のあるINAXを感じさせる建物や煙突です。 -
世界のタイル博物館
ここに総合受付があり共通入館券を購入します。 -
タイル博物館入口
タイル研究家山本正之氏による装飾タイルのコレクションを中心に展示されています。 -
神殿を飾る世界最古の壁装飾
1階の常設展示では、「タイルの歴史は装飾する魂の歴史」という視点で紹介されています。 -
イチオシ
装飾の宇宙
イスラームのモザイクタイル張りドーム天井が、光によって表情を変えます。 -
室内を美しく装飾するタイル
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絵画のタイル
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多色表現のヴィクトリアンタイル
2階の常設展示では、「時空を超えるタイルたち」が紹介されています。
花柄などの図柄の輪郭を凸のラインになるように金型で成形し、その輪郭線で囲まれた凹んだ部分にさまざまな色釉を塗って焼成したタイルです。 -
日本のヴィクトリアンタイル
明治末期にイギリスから学び国産化しました。
図柄は日本独自のものもあります。 -
イチオシ
窯の資料館
次に大きな建物の中に窯がある資料館を見学します。
窯の歴史と近代化に貢献した常滑の土管などが学べます。 -
両面焚倒炎式角窯(りょうめんだき とうえんしき かくがま)
石炭焚きの窯で、ドイツで使われていた窯を国産化しました。
平地に設置できるので、登り窯での上り下りの苦労から解放される利点があります。 -
イチオシ
窯の内部
窯の両面から焚くと天井に沿って上がっていく炎が中央でぶつかり、倒れて床に開いたスノコ状のすき間に吸い込まれていきます。
すると窯の内部に対流が起こり、窯の下にも熱が回って品物がまんべんなく焼成することができます。 -
イチオシ
美しい彩りのレンガと焚き口
上の穴から石炭をざくざくと入れ、下の穴から燃えかすをかきだします。 -
のぞき穴
火加減を見る穴がところどころに開いています。 -
窯の上部
丸い奥行きのある天井です。 -
土管
常滑では高温で頑丈に焼かれた真焼の土管を作る技術を完成させます。
さらに、木型を使うことで連結する継ぎ目が正しく合う、形のそろった土管を作ることができました。 -
土練機(どれんき)
品質の良い土管を大量に作るには短時間で均一な硬さに練る必要があり、機械で土を練るようになりました。
上から粘土を入れると回転する羽で筒の底まで押し込み、水平に伸びた出口から粘りが強い粘土が押し出されます。 -
土管の運搬車
重い土管をてこの原理で楽にすくい上げ、運搬中の振動をばねで吸収してこわさない工夫をした「伊奈式運搬車」です。 -
土管機
土管機は同じ形のものをたくさん作れる木型を機械化したもので、粘土の塊をスクリューやローラーで機械の中に押し込み、ガンブリ(口金)から筒状の形で押し出す仕組みです。
口金の大きさを交換することで太さの違う土管を作ることができます。 -
種類の多い土管
土管は上下水道の管として使われ、本管には厚みのある太いものを、枝分かれしたその先には細いものをつなぎ合わせて使いました。
電らん管は、穴に電線を通して地下に埋めてつなぎ、腐食や火災から電線を保護する目的で使われました。 -
ややっ、ロケットかな
これは陶製の戸外設置用の小便所で、天井をつけて雨雪を避け、上方に臭い抜きの小窓があります。
常滑では各所に配置されていました。 -
朝顔形小便器
明治30年前後より磁器製便器を大量に生産しました。 -
小判形大便器
陶器より高価な磁器製便器は吸水性がないため、積極的に使われるようになりました。 -
手水鉢(ちょうずばち)
用を足したあとに、手を洗うための水を溜めておく鉢で、柄杓を用いました。 -
さまざまな形の便器
居酒屋のトイレでこんな形を見かけることがありますね。 -
高い煙突
両面焚倒炎式角窯では炎の吸い込みをよくするため、高さ21mの煙突になっています。 -
