2006/08/07 - 2006/08/07
2位(同エリア8件中)
コクリコさん
2007年になってしまいましたが、2006年夏のフランス旅行記はまだ続きます。
パリから列車でほんの30分、さらにバスに乗り20分で中世の面影を残す町サンリスに降り立つことができます。
「サンリス」の名は「サン・マロ」のように「聖リス」かと思っていたのですがそのまま素直に「SENLIS(サンリス)」。
フランスの多くの町と同じく古くはケルト人の都市でしたが、紀元前8世紀頃ガリア・ローマによって支配されました。
そしてフランク王国のクロヴィス以来、メロヴィング、カロリングの2王朝が好んで館を構え、宮廷を置いた古都。
その後987年に成立したユーグ・カペ−王(選挙によって成立したフランス初の王朝で、この選挙はサンリスで行なわれた)から、シャルル10世までフランスの王はサンリスを訪れたとのこと。
このように古くから重要な都市だったのにもかかわらず、現在のサンリスは中世から時が止まってしまったまま忘れられたかのようにひっそり佇んでいます。
ガリア・ローマ時代の城壁、中世フランス王朝時代の城壁を残す小高い丘にある町サンリスがコクリコ妹、姪のワカのフランス最後の小旅行でした。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 鉄道
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-
朝の北駅ホーム。
-
パリ北駅駅8時40分発クレイユ行きの列車に乗る。
シャンティイ駅まで片道8.4ユーロ(1ユーロ150円位でした)。 -
北駅のキオスクでワカが買ったエッフェル塔飴。
25センチ位の大きさで3ユーロ。
「ルーヴル美術館の地下ショッピングセンターで売っていたエッフェル塔飴と同じなのに安い♪」とワカ。 -
列車に乗ること約30分、お城で有名なシャンティイ駅着。
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駅前の道をまっすぐ行くと、シャンティイ競馬場さらにシャンティイ城に続く森の入口。
「森を通り抜けてみたーい」と言うワカの希望を却下して、シャンティイ駅を出て、すぐ左手にあるバス停からサンリス駅(今はサンリス駅は駅舎のみ残し、駅としては使われていない)行きのバスに乗る。
バスの運転手にパリ→シャンティイ間のキップを見せればバス代は無料。
バスは1時間に1本なので森の入口や、駅前をぶらぶら偵察。 -
小さなシャンティイ駅前になんとカラオケパプ。
「KARAOKE」はちゃんとフランス語になっています。
今やマンガ、コスプレ、オタクは立派な(?)日本文化としてフランス(噂によるとイギリス、アメリカでも)では大人気。
私は常々日本はこのようなコマコマした文化こそが最も得意な分野ではないかと思っています。
大量に輸出しましょう(^^) -
今回の旅で何度も見、目に焼き付いたバスの車窓風景。
コクリコ妹、ワカにとっては見納めのフランス郊外の風景。
青い空を飛ぶ雲、緑の田園。 -
シャンティイ城を過ぎ、のどかな田園風景を見ているうちにあっという間の20分。
終点「サンリス駅」バス停に到着。
旧サンリス駅は現在は使われていませんが駅舎だけが残っています。
バスを降りて少し歩くと、もうそこは古い城壁に囲まれたサンリスの町。 -
町には小さな観光案内所があり、若くて可愛い女性が親切に教えてくれました。
今回の旅ではフランスのどこでも観光案内所の職員さんは大変サンパティックで気持ちが良い。
簡単な日本語のパンフレットがおいてあります。
小さな町なので2、3時間もあればざっとぐるり一周できます。
観光案内所のすぐお隣になぜか「狩猟博物館・スパイ博物館」。
1ユーロ位だったので入ってみました。
写真→の案内版「スパイ博物館」はこちら。
パンフレットによるとサンリス近郊の森にスパイの駐屯地があったとか、、、デス。 -
【LE BURNOUS】って?
辞書で引いてみると「バーヌースコート」
アラブ人のフード付き袖なし外衣からきたコートのようですが。聞いたことありますか?
