御茶ノ水・本郷旅行記(ブログ) 一覧に戻る
小春日和の暖かい週末。これは絶好のお散歩デーということで、今日(11月20日)もカメラを持って足取り軽く街歩きにお出かけ。<br /><br />今回の目的地は東京大学とその周辺。東大には有名な銀杏並木を見るために出かけました。東大はそのシンボルマークに銀杏を使っているくらいで、銀杏は東大を象徴するものです。また、東大はキャンパス内の建物に統一感があり、とても景観の美しいところでした。<br /><br />東大見学後は、本郷のあたりを散策。東大の近くにはアパートが多く建っており、さらには昔ながらの下宿屋も残っており、東大のおひざ元らしい学生街が形成されています。そして、こうした下宿街のあちこちに著名な文学者の足跡を示す碑文が建ち、日本一の文教地区らしい文化の香りが漂っていました。<br /><br />この学生街から坂を下りてくると、下町の風情が色濃くなってきます。菊坂下町と呼ばれるエリアには、小さな路地がいくつも走り、路地の両側には古い木造の建物がひしめいています。車の入ってこれない石畳が敷かれた路地。<br /><br />路地には植木が並び、まるで庭の中を通り抜けるようです。そして、路地の突き当りには坂や階段が存在し、その先はどうなっているのだろうかと期待が高まります。階段を上って少し歩くとまた別の坂。この辺りは台地の先端にあたり、坂や階段が多いのです。坂を下っていくと、昔ながらの銭湯。近所の人がタオル片手に雪駄履きで暖簾をくぐる…。<br /><br />本郷の中には、戦前にタイムスリップしたかのような美しい路地の世界が残っていたのでした。<br /><br />※11月20日に続けて、23日にもちょっと本郷に寄って来ました。11月23日は本郷と縁の深い樋口一葉の命日。旅行記の中には23日の写真も含まれています。

せっかく休みの日が美しいのだから~東京大学・本郷散策編~

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2010/11/20 - 2010/11/20

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Yattokame!

Yattokame!さん

小春日和の暖かい週末。これは絶好のお散歩デーということで、今日(11月20日)もカメラを持って足取り軽く街歩きにお出かけ。

今回の目的地は東京大学とその周辺。東大には有名な銀杏並木を見るために出かけました。東大はそのシンボルマークに銀杏を使っているくらいで、銀杏は東大を象徴するものです。また、東大はキャンパス内の建物に統一感があり、とても景観の美しいところでした。

東大見学後は、本郷のあたりを散策。東大の近くにはアパートが多く建っており、さらには昔ながらの下宿屋も残っており、東大のおひざ元らしい学生街が形成されています。そして、こうした下宿街のあちこちに著名な文学者の足跡を示す碑文が建ち、日本一の文教地区らしい文化の香りが漂っていました。

この学生街から坂を下りてくると、下町の風情が色濃くなってきます。菊坂下町と呼ばれるエリアには、小さな路地がいくつも走り、路地の両側には古い木造の建物がひしめいています。車の入ってこれない石畳が敷かれた路地。

路地には植木が並び、まるで庭の中を通り抜けるようです。そして、路地の突き当りには坂や階段が存在し、その先はどうなっているのだろうかと期待が高まります。階段を上って少し歩くとまた別の坂。この辺りは台地の先端にあたり、坂や階段が多いのです。坂を下っていくと、昔ながらの銭湯。近所の人がタオル片手に雪駄履きで暖簾をくぐる…。

本郷の中には、戦前にタイムスリップしたかのような美しい路地の世界が残っていたのでした。

※11月20日に続けて、23日にもちょっと本郷に寄って来ました。11月23日は本郷と縁の深い樋口一葉の命日。旅行記の中には23日の写真も含まれています。

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  • 今日の街歩きは、丸ノ内線の本郷三丁目からスタート。

