三内丸山に楽園を見る

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夜行列車の往復で１６時間だけの青森滞在。弘前のお城桜見物の後に、三内丸山の縄文遺跡を訪ねた。なだらかに海に向かう丘陵は、それまでの雨模様の天候が晴れ出したこともあってか心地よさを味わわせてくれた。竪穴式の再現住居に一つ一つ入ってみた。その都度、縄文前期の縄文人になったり、中期の縄文人になったり、後期の縄文人になった気分を堪能。でもじつは、この年代間には２０００年ほどの差があるのだから驚きだ。やっと西暦２０００年を過ぎた弥生以降の３倍ほども縄文時代が続いていたことになるからだ。それはきっと、その縄文人が自然との折り合いを上手につけて生活を安定的に維持してきたからなのだろう。新しく入ってきた弥生文化が自然を手なずけようとしたのとは違った接し方だったように感じられる。共同施設だろうという、長い大きな家や、高くそびえてたらしい櫓などに、力を寄せ合って生活していた様子を想像できる。この見学が全て無料でできるとは、何ともありがたいことである。これも縄文人の大らかさの表れなのだろうか。