トンネル窯
昭和40年代に入ると、ビル建築におけるタイル文化の普及に貢献する均質な製品を量産する「連続焼成タイプの窯」が登場します。
実際に使用されたトンネル窯は全長80mですが、復元したこのトンネル窯は全長16mです。 -
イチオシ
トンネル窯入口
入口から予熱帯、焼成帯、冷却帯と3つのゾーンに分かれています。
製品は台車に載せられ、トンネル窯の中に敷かれたレールの上を1分間に数センチというゆっくりした速度で進んでいきます。 -
予熱帯
予熱帯は、入口から中央部に向かって徐々に温度を上げていく過程を受け持つゾーンです。
予熱帯の熱源は、焼成帯で発生する燃焼ガスの一部を入口方向に引き込んで使っています。 -
真っ白なレンガの焼成帯
この部分は、バーナーが集中配置されたところで、窯の中でもっとも温度が高く、1200℃〜1250℃に設定されています。
そのため、トンネル内部は真っ白な耐熱耐火レンガが使われています。
ここを通ると製品に含まれる粘土や陶石(とうせき)などの原料の焼結反応が起こり、製品は石のように硬いものに生まれ変わります。 -
冷却帯
この部分は、焼成された製品を徐々に冷却するところで、出口付近から外気を送風機でトンネル内に押し込んで製品を冷却します。
窯から出る頃には数十度にまで下がって、製品本来の釉面(ゆうめん)や素地の色になっています。
かっちんも、このトンネルを通り、素地本来の美肌に変わりました(笑) -
製品を載せる台車
製品を載せる部分は、高温に耐えられるように粘土質の耐火物でつくられた土台部分と、その上に積み上げる匣鉢(こうばち)、通称サヤと呼ばれる製品を入れる箱から構成されています。
車輪とそれを支える台車部分は鉄製ですが、サンドシールという方法で高温の空気が台車部分に回り込まない工夫がされています。 -
トンネル窯のバーナー
焼成帯両側に3基づつバーナーが配置され、燃料には灯油が使われました。
現在では、多品種少量生産の時代に変わり、少品種大量生産タイプのトンネル窯は少しづつ姿を消しています。
そこでINAXでは、このトンネル窯(1972〜2005年)をこの地に部分移築して、産業遺産として後世に語り継ぐため公開しています。 -
土・どろんこ館
どろんこ館では、土の魅力が体感できる企画展「素掘りのトンネル」見学と、光る泥団子づくりができます。 -
素掘りのトンネル(企画展示)
展示は2016年3月27日まで開催されています。 -
素掘りトンネル列伝
江戸時代後期から昭和初期にかけて、素掘りトンネルが各地でつくられました。
特に新潟と房総、宮城と熊本に数多くあります。
このパネルでは、25ヶ所の水路、人が通れる7ヶ所のトンネルが紹介されています。
かっちんは、ほとんど知らない所ばかりで、新しい旅の候補地になりそうです。 -
素掘りトンネルの目的
川の蛇行部の瀬替えによる洪水対策や新たな水田づくり、地滑り・雪崩対策、水不足の土地へ引く水路などを目的にトンネルが掘られました。 -
素掘りトンネルの写真
水の流れるトンネルは、中越地方では「マブ」、房総半島では「ニ五穴(にごあな)」と呼ばれてきました。
ニ五穴の呼び名は、穴の幅が2尺(約60cm)、高さが5尺(約150cm)という大人がやっと通れるぐらいの大きさで掘られたことに由来しています。
人びとの手で掘ることが可能だったのは、適度に柔らかい地層であり、同時に崩れにくい地層に覆われていたからだといわれています。 -
光る泥団子づくり
やきもの用の粘土を丸めた「タネ」を使って、光る泥団子が作れます。
体験料金は800円、所要時間は1.5時間です。 -
ものづくり工房には
子供が喜びそうな洋式便器が展示されています。 -
名鉄電車
帰りは常滑から名鉄で金山に出て、JR東海道線で川崎の自宅に戻りました。
INAXミュージアムは体験型の博物館で、土とやきものについて学ぶことができました。
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