    今日の街歩きは、丸ノ内線の本郷三丁目からスタート。

  • 見て歩く前にまずは腹ごしらえ。東大正門前にある古い喫茶店ルオーで、お昼をとります。

    見て歩く前にまずは腹ごしらえ。東大正門前にある古い喫茶店ルオーで、お昼をとります。

  • ルオーで食べたセイロンカレー。はじめはあまり辛くないように感じましたが、食べるうちにじわりじわりと辛みが効いてきました。<br /><br />座って食事をしていると東大の先生と思われる人たちの会話が聞こえてきたり、美術館のポスターが壁に貼られていたりと、アカデミックな香りのする喫茶店でした。

    ルオーで食べたセイロンカレー。はじめはあまり辛くないように感じましたが、食べるうちにじわりじわりと辛みが効いてきました。

    座って食事をしていると東大の先生と思われる人たちの会話が聞こえてきたり、美術館のポスターが壁に貼られていたりと、アカデミックな香りのする喫茶店でした。

  • 東大の正門。赤門のほうが有名ですが、西洋風の鉄の門のほうが正門で正面に安田講堂が見えます。<br /><br />形は西洋風の門ですが、この吉兆を表わす瑞雲と旭日の模様のほかいろいろな和風の装飾が入っていて、面白いです。

    東大の正門。赤門のほうが有名ですが、西洋風の鉄の門のほうが正門で正面に安田講堂が見えます。

    形は西洋風の門ですが、この吉兆を表わす瑞雲と旭日の模様のほかいろいろな和風の装飾が入っていて、面白いです。

  • この日の東大の銀杏の黄葉は、7割といった程度。ピークまでもう少しと言ったところでした。

    この日の東大の銀杏の黄葉は、7割といった程度。ピークまでもう少しと言ったところでした。

  • 皆様ご存じ、東大の象徴安田講堂です。

    皆様ご存じ、東大の象徴安田講堂です。

  • 安田財閥創始者安田善次郎の寄付により建てられた安田講堂は、東大建築学科の建築家、内田祥三により設計されました。<br /><br />安田講堂は、関東大震災による工事中断を経て1925年に竣工した建築で、時代の影響か、内部の装飾は少しアールデコっぽくなっていました。

    安田財閥創始者安田善次郎の寄付により建てられた安田講堂は、東大建築学科の建築家、内田祥三により設計されました。

    安田講堂は、関東大震災による工事中断を経て1925年に竣工した建築で、時代の影響か、内部の装飾は少しアールデコっぽくなっていました。

  • 入り口の上部には、このようなステンドグラスが飾られていました。

    入り口の上部には、このようなステンドグラスが飾られていました。

  • 安田講堂の下に、大学生協があります。中は、コンビニ以上の品ぞろえでなんでもありました。大学内には、他にも大手行のATMもあれば、コンビニもありで、大学の中の設備の充実ぶりには驚きです。大学の中で暮らせてしまうのでは?

    安田講堂の下に、大学生協があります。中は、コンビニ以上の品ぞろえでなんでもありました。大学内には、他にも大手行のATMもあれば、コンビニもありで、大学の中の設備の充実ぶりには驚きです。大学の中で暮らせてしまうのでは?

  • 三四郎池。

    三四郎池。

  • 三四郎池は森に囲まれて、鳥のさえずりが聞こえ、周囲から隔絶されたオアシスのような空間でした。大学構内では、ご近所と思われる人々が散策しているを見かけましたが、この恵まれた環境は毎日の散歩コースとして最適ですね。

    三四郎池は森に囲まれて、鳥のさえずりが聞こえ、周囲から隔絶されたオアシスのような空間でした。大学構内では、ご近所と思われる人々が散策しているを見かけましたが、この恵まれた環境は毎日の散歩コースとして最適ですね。

  • 法文2号館にある文学部研究室の入り口。<br /><br />東大の本郷キャンパスにある建物の多くは、安田講堂を設計した内田祥三の設計によって関東大震災後の復興事業として建てられたため、建物の配置、デザインに統一感があり、歩いていると景観美を感じます。<br /><br />これらの建物が建った当時大学は現在と比べるとはるかに少なく、東京帝国大学はその限られた大学の中の最高学府として、今とは比較にならないほど圧倒的な権威を誇っていました。ゴシック風の堂々とした建築が建ち並ぶキャンパスを歩いていると、東大がいかに特別な大学であったかが感じられます。

