カイザードーム（１）ヴォルムス

2008/08 - 2008/08

ドイツ・ロマネスク様式の教会建築の至宝、三つの“カイザードーム”を巡る旅。
ロマネスク様式とは中世ヨーロッパで教会がようやく木造から石造になった初期の建築様式ですが、都市に建てられた大聖堂（司教座聖堂）の多くは後世解体されてより壮麗なゴシック様式やバロック様式で新築され直したため、現存しているロマネスク様式の教会堂というと田舎の小さな修道院などがほとんどです。しかしドイツ西部のライン川沿岸では、神聖ローマ皇帝の命を受けて早くから立派な大聖堂が建てられたため、後世にも解体されることなく歴史あるロマネスク様式の大聖堂が残っています。
今回はその中でも特に由緒あるという、三つの“カイザードーム（皇帝の大聖堂）”を見て回りました。
まずはヴォルムスから。

エリア ヴォルムス(ドイツ)

マインツから約３０分でヴォルムス駅に到着。

ヴォルムスの大聖堂。
正式名称は“ザンクト・ペーター（聖ペテロ）”大聖堂。
（イタリア語で言えば“サン・ピエトロ”）
ライン川に面した東側から見たところ。
塔のひとつは修復中でした。

ヴォルムス大聖堂、東正面。
装飾といえばアーチと円柱、そして原始的な彫刻のみ。
素朴さがロマネスク様式の特徴。

猛獣が人を襲っている？彫刻。

ヴォルムス大聖堂、南側からの全景。
日の当たっている所と影のコントラストが激しい。

ヴォルムス大聖堂の模型。
大聖堂前の広場にあったもの。

ヴォルムス大聖堂の内部。
西の内陣前から東の内陣を望む。

ヴォルムス大聖堂、西のドーム天井。

ヴォルムス大聖堂、西の内陣。
教会建築は西に正面入口、聖地エルサレムの方角である東に内陣（祭壇）があるのが一般的ですが、ドイツ･ロマネスクの教会堂は東西に内陣があるものが多いです。

ヴォルムス大聖堂の壁面。

イエス･キリストの家系樹。
キリストがユダヤ王国最盛期の王ダビデの子孫であることを表しています。

ヴォルムス大聖堂、東の内陣。
派手なバロック風の装飾は、ヴュルツブルクの司教館の設計で有名なバルタザール・ノイマンのものらしい。
正直、ちょっと浮いている感じがします。

ヴォルムス大聖堂の内部。
東の内陣前から西の内陣を望む。

聖書の物語を描いたステンドグラス。

「黄金の子牛」
シナイ山で十戒の石版を得たモーセが戻ると、ユダヤ人の民衆は黄金の子牛像を崇拝するエジプト捕囚時代の異教信仰を復活させていた･･･という旧約聖書の一場面。
最初見たときは犬に見えました。

ヴォルムス大聖堂のクリプト（地下墓室）。

ヴォルムス大聖堂の模型。
大聖堂の中にあったもの。

ヴォルムス大聖堂、西側の塔。

ヴォルムス大聖堂、西側正面。
戦艦の艦橋のような迫力。

街の城壁に描かれていた大聖堂のモザイク。
歴代の神聖ローマ皇帝の名が書いてあります。
ハインリヒ４世は“カノッサの屈辱”で有名。

聖アンドレアス修道院の中庭。
現在は歴史博物館になっています。

ちょうど“カイザードーム”展をやっていました。

カイザードーム・アム・ライン（ライン川のカイザードーム）。
北からマインツ、ヴォルムス、シュパイヤー。
まさに今回私が訪れたところと同じ！

中世のヴォルムスの街の模型。
城壁と堀に囲まれています。

中世のヴォルムスの街の模型。
大聖堂周辺。

「グリフォンの爪」と呼ばれる飲用の器。
蓋にはミニチュアのヴォルムス大聖堂。

ローマ兵の兜。
ヴォルムスもケルンやマインツと同じく、ローマ軍の駐屯地が起源。

ローマ軍団兵。
ピルム（投槍）とスクートゥム（盾）を装備。

街の門。

門に描かれたヴォルムスの紋章、鍵と星。
街の錠前屋がドラゴンを退治した伝説が由来らしい。

ユダヤ人墓地。
十字架がないので、日本の墓地と同じように見えます。

ヘブライ語の墓碑。
これも、仏教の梵語のように見えなくもない。

シナゴーグ（ユダヤ教礼拝堂）。
ナチス時代に破壊されたものを再建しました。
現在のヴォルムスにはユダヤ人はほとんど住んでいないそうですが、マインツにはユダヤ人コミュニティがあり、このシナゴーグを使っているそうです。

街の門。

ヴォルムス駅へ戻ってきました。
次の目的地シュパイヤーへ向かいます。