箱根宮の下「富士屋ホテル」で、和洋折衷の不思議な建築を楽しむ

2011/11/29 - 2011/11/29

これまで富士屋ホテルを訪ねたことは何度もありますが、今回のような建物探訪を目的としたのは初めてです。朝10時半から午後３時まで(もちろん間に昼食もあり）、スタッフの方と写真家の友人による館内をくまなく案内していただき、この和洋折衷の不思議とも言えるような建物を見て回りました。

富士屋ホテルはこれまで何度か訪ねたことはりますが、日本の三大クラシツクホテルと言われる日光の金谷ホテルや奈良の奈良ホテルとともに共通する点だけでなく、やや異なる点も感じられます。それは何なのか ― 今後出来る限り３者を訪ねて、探してみたいと思います。

エリア 宮ノ下温泉(神奈川)

富士屋ホテルは箱根登山鉄道「宮の下駅」から徒歩６〜７分のところにあり、小田原から電車で20分ほどで着くことが出来ます。宮の下駅は小さな駅ですが、なかなか趣があります。

駅には上下２本の短めのホームがあるだけで、電車が到着した後、しばらくすると人もいなくなり、ひっそりとしています。

電車がやって来ました。

これが富士屋ホテルの全貌です ( ただし、他にもいくつか建物もあり、必しも全体像ではありません）。中央の大きな建物が本館、右側の建物が食堂棟で、「ダイニングザフジヤ」があります。

1940年（昭和15）に建築された「花御殿」です。近代化産業遺産として国の登録有形文化財に指定されています。

本館玄関です。回転ドアの上には FUJIYA HOTEL と英語で書かれています。

食堂棟のある建物です。

本館脇には洋館が二棟並んで建つていて、これはそのうちの一つ COMFY COTTAGE という名前の建物です。

庭の片隅にはこんな裸婦像が置かれています。普段は案外気が付きませんね。

本館に入ると、正面２階へ上がる優雅な階段があります。まずは2階へ上がってみましょう。

階段前にはホテルのレセプション(受付け）があります。宿泊客が続々と手続きをしていました。

いたるところに手の込んだ彫刻を見ることが出来ます。

本館ロビー脇にティーラウンジがあります。

ここは「バービクトリア」です。

富士屋ホテルが誇るレストラン「ザ・フジヤ」の入口です。

レストラン「ザ・フジヤ」の内部です。和のティストにあふれた素晴らしいレストランです。

今回、このレストランでランチを食べ、これらが食べたものです。

花御殿での食事の前に室内を撮影させていただきました。天井には花鳥風月が描かれていますが、照明が暗いためになかなかうまく撮れませんでした。

所々にヒーターが置かれていて、その表面にはこんな素晴らしい装飾が施されています。

外の美しい紅葉を見ながら食事をすることが出来ます。

部屋の隅の方に何か所かこのような不思議な彫りものがあります。

これは四方に目を光らせた人物像を描いたもののようです。これは三代目正造の顔を表したもので、彼の目が隅々まで行く届くよう象徴的な意味で造られたものだそうです。

館内には奇妙な人物像や動物などで溢れています。

結婚式用のチャペルがあります。入口上部にステンドグラスがはめ込まれ、華やかでありながら荘厳な感じのチャペルです。

チャペルの内部です。

ここは結婚披露宴や宴会などが行われる「カスケードルーム」です。

カスケードルームには素晴らしいステンドグラスがあり、箱根の自然が描かれています。

１階には富士屋ホテルの資料展事示室があります、このホテルの歴史や創業者のこと、宿泊した著名人の写真等が展示されていて、長い歴史のあるホテルならでは豊富な資料を見ることが出来ました。

このホテルにはヘレン・ケラー、孫文、ジョン・レノン夫妻等の有名人が宿泊しており、多くの方々の写真が紹介されています。これはジョン・レノン一家の写真です。

屋内温泉プールもあります。利用している人はいませんでしたが、長期間滞在している時など利用してみたいですね。

ジョン・レノン一家が泊まった部屋を見せていただきました。一家が泊まったのは花御殿３階「菊の部屋」（352室）です。先ず、部屋に入ると、このような寝室があります。

寝室の隣にはスライドのような仕切りがあり、リビングルームがあります。

レノン一家が泊まった部屋から見た本館の建物の一部です。

裏庭に回って見ました。かなり広い庭園が広がり、噴水、水車小屋、温室、プールなどがあり、しばし散策を楽しみました。この時期かなり紅葉が進み、美しい風景を楽しむことが出来ました。

裏側から見た本館です。

初冬だというのにまだこのような花が咲き競っていました。

日本庭園もあり、今も水車が動いています。

富士屋ホテルの創設者・山口仙之助の銅像が庭の一隅に立っています。

十分館内を見て回り、写真もたくさん撮ることが出来、午後３時にホテルを辞去しました。駅に向かう途中、外国人向けの商店があちこちにあるのを見て、外国人観光客が多いのに納得しました。