    法文2号館にある文学部研究室の入り口。

    東大の本郷キャンパスにある建物の多くは、安田講堂を設計した内田祥三の設計によって関東大震災後の復興事業として建てられたため、建物の配置、デザインに統一感があり、歩いていると景観美を感じます。

    これらの建物が建った当時大学は現在と比べるとはるかに少なく、東京帝国大学はその限られた大学の中の最高学府として、今とは比較にならないほど圧倒的な権威を誇っていました。ゴシック風の堂々とした建築が建ち並ぶキャンパスを歩いていると、東大がいかに特別な大学であったかが感じられます。

  • 入り口のプレートは、昔のままです。

    入り口のプレートは、昔のままです。

  • 法文館2号館前の広場。連続するアーチのアーケードが印象的です。

    法文館2号館前の広場。連続するアーチのアーケードが印象的です。

  • 総合図書館前の噴水。五重塔の頂上に載せる相輪をモデルにしているようですね。

    総合図書館前の噴水。五重塔の頂上に載せる相輪をモデルにしているようですね。

  • ゴシック風の建築が並ぶキャンパスの中に、神社の社殿のような建物がありました。大学の中に神社?

    ゴシック風の建築が並ぶキャンパスの中に、神社の社殿のような建物がありました。大学の中に神社?

  • 神社かと思った建物は、弓道場でした。屋根に破風がついていたりして、とても立派な弓道場です。

    神社かと思った建物は、弓道場でした。屋根に破風がついていたりして、とても立派な弓道場です。

  • 弓道場の前の通路に鍵穴のような細長いマンホールが…。一体何のためのマンホール何でしょう。

    弓道場の前の通路に鍵穴のような細長いマンホールが…。一体何のためのマンホール何でしょう。

  • 東大の代名詞「赤門」。1827年、徳川幕府第11代将軍家斉の娘溶姫が加賀藩第12代藩主前田斉泰に輿入れする際に建てられた門です。<br /><br />東大の代名詞だけあって、観光客や学生の親御さんと思われる人が、この前で次々と記念写真を撮っていました。

    東大の代名詞「赤門」。1827年、徳川幕府第11代将軍家斉の娘溶姫が加賀藩第12代藩主前田斉泰に輿入れする際に建てられた門です。

    東大の代名詞だけあって、観光客や学生の親御さんと思われる人が、この前で次々と記念写真を撮っていました。

  • 赤門は、加賀100万石前田家が将軍家から正室を迎えるにあたって造った門だけあって、とても丁寧な造りです。瓦には、将軍家の葵紋と前田家の梅鉢紋が彫られています。

    イチオシ

    赤門は、加賀100万石前田家が将軍家から正室を迎えるにあたって造った門だけあって、とても丁寧な造りです。瓦には、将軍家の葵紋と前田家の梅鉢紋が彫られています。

  • 本郷界隈を歩きます。こちらは本郷を貫く菊坂通り。

    本郷界隈を歩きます。こちらは本郷を貫く菊坂通り。

  • 東大から菊坂通りを歩くと、右側は台地になっており長い坂が続いています。<br /><br />この辺りは、江戸城天守閣が焼け落ちた振袖火事の火元となった本妙寺があったところで、遠山の金さんで有名な旗本遠山左衛門尉景元や北辰一刀流の創始者千葉周作の墓もかつてはここにありました。

    東大から菊坂通りを歩くと、右側は台地になっており長い坂が続いています。

    この辺りは、江戸城天守閣が焼け落ちた振袖火事の火元となった本妙寺があったところで、遠山の金さんで有名な旗本遠山左衛門尉景元や北辰一刀流の創始者千葉周作の墓もかつてはここにありました。

  • 台地の上には古いアパートが沢山並んでいます。このあたりは、東大生の下宿街なんでしょう。

    台地の上には古いアパートが沢山並んでいます。このあたりは、東大生の下宿街なんでしょう。

  • 下宿街には文人ゆかりの土地も多く、碑文がいろいろなところに立っていました。<br /><br />写真は戦前本郷に存在した菊富士ホテルの碑文。ホテル馴染みの人物として、石川淳、宇野千代、坂口安吾など錚々たる作家の名前が並んでいます。