私は知りませんでした(^^;) -
バーヌ−スコートを着たスパイ。
これがバーヌースコートらしいです。
冬のスパイ活動の時着衣したのでしょうか?
敏速に動けなさそうですね。
田舎(失礼、昔は王様が住まわった都市でしたよね)の安い博物館にふさわしい、笑いたくなるような堂々美男マネキンのスパイです(^^) -
博物館を出ると12〜18世紀の宮殿跡と庭園があります。
博物館の入館料に含まれていますのでこちらも拝見。 -
庭園内の古い建物。中世の建物?
修復中の建物もありました。 -
宮殿跡らしき建物の前の飾り。
土っぽい感じが素敵。 -
コクリコのお気に入りトラベラーおでぶねこさんの「フランスの小さな村」の旅行記の写真にもありましたが、花で装飾された古い井戸。
使われなくなったお花一杯の古井戸をフランス各地でたくさん見かけました。
廃物利用、こんなに可愛く再生されました。 -
中世のフランス王たちに愛された古都サンリスには「ベルサイユのバラ」ならぬ「サンリスのバラ」がひっそりと咲いていました。
-
庭園にはお約束の【ディアヌ】の像。
弓矢を持つ狩り姿の女神ディアヌと犬と鹿の三位一体(?) -
小さな町なので、庭園を出てあるくとすぐにカテドラル(大聖堂)にぶつかります。
7世紀から9世紀にかけて建設されたノートルダム大聖堂。 -
大聖堂内部。
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内部には聖王ルイ(13世紀の王)の像。
ブレていてすみません。
聖王ルイもサンリスがお気に入りで何回も訪れていたようです。 -
サント・バルブ、聖女バルブ(バルバラ)です。
あまりに美しかったため父親に溺愛され、変な虫がつかないようにと塔に閉じ込められた3世紀から4世紀ころの殉教処女。
閉じ込められている時にキリスト教徒に、それを知った父親は棄教させようと役人に告発。役人からの拷問にも屈しないバルブはとうとう父親に首を斬られ殉教。
悪魔のような父親はその後雷に撃たれて死亡。
こんな凄まじいお話の聖女ですが、ここにいらっしゃる聖女バルブは書を手に身体をちょっとひねって良い感じで立っていらっしゃいます。 -
もちろん、聖女ジャンヌ・ダルクもサンリスに立ち寄っています!
1429年にサンリスに寄ったそうです。
その2年後1431年に処刑されるとは思ってもいなかったでしょう。
500年後の1929年にジャンヌ訪問500年を記念してジャンヌの像が作られたようです。 -
ノートルダム大聖堂ですから、聖母マリアはもちろん主役。
このマリア様も腰をちょいとひねらせてなかなか良い感じで立ってらっしゃいます。好きですねぇ、この感じ。 -
なぜか新しいステンドグラス。
15年前にフランス人のご夫妻とドライブの途中にサンリスを通過した時この大聖堂だけ見学したのですが、その時は修復中でした。その修復時にステンドグラスも新しくしたのでしょうか。 -
ノートルダム大聖堂を出るとすぐ、プチ・シャーリス通りに「王のチャペル」があります。
ここは、現在は「フランツ・リスト公会堂」になっています。 -
さて、これからは静かなサンリスの町を歩いてみましょう。
普段も静かであろうサンリスですが、町の人々も南仏やブルターニュへでもヴァカンス中なのでしょうかひっそり静まり返っています。
トネレリー通り。 -
あっ、一軒窓が開き賑やかな声が聞こえています。
窓辺には幼い女の子のサンダル靴が干してあり、家の中では若いお母さんがアイロンかけしていました。 -
ドアのベル。
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古い石造りの家に良く似合う白い窓。
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シャンセルリー通り
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シャンセルリー通りの民家の窓。
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シャンセルリー館に咲く紫陽花。
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シャンセルリー通りの古い門。
サンリスはパリから近いこともあり時代劇の映画やテレビのロケによく使われているそうですが、納得ですね。 -
私がとても気に入った水色の扉。
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ここにも水色の扉。
サンリスの白っぽい石造りの家に明るいブルーの扉がとても素敵。 -
塀には自分の首を持ったサン・ドニくん。
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サンリスでも見つけた娘バージョンの鎧戸止め。
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トラックまでもがオシャレに見える。
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賑やかなはずのシャテル通りで、レストランを探すも、みんなヴァカンス中でお休み。
シャテル通りの店や家も赤やピンクでカラフルなんですが、石の建物や町の雰囲気にマッチしていてケバくないのが不思議。
色が良いのかしら? -
やっと見つけた日本で言えばファミレスやどこにでもあるイタリアンレストランのようなお値段とメニューのレストランで昼食。
ふつうのピザですが大きくて美味しい。 -
日本でもお馴染みナスのグラタンも。
美味しいし。 -
でも、雰囲気はさすがサンリス!