富士屋ホテルと同じように老舗の嶋写真館があり、明治期の箱根や富士屋ホテル、外国人観光客を撮った写真が販売されています。

ホテルの近くにこのような古い洋館風の建物がありました。周囲にはいくつかこのような建物があります。

この旅行記へのコメント （4）

• katanさん 2011/12/20 23:27:53

  不思議な建築♪

  Tamegaiさん
  
  こんばんは。
  ドイツ・クリスマスマーケット旅行記を読んでいただき、ありがとうございました！
  
  富士屋ホテルさん・・・いつか何かの雑誌でチラッと見たことがあるのですが、和洋折衷の不思議な空間ですね。装飾も非常に凝っていて、あちこちジロジロ眺めてしまいそうです。
  ここがモデルになっているのかはわかりませんが、「千と千尋の神隠し」に登場する湯治場のイメージそのものですね♪
  
  ランチのみで利用する場合でも、内部の見学はできるのですか？
  実際に泊まって堪能するのも良さそうですが（^^）
  
  またゆっくりお邪魔させて頂きますね。
  これからもよろしくお願いいたします。
  
  katan

  Weiwojingさん からの返信 2011/12/21 09:28:48

  RE: 不思議な建築♪

  katan さん、お早うございます。
  
  「富士屋ホテル旅行記」にご投票をいただき、ありがとうございます。
  
  富士屋ホテルはなかなか不思議のものが満ちあふれ、写真を撮っていても飽きることがありません。
  
  実は、富士屋ホテルでの撮影は通常はこのような形では難しいと思います。今回私は何人かの方々とある建築専門の写真家の方の指導で、写真撮影をしました。このような場合は食事などがセツトで、お願いしています。私は写真教室に通っていまして、今回はそこの企画なのです。ジョン・レノンが泊まった部屋を見学出来たのもこのためです。
  
  宿泊者向けに館内見学会というのがありますが、1時間ほど案内してくださり、見学出来るようです。ただこちらはたくさんの方々を案内するので、写真撮影はあまり余裕がなく、難しいようです。
  
  普通に写真を撮る分にはぶらっと来て、迷惑にならない程度に撮る分には差し支えないかと思います。食事に来て、見学しながら撮るのは問題ないと思います。ぜひ行かれてみてください。
  
  ドイツにご興味がありますか。わたくしも数回訪れたことがありますが、その頃は写真はぜんぜんだめで、４travel に載せるようなものがありません。今後見させていただきますので、宜しくお願いします。
  
  ありがとうございました。
  
  Tamegai

• スーポンドイツさん 2011/12/02 10:55:41

  見どころいっぱい♪

  Tamegaiさん、はじめまして
  ご訪問有難うございます。
  私たちとほぼ２０日違いでの富士屋ホテル訪問ですね。紅葉も見頃だったことでしょう。
  
  お昼間にたっぷり館内をご覧になれたようで、羨ましいです。
  建物探訪目的でランチ付きというツアーがあるのでしょうか？専門家の案内ならなおさら堪能されたことでしょう。。
  宿泊していても、人気のない館内を撮るのは難しかったです。１１時には近ツリの団体客が見学に来られていましたし・・。
  
  格天井の高山植物もしっかり写してらっしゃる!!　
  これは暗くてよく見えなかったのですよ〜(=_=)
  階段も素敵！
  見逃したところがまだまだあったようで・・また行きたくなりました。
  すーぽん

  Weiwojingさん からの返信 2011/12/02 22:36:27

  RE: 見どころいっぱい♪

  スーポンドイツさん
  
  こんばんは。はじめまして。
  
  本日は書き込みをありがとうございました。
  
  11月8日に富士屋ホテルに泊まられたのですね。私は宿泊はしませんでしたが、ある写真家の案内で何人かの方々と一諸に建物探訪ということで訪問しました。食事付きで、十分館内を見て回ることが出来ました。
  
  朝10時過ぎから見て回ったので、この時間帯は客はあまりおらず、見学するには大変好都合でした。写真はたくさん撮りましたが、しかし、天井や暗いところなどうまく撮れませんでした。
  
  宿泊客を対象とした館内ツアーがあるのですね。たくさんの人が参加しているようで、なかなか細かいところが見られないこともあるかもしれませんね。私も次回は宿泊して、さらに今回見逃したところを見てみたいですね。
  
  ありがとうございました。今後とも見ていただけると幸甚に存じます。私も少しずつスーポンドイツさんの旅行記を見させていただきます。今後とも宜しくお願いします。
  
  Tamegai