    下宿街には文人ゆかりの土地も多く、碑文がいろいろなところに立っていました。

    写真は戦前本郷に存在した菊富士ホテルの碑文。ホテル馴染みの人物として、石川淳、宇野千代、坂口安吾など錚々たる作家の名前が並んでいます。

  • 本郷には、また古い旅館も残っています。

    本郷には、また古い旅館も残っています。

  • 太栄館という旅館は石川啄木ゆかりの宿。友人の金田一京介に紹介されて、蓋平館別館(現・太栄館)にしばらく投宿し、『東京毎日新聞』に小説を連載しながら、『スバル』の創刊準備を行っていたそうです。<br /><br />「東海の小島の磯の白砂に われ泣きぬれて 蟹とたわむる」<br /><br />啄木が蓋平館に宿を移す直前に読んだ有名な詩が記念碑に刻まれています。<br /><br />今回の旅行記は、格調高いですよ(笑)

    太栄館という旅館は石川啄木ゆかりの宿。友人の金田一京介に紹介されて、蓋平館別館(現・太栄館)にしばらく投宿し、『東京毎日新聞』に小説を連載しながら、『スバル』の創刊準備を行っていたそうです。

    「東海の小島の磯の白砂に われ泣きぬれて 蟹とたわむる」

    啄木が蓋平館に宿を移す直前に読んだ有名な詩が記念碑に刻まれています。

    今回の旅行記は、格調高いですよ(笑)

  • こちらも本郷の旅館、鳳明館。外から見たところ、立派な木造の建物の縁側から立派な庭が眺められるようで、伝統的な日本旅館の雰囲気がそのまま残っているようでした。<br /><br />HPを見たら一泊の値段がかなりリーズナブルなので、都内に住んでいても旅館を見るために泊まりに来てもいいかな〜。<br /><br />【鳳明館】<br />http://www.homeikan.com/<br /><br />

    こちらも本郷の旅館、鳳明館。外から見たところ、立派な木造の建物の縁側から立派な庭が眺められるようで、伝統的な日本旅館の雰囲気がそのまま残っているようでした。

    HPを見たら一泊の値段がかなりリーズナブルなので、都内に住んでいても旅館を見るために泊まりに来てもいいかな〜。

    【鳳明館】
    http://www.homeikan.com/

  • 学生向けアパートや古い旅館が並ぶ中で、圧倒的な存在感を見せつけていたのが、左の写真の中の建物。<br /><br />これは今回の街歩きのお目当ての一つだった、「本郷館」という賄い付下宿屋。外見からして年季の入った建物であることが分かりますが、建ったのはなんと1905年。すでに築後100年以上が経過していますが、もっと驚くのはこの下宿屋が現役であること。<br /><br />今でも入居者が大勢いて、部屋が空くとすぐに埋まってしまうらしい…。<br /><br />ウィキペディアを読むと、本郷館がいかに貴重な建物であるかが分かります。<br />http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%AC%E9%83%B7%E9%A4%A8

    学生向けアパートや古い旅館が並ぶ中で、圧倒的な存在感を見せつけていたのが、左の写真の中の建物。

    これは今回の街歩きのお目当ての一つだった、「本郷館」という賄い付下宿屋。外見からして年季の入った建物であることが分かりますが、建ったのはなんと1905年。すでに築後100年以上が経過していますが、もっと驚くのはこの下宿屋が現役であること。

    今でも入居者が大勢いて、部屋が空くとすぐに埋まってしまうらしい…。

    ウィキペディアを読むと、本郷館がいかに貴重な建物であるかが分かります。
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%AC%E9%83%B7%E9%A4%A8

  • 巨大な木造建築物の持つ存在感と威厳。本郷館からはものすごいオーラが漂っています。菊坂通りから歩いて行くと少し分かりにくいところに立地しているのですが、途中で道を尋ねたご近所の人たちはみんなこの建物のことを知っていました。それだけ近隣でも有名な建物なのでしょう。<br /><br />本郷館は現役の下宿屋ですので、当然ながら部外者は敷地内に立ち入り禁止。しかし、立ち入り禁止の看板を無視して中へ入ろうとする人が後を絶たないため対応に苦慮しているらしい…。<br /><br /><br /><br />