サンリスでは時がゆっくり流れているので、昼食もゆっくり時間をかけて。。。
午後はシャンティイに向かいます。
パリから手軽に中世の町並みを味わいたかったら列車とバスに乗り1時間のサンリスを是非お薦めします。
今回私たちは歩きませんでしたが、ノネット川沿いの外壁を歩くコースもあります。
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この旅行記へのコメント (8)
-
- 唐辛子婆さん 2010/05/03 09:37:31
- 一緒にあるいてる気分
- コクリコさん、おはようございます
この感じいいですねえ、ひっそりした町の日常を覗き見してる感じ。
パリからほど近くて中世のたたずまいが残っているのでロケにも使われる
ということはフランスもほかの町は近代的なのね?
旅行記を見ると古い建物がおおく映ってるので、ついフランスはそういう
古い建物ばっかりみたいに思ってました。
カラフルなペイントでもケバくないのは周りに白っぽい建物が
多いからでしょうね。
今朝は母からの電話で眠りを覚まされてしまいました。
「こないだきたとき、忘れないようにとメモしたことって何だったっけ?」
ですって。
そんなこと私だって忘れてる(苦笑)
唐辛子婆
- コクリコさん からの返信 2010/05/03 11:46:55
- RE: 一緒にあるいてる気分
- 唐辛子婆さん、おはようございます。
2006年の古い旅行記をご覧くださってありがとう!
実は「教えて!トラベラー」で、この旅行記(サンリス,シャンティイ)関係の質問に答えたんですが、旅行記見直したら字が間違えていて、それを訂正したらこの旅行記が一番上に上がっちゃったんです(^^;)
こっそり直したかったのに、困ったもんですよね〜
> この感じいいですねえ、ひっそりした町の日常を覗き見してる感じ。
ありがとうございます!
妹や姪と4人で行った時なんで、ゆっくりのんびり写真を撮れました。
> パリからほど近くて中世のたたずまいが残っているのでロケにも使われる
> ということはフランスもほかの町は近代的なのね?
パリ近郊は近代的な町もあるけど、
パリから列車で30分もゆくと森や古い町がたくさん残っていますよ〜
でも、サンリスはパリから近いだけでなく、歴史的にも重要な町で、中世の街並みがかなり残ってます。
建物の規制や文化財保護が日本より厳しいし、地震がないということも古い街並みが多く残っている理由かも。
> 旅行記を見ると古い建物がおおく映ってるので、ついフランスはそういう
> 古い建物ばっかりみたいに思ってました。
フランス全国全て回ってないから、違う都市もあるかもしれないけれど、都市には旧市街と新市街があるから、旧市街は古いまま残されているようです。
南仏の鷲の巣村やフランスで指定されている「最も美しい村々」(100以上ある)は、そのまま残ってますね。
> カラフルなペイントでもケバくないのは周りに白っぽい建物が
> 多いからでしょうね。
そうか、白っぽい石造りだからでしょうね。
他に空気もかしら。南仏は石っぽくないのにオレンジや黄色の街並みでもケバくなかったから。
町全体が統一されていればケバくないかな。
日本の湿気のある空気には黒瓦が似合うと思うけど、人口密度が多いからそうはできないしね。
> 今朝は母からの電話で眠りを覚まされてしまいました。
> 「こないだきたとき、忘れないようにとメモしたことって何だったっけ?」
> ですって。
> そんなこと私だって忘れてる(苦笑)
わー、私の母も同じだった(苦笑)
唐辛子婆さんのお母様の方がすでに私の母より年上だから仕方ないですよね〜
でも、、、私も随分忘れっぽくなっているのが恐い。
さっき「もやし」が思い出せなかった。
-
- 迷子さん 2007/01/17 11:29:11
- う〜ん。とっても素敵〜。
- おフランスの田舎のイメージピッタリ!
