2002/09/15 - 2002/09/23
51位(同エリア50件中)
azianokazeさん
- azianokazeさんTOP
- 旅行記451冊
- クチコミ0件
- Q&A回答12件
- 807,496アクセス
- フォロワー30人
東海岸クランタン州の州都コタバルが今回の目的地。マレーシアは全国的にはマレー人が50%、中国系が約四分の一、インド系タミル人が約1割、その他ボルネオ島の少数民族などからなる多民族国家ですが、イスラム教を国教としながらも多民族間のバランスをとりつつ近代化政策を進める中央政府に対し、マレー人が95%を占めるクランタン州ではイスラム原理主義をかかげる野党PAS(全マレーシア・イスラム党)が州政府を掌握しており、イスラム法にのっとった統治が行われています。一方で、マレー伝統文化、伝統工芸がよく保存されており、カルチャー・センターで伝統的な格闘技・音楽・遊びを鑑賞することができます。
(2年前に登録した旅行記について、写真を再アップロード 2007.6.25)
PR
-
ホテルは市中心部から車で10分ほど行った海岸にあるリゾート・パンタイ・チンタ・ベラヒ。
ホテル名にもあるように、この海岸は以前パンタイ・チンタ・ベラヒ(“情熱の愛の浜”)というロマンチックな名前でしたが、イスラム的に好ましくないと州政府によって改名されてしまったそうです。なにしろ、酒・ギャンブルはもちろん禁止、女性は外出時スカーフ着用、裕福な家庭の女性は働いてはいけない、スーパーのレジは男女別々、女性は肌を露出させないように、といった政策を推し進めているPASですから、“情熱の愛の浜”はちょっと許せないでしょう。
部屋はコテージというか小屋というか、離れ形式です。昔はそれなりのホテルだったようですが、現在はちょっと寂れた感じでした。このホテルのレセプショニストのオバサンとどうも馬が合わず、朝食の時間とかツアーの料金とかしょっちゅう揉めていました。まあ、むこうからすると英語も満足にしゃべれない外国人がわけのわからないことを言ってくるといった感じなのでしょう。ちょっと懐かしい感じもあります。全体的にはホテルスタッフ・関係者は、トレッキングのマレー人ガイド、郊外ツアーを案内してくれた華人、街まで車で送ってくれたインド人と、みなさん親切な方々でした。
ちなみに、民族ごとに言葉も違うので、オフィスでは英語で話しているとのことでした。
マレーシアのホテルはどこもメッカの方角を示す矢印が天井についているとガイドブックにはありましたが、記憶にありません。ただ、ホテル敷地内に集会施設があって、早朝大勢集まっていました。 -
海岸は“情熱の愛の浜”との名前から期待していたのですが、普通の海岸です。写真ではそれっぽく見えますが、特に白砂でもないし、海の色も日本の海岸と同じ、情熱的な愛を交わすカップルもいません。地元の子供達が馬を洗っていました。ホテル敷地と隔てるフェンスが無粋です。
-
それでも休日には街から人がやってきて、ヤシの実ジュース屋さんの店がでたりします。
-
街に出ます。円形の大きな建物はセントラルマーケット。KL(クアラルンプール)のショッピンッグセンターとは対象的に“アジア的”です。あまりにアジア的すぎて、暑苦しく、しばらくいると酸欠状態になります。
-
建物の外に止めてあった車の周りに人だかりがしていました。中に子供が脱水状態でぐったりしており、ドアの鍵がなくてあけられないようです。やがて取手のところを壊して棒を突っ込みなんとかこじあけ、子供は救助されました。歩いているだけでクラクラしてくる暑さですから大変です。
-
市内にあるカルチャーセンターでマレー伝統文化に触れてみましょう。
観光客相手に伝統文化を実演で紹介しています。 -
-
先ずはシラットという格闘技(護身術)です。“マレー拳法”とも訳されています。格闘技とは言っても実際に相撲・レスリングのように戦っている時間より、音楽に合わせダンスみたいにお祈りを捧げる儀式(タイのムエタイのお祈り儀式みたいな感じです)のほうがはるかに長く、「??」といったところです。
-
-
次は蹴鞠、東南アジアでさかんなスポーツ“セパタクロー”の原型でしょう。
-
こちらは女性の遊びcongkak(コンカ、チョンカク)。穴が何個かあいた木製のボードとビー玉を使って二人で遊ぶゲームです。