    巨大な木造建築物の持つ存在感と威厳。本郷館からはものすごいオーラが漂っています。菊坂通りから歩いて行くと少し分かりにくいところに立地しているのですが、途中で道を尋ねたご近所の人たちはみんなこの建物のことを知っていました。それだけ近隣でも有名な建物なのでしょう。

    本郷館は現役の下宿屋ですので、当然ながら部外者は敷地内に立ち入り禁止。しかし、立ち入り禁止の看板を無視して中へ入ろうとする人が後を絶たないため対応に苦慮しているらしい…。



  • 下見板張りの高層木造建築物が作る鋭角のコーナーがとてもよいです♪<br /><br />かなりマニアックなモノの見方で、すみません(笑)

    下見板張りの高層木造建築物が作る鋭角のコーナーがとてもよいです♪

    かなりマニアックなモノの見方で、すみません(笑)

  • 下見板張りの壁、戸袋、出窓、どれもいいな〜(うっとり…)。

    下見板張りの壁、戸袋、出窓、どれもいいな〜(うっとり…)。

  • 高台を下りて菊坂通りに戻って来ました。

    高台を下りて菊坂通りに戻って来ました。

  • 高台に囲まれた谷地にあたる菊坂通りの辺りは、古い下町の情緒が感じられます。

    高台に囲まれた谷地にあたる菊坂通りの辺りは、古い下町の情緒が感じられます。

  • 下町風情漂う通りに土蔵を持つ古い建物がありました。

    下町風情漂う通りに土蔵を持つ古い建物がありました。

  • 古い建物は、かつて伊勢屋質店という質屋だったところ。近所に住んでいた樋口一葉が、ここに通って家計を支えていたことで知られています。<br /><br />すでに廃業していますが、内部は昔の質屋のまま残されていて、毎年一葉の命日に当たる11月23日に一般公開されます。23日にもここに立ち寄りましたが、すごい人でした。

    古い建物は、かつて伊勢屋質店という質屋だったところ。近所に住んでいた樋口一葉が、ここに通って家計を支えていたことで知られています。

    すでに廃業していますが、内部は昔の質屋のまま残されていて、毎年一葉の命日に当たる11月23日に一般公開されます。23日にもここに立ち寄りましたが、すごい人でした。

  • 菊坂通りの南側には階段がいくつかあり、この階段を下りると下町風情がさらに深まっていきます。

    菊坂通りの南側には階段がいくつかあり、この階段を下りると下町風情がさらに深まっていきます。

  • 下町らしい風景の代表格、銭湯。ここにも銭湯がありました。

    下町らしい風景の代表格、銭湯。ここにも銭湯がありました。

  • 玄関の前を鉢植えが占拠しています。どうやって外に出るのでしょう…。

    玄関の前を鉢植えが占拠しています。どうやって外に出るのでしょう…。

  • しっとりとした情緒が漂う石畳の路地。戦前の世界にタイムスリップしたかのようです。<br />

    しっとりとした情緒が漂う石畳の路地。戦前の世界にタイムスリップしたかのようです。

  • 路地には緑が多く植わり、都会の家がひしめく世界は思いのほか潤いが感じられます。<br />

    路地には緑が多く植わり、都会の家がひしめく世界は思いのほか潤いが感じられます。

  • そして路地の先には、階段を挟むように古い建物が。ここは樋口一葉が、明治23年(1890年)9月、一葉18歳の時から明治26年7月まで住んでいたところです。父の死により、一葉は17歳にして戸主となり、母と妹と三人で針仕事や洗い張りをするなど苦しい生活を強いられ、さきほど見た伊勢屋質店に通うことになります。<br /><br />建物はその後建て替わったようですが、一葉が住んでいた時もこのような雰囲気だったんでしょう。