何か時間もここではユックリと過ぎてく感じが伝わるどすな〜。
パリからそんなに移動時間を掛けなくても
素敵な場所があるんどすな。
また1つお勉強になりますた、ありがとうどす。
- コクリコさん からの返信 2007/01/18 10:04:49
- RE: う〜ん。とっても素敵〜。
- サンリスへはパリからシャンティイまでの列車のキップを見せればバスは無料なのでお薦めですよ。
シャンティイまで北駅から30分だし、シャンティイ城を先に見学してもサンリス先でもバスの時刻をチェックしておけばd(^^)です。
フランクフルトから1時間で行けるヘッペンハイム見たいに可愛い町ではないですよ。
石に囲まれたゴツくて素朴な町です。
迷子さんは石好きだったわよね?
-
- もろずみさん 2007/01/09 21:41:52
- 良い町ですねぇ
- コクリコ一家以外に観光客はいないのでしょうか?
こういう町なら落ち着きますね。一日滞在したい。
時が止まったという表現がぴったりですね。
コクリコさんの筆もパリとは違っておおらか。
とりあえず一票!
- コクリコさん からの返信 2007/01/09 23:31:15
- RE: 良い町ですねぇ
- もろずみさん、こんばんは。
書き込みと投票どうもありがとうございます。
サンリスはパリから1時間弱で中世の町並みを体験できるお薦めな町です。
列車とバスの乗り継ぎも簡単ですし。
でもね〜もろずみさんには静かすぎてちょっと物足りないかもしれませんよ(^^)
お昼をゆっくり過ごしてしまい、見落とした所があったのがわかり「しまった!」と思った貧乏性(「貧乏症」でもありますが)の私です。
午後はシャンティイ城へと欲張ったので、ゆったりはできない性分みたいです(^^;)。そして〆は部屋に帰ってからビールで「完歩〜い!」でした。
-
- おでぶねこさん 2007/01/05 09:36:03
- サンリス。
- コクリコさん。
あけましておめでとうございます。
(すでに街中に新年ムードは有りませんが・・・)
サンリス・・・作成中にお邪魔しました。
何やら素敵な町ではありませんか。
ガイドブックにはほんのチョッと載っているだけ。
コクリコさんの旅行記で4トラデビューですね。
完成した頃にまたゆっくりとお邪魔します。
今年もコクリコ家にとってすばらしい年でありますように。
今年も宜しくお願いいたします。(*^^*)
おでぶねこ
- コクリコさん からの返信 2007/01/06 10:42:16
- RE: サンリス。
- おでぶねこさん、
明けましておめでとうございます。
さっそくサンリスをご覧くださりありがとうございます。
ほんとサンリスってガイドブックにはシャンティイのオマケみたいにしか紹介されていませんよね。
前に書いた「シャルトル&ヴェルサイユ」と共に「サンリス&シャンティイ」はパリから日帰りお薦めコースかも♪
おでふねこさんが行かれた「フランスの美しい村々」まで行きたいけど時間がなくて行けない・・・という旅行者には「美しい村々」の片鱗だけでもパリからたった30分で体験できるのでお薦めしたいですね。
そうそう、後で写真貼りますが、サンリスでも例の【鎧戸止めの少女】発見!
そろそろ2月の旅の予定をたてていることでしょう。ワクワクでしょう!
私もおでぶねこさんの旅行記ワクワク楽しみにしています。
でも、寒い冬のヨーロッパ、猫はこたつ(暖炉と言えば良い?)で丸くなっているのでしょうか?おでぶねこさんのモデルになってくれるか心配です。
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