-
この他にも曜日によって、太鼓演奏、コマ廻し、マレー凧などが紹介されているようです。
-
コタバルには伝統工芸の工房も多くあります。
東南アジア共通文化である“ろうけつ染め”のバティックを作っているところが見たいとホテルの人に頼んでつれていってもらったところです。よくある作成現場を見せて、店で買い物してもらうタイプの店です。 -
溶かしたろうで模様を手書きしています。
-
-
色付けでしょうか。
-
こちらは型押しタイプの作成の様子です。当然値段的には安くなります。
この日は見るだけで買い物する気がなかったので、工房を見学したあと向かいの店に行かずそのまま帰ってしまおうと思ったのですが、車で連れてこられていたので自分のいる場所がわからず、タクシーもいないし、強い日差しの中ウロウロしていました。トイレにも行きたくなり、結局店の人に「どこへ行っていたんですか?」と声をかけられ、そのまま店に連れ戻されました。商品を見るとやはり欲しいものがあれこれでてきて散財してしまいました。
バティックの他、金糸を織り込んだソンケット、マレー凧、銀細工、影絵人形などの工房も見学できるようです。買うだけなら、KLのセントラル・マーケットに各専門店が入っています。 -
市内中心部にあるナイト・マーケット。昼間は駐車場ですが、夕方ころから屋台がでます。目移りするくらいにいろんな物が売られています。
-
PASの政策もあり、女性はみなトドゥンというスカーフを頭に被っています。暑いマレーシアでのこのスカーフについて女性達がどのように思っているのか聞いてみたかったのですが、機会がありませんでした。ただ、必ずしも“強制されている”という意識ではないのではないかとも思います。彼女達にしてみれば慣れ親しんだごくあたり前の風習でしょうから。街中で若い女性を眺めていると、スカーフの色も様々ですし、かぶり方、巻き方もいろいろでファッションとして楽しんでいるようにも見えます。
-
このナイト・マーケット、ある時間になると一斉休業になり市場は封鎖されます。イスラムのお祈りの時間です。その時間になるとスピーカーを手にした係りの人が現れてみんなモスクに行くように指示します。食べ物関係の屋台ですから肉を焼いている途中だったりする訳ですが、一切おかまいなしです。店の人も毎日のことですから手早く作業を中断して、商品に覆いをかけてゾロゾロ近くのモスクに向かいます。40分ほどでしょうか、こんな感じでマーケットは殆ど無人になります。食事しようと出かけたときこのお祈りにぶつかり食べそこねました。イスラム至上主義とも言われるPASのお膝元だけあって徹底しています。これについては、いかにも商売の邪魔とも思え、みんなが心からモスクに向かっているとは思えませんでした。みんなが喜んで行っているのであれば、スピーカーで指示するような人も必要ないのではないでしょうか。宗教的な慣行に異を唱えることはコタバルのような保守的な地では非常に困難なことで、生活の糧を失うこと(例えばマーケットでの営業権を失うなど)を覚悟する必要があるのかも。宗教的な色彩の強い政治は反対者が“神をも恐れぬ冒涜者”として糾弾されがちな点においてやはり共感できません。
もちろん、このマーケットのこともスカーフのこともいっときの旅行者が勝手に想像しただけのことですので、随分的外れな感想だろうとは思います。コタバルの方々、すいません。 -
郊外に足を向けると、山中の滝を目指しての軽いトレッキングもあります。蒸し暑い中を歩くと滝のように汗が流れおちます。しゃれにもなりません。案内のガイド氏はナイフ集めが趣味という軍事オタクのような風体でしたが、なかなか気さくないい方でした。自然の中にいるのが本当に好きなようでした。
-
コタバルから北上するとタイとの国境も近くなります。銃を持った兵士が検問していました。ホテルの華人の案内で行った仏教寺院です。「マレーシアにも涅槃仏があるぞ」ということなのでしょうが、仏様なら5月ミャンマーでいやというほど、失礼、ありがたいほどたくさん拝見しましたし、日本に帰ればまた拝見できますので、「涅槃仏ね・・・」といった感じでした。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
22