    そして路地の先には、階段を挟むように古い建物が。ここは樋口一葉が、明治23年(1890年)9月、一葉18歳の時から明治26年7月まで住んでいたところです。父の死により、一葉は17歳にして戸主となり、母と妹と三人で針仕事や洗い張りをするなど苦しい生活を強いられ、さきほど見た伊勢屋質店に通うことになります。

    建物はその後建て替わったようですが、一葉が住んでいた時もこのような雰囲気だったんでしょう。

  • なんと現役の井戸もあります。この井戸は一葉が生活していたころにも存在し、実際に一葉が使っていたそうです。

    なんと現役の井戸もあります。この井戸は一葉が生活していたころにも存在し、実際に一葉が使っていたそうです。

  • ここは人々の生活の場。近隣に迷惑がかからないよう静かに見学しなければなりません。

    ここは人々の生活の場。近隣に迷惑がかからないよう静かに見学しなければなりません。

  • 再び坂です。このあたりは本当に坂や階段が多い。

    再び坂です。このあたりは本当に坂や階段が多い。

  • 坂の名前は鐙坂。坂の名前が土地の歴史を語っています。

    坂の名前は鐙坂。坂の名前が土地の歴史を語っています。

  • 樋口一葉ゆかりの寺、法真寺。<br /><br />一葉の作品、『ゆく雲』の中に、「上杉の隣家は何宗かの御梵刹(おてら)さまにて、寺内広々と桃桜いろいろ植わたしたれば、此方の二階より見おろすに、雲は棚曳く天上界に似て、腰ごろもの観音さま、濡れ仏にておわします。御肩のあたり、膝のあたり、はらはらと花散りこぼれて・・・」という一文があります。<br /><br />ここに登場する御梵刹とは法真寺、此方の二階とは明治14年までの5年間一葉が住んだ家のことです。一葉は幼少期に住んだこの家を「桜木の宿」と呼び懐かしんだそうです。子供時代の幸せが美しい春の風景の思い出と結びついて、甘美な文章に昇華したのでしょう。

    樋口一葉ゆかりの寺、法真寺。

    一葉の作品、『ゆく雲』の中に、「上杉の隣家は何宗かの御梵刹(おてら)さまにて、寺内広々と桃桜いろいろ植わたしたれば、此方の二階より見おろすに、雲は棚曳く天上界に似て、腰ごろもの観音さま、濡れ仏にておわします。御肩のあたり、膝のあたり、はらはらと花散りこぼれて・・・」という一文があります。

    ここに登場する御梵刹とは法真寺、此方の二階とは明治14年までの5年間一葉が住んだ家のことです。一葉は幼少期に住んだこの家を「桜木の宿」と呼び懐かしんだそうです。子供時代の幸せが美しい春の風景の思い出と結びついて、甘美な文章に昇華したのでしょう。

  • 11月23日、法真寺では一葉忌が行われていましたが、訪問した時には行事はすでに終了。それでも奥には、一葉の写真が置かれているのが見え、雰囲気を味わうことができました。<br /><br />今回歩いてみるまで、本郷にこんなに風情のある路地の風景が残っているとは思いませんでした。たまには、明治・大正の世界にタイムスリップするのもいいものですね。

    イチオシ

    11月23日、法真寺では一葉忌が行われていましたが、訪問した時には行事はすでに終了。それでも奥には、一葉の写真が置かれているのが見え、雰囲気を味わうことができました。

    今回歩いてみるまで、本郷にこんなに風情のある路地の風景が残っているとは思いませんでした。たまには、明治・大正の世界にタイムスリップするのもいいものですね。

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この旅行記へのコメント (13)

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  • jun1さん 2011/05/15 23:37:04
    はじめまして!
    Yattokame!さん、こんばんは。

    私のつたない旅行記に訪問&投票をありがとうございます!

    東大&本郷散策の旅行記を拝見してます。
    安田講堂って入れたんですね。
    2009年に行ったのですが、私も入ってみればよかったです。

    Yattokameさんは建築がお好きなのですかしら?
    写真の撮り方をみて、そう思いました。
    写真家のような撮り方で見習いたいものですが、こればかりはセンスでしょうねぇ。

    本郷散策、今度行ってみたくなりました☆

    また、お邪魔しますね。

    jun1

    Yattokame!

    Yattokame!さん からの返信 2011/05/18 01:12:52
    RE: はじめまして!
    jun1さん

    こんばんは。返事が遅くなりまして、すみません。

    旅行記ご覧いただきありがとうございました。安田講堂について、今回は、学会のようなものが開かれていて正面の扉が開いていたので、入り口から内部を撮影しました。しかし、講義室に入るのは難しそうな雰囲気だったので、残念ながら入口を見ただけで引きあげました(^^ゞ
    公開講座とかなら内部に堂々と入れるんでしょうねえ。


    > Yattokameさんは建築がお好きなのですかしら?
    > 写真の撮り方をみて、そう思いました。
    > 写真家のような撮り方で見習いたいものですが、こればかりはセンスでしょうねぇ。
    はい、構造など専門的な話は分かりませんが、建築好きです。古今東西を問わず、建築を見るのが好きですねえ。なので、旅行は建築や遺跡を見ることが軸になっております(*^_^*)

    これからも、よろしくお願いいたします。

    Yattokame!
  • やまいもさん 2010/11/29 10:49:02
    Yattokame!さん こんにちは♪
    何の変哲もないマンホールでさえも絵画になるんですね^^

    Yattokameマジックですね^^

    東京に居る間、いったい自分は何をやってたんだろうって思います

    良い風景が沢山あったんですね〜

    懐かしいな〜って感じたのは銭湯です

    上京して、初めて行った東京の銭湯は

    Yattokameさんの写真のようにまるで時代劇のようでした

    中に入ると湯船がかなり深いんですよね

    溺れそうになりました^^

    情緒がありますよね

    古い町並みもまだ残っているんですね

    私は南麻布と白金に住んでいましたが、5〜6年前住んでいたところに遊びに

    行くと当時の面影はありませんでした

    バブルの時代にがらりと変わってしまったんでしょうね

    もっと東京を楽しんでおけばよかった・・と後悔してます^^

    いつも素敵な写真をありがとう

    Yattokame!

    Yattokame!さん からの返信 2010/11/30 00:05:20
    RE: Yattokame!さん こんにちは♪
    やまいもさん

    いつもご訪問いただき、ありがとうございます。

    私は学生時代京都に住んでいましたが、お寺や紅葉の名所はあまりいかなかったですね。観光客の人のほうが、いろいろ名所を知っているんじゃないかと思います。

    東京も、最近新しいカメラを買ってから頻繁にいろいろなところに行くようになりました。身近なところというのは、いつでも行けると思ってしまうので、積極的に見に行くということがなかったりしますねえ。

    南麻布や白金台はいまや高級住宅街で、裏通りにもおしゃれなお店があったりしますね。いいところですが、縁遠い場所です。

    本郷のあたりは、風情があってお店もいろいろありますし、いいところですよ。東京に来られることがあれば、是非訪れてみてはいかがでしょうか。

    Yattokame!
  • パンジーさん 2010/11/29 07:57:45
    勉強になりました。
    Yottokame!さん、はじめまして。
    パンジーと申します。

    東大のイチョウを見に私も行ってきました。
    黄金に輝く銀杏並木があまりに素晴らしかったので
    どなたかの旅行記がないかな?と探したところ
    Yottokame!さんの素晴らしい旅行記を発見しました。

    うわさには聞いていた東大の銀杏並木って本当にきれいなんですね。
    私が行ったときもアジアからの観光客らしいグループが
    たくさん記念写真をとっていて驚きました。

    一様ゆかりの地めぐりも楽しませていただきました。
    昔、一葉忌に行ったことがあるのですが
    時間少し前に行くと すでにものすごい人込みで
    中に入ることができませんでした。
    一葉グッズなども売られていて賑わっていましたよ。

    素晴らしい旅行記をありがとうございました。  パンジー

    Yattokame!

    Yattokame!さん からの返信 2010/11/29 23:38:06
    RE: 勉強になりました。
    パンジー様

    ご訪問と書き込み、ありがとうございました。

    東大、いいところですよね。キャンパスの中は思いのほか自然が豊かで美しく、散歩が楽しいところですね。アジアの旅行客が多いのはどうしてなんでしょう。海外の日本旅行のガイドブックに載っているのでしょうかねえ。

    私もこの前の23日の一葉忌の日に本郷へ行きましたが、出発が遅くて法真寺の一葉忌は見逃しました。でも、きっと行っても混雑でよく見られなかったんでしょうねえ。それでも、美しい下町の路地は十分に楽しめました。ここは本当にお勧めのスポットだと思います。

    Yattokame!
  • Noiさん 2010/11/28 19:35:26
    行っちゃいました。
    Yattokame!さん

    再び、こんにちは。
    旅行記の写真があまりに素敵で、東京大学行ってきちゃいました!
    紅葉具合は9割といったところでした。

    それにしても、素敵な写真ばかりですね。
    安田講堂内部のタイルの感じや、アーチのアーケードの雰囲気は日本じゃないみたいです。
    それに比べ、本郷周辺は昭和の薫り満載ですし。笑

    また新しい旅行記も楽しみにしてます!

    Yattokame!

    Yattokame!さん からの返信 2010/11/29 00:28:09
    RE: 行っちゃいました。
    Noiさん

    こんばんは!

    うれしいメッセージありがとうございます。

    安田講堂の市松模様の床、モダンでいいですよね。あとアーケードはまるでヨーロッパの寺院のようで、雰囲気ありますよねえ。東大は、本当に散策にお勧めのロケーションです。

    本郷の下町、いい味出してたでしょう。都心近くにあんな戦前の香りがするところが残っているというのが驚きです。

    Yattokame!
  • jetさん 2010/11/28 08:33:59
    風情、いいですねえ
    う、このエリア、撮りがいありそうですね。。。
    東大は行ったことないですが、やっぱ歴史ある大学は、
    風情に重みがありますね。と言いながら、ぼくは
    最後のお寺の1枚が、とても好きだったりするんですが(笑)。

    Yattokame!

    Yattokame!さん からの返信 2010/11/28 11:17:35
    RE: 風情、いいですねえ
    jetさん

    こんにちは!

    そうなんですよ、このあたりはフォトジェニックな風景がたくさんありました。この界隈は空襲で焼けなかったようで、戦前からの路地の世界がそっくり残って、井戸も結構あったりして、風情たっぷりでした。

    最後のお寺も雰囲気いいですよ。本郷は、もしかしたら東京で一番美しい路地が残っているところかもしれません。

    Yattokame!
  • たらよろさん 2010/11/26 19:55:08
    東大の大銀杏
    こんばんは〜yattokame!様。

    東大、見事な銀杏がたくさんあるんですね〜
    それに建物としての魅力もいっぱい。
    日本最高峰の学び舎ですから、素晴らしい環境の下
    学ばれて欲しいと思います。
    青空に映える銀杏の木がとても素敵♪

    赤門、、、関西の人間からはとても珍しいのですが、
    さすが東大の代名詞になる赤門、
    その雰囲気が重厚です。
    一生懸命勉強して、この赤門を潜る時は親子共々感激ひとしおなんでしょうね〜

      たらよろ

    Yattokame!

    Yattokame!さん からの返信 2010/11/26 23:41:42
    RE: 東大の大銀杏
    たらよろ様

    こんばんは!

    東大出身の知人に聞いたら、最近いろいろ改修されたようで、以前はもっとおんぼろな感じだったとか。

    改修のおかげか、キャンパスは街並み(?)が美しく、しかも今は銀杏の季節なので、土曜日なのに大勢観光客の人が来ていました。中国の人も結構いてパシャパシャ写真撮っていたので、東大がガイドブックに載っているのかな?とちょっと驚きでした。大学が観光地になるなんて面白いですね。

    大学の中は自然も豊かですし、東大、穴場観光地だと思います。

    観光客以外のたぶん東大生とその親なんだろうなという人たちもキャンパスを歩いていましたが、親御さんにとってはとても晴れがましいでしょうね。

    Yattokame!

    Yattokame!

    Yattokame!さん からの返信 2010/11/26 23:42:45
    ありがとうございます
    追伸:

    紹介文ありがとうございました!

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