2025/11/15 - 2025/11/16
674位(同エリア858件中)
あおばさん
この旅行記のスケジュール
2025/11/16
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11月半ば、紅葉前線がそろそろ平野に下りて来る季節。
中央線に揺られて、木々が色づく甲府盆地を訪ねました。
旅の舞台は、勝沼~甲府。
峡東地域と呼ばれる、甲府盆地の東側です。
東京から日帰りで十分来れる距離ですが、勝沼にお洒落なペンションを見つけたので、あえて1泊して、ゆっくり過ごすことにしました。
初日が勝沼町内散策、2日目が石和温泉経由で甲府まで、30km程のサイクリングです。
それでは、旅の模様をどうぞ!
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 自転車 JR特急 JRローカル
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
今回の旅のスタートは、中央線・武蔵境駅から。
立川方面の電車に乗る前に、北口の喫茶店「芙蓉」さんでランチをいただきます。
クラシック音楽の流れる店内は“カフェ”じゃなくて“喫茶店”の、古き良き雰囲気。
ほのかにスパイシーな味付けのオムライスは、ちょっと癖になりそうでした。 -
食後に軽やかなダージリンティーをいただいたら、中央線で西へ出発です。
-
立川から特急、大月からローカル電車に乗り換えて、中央線の旅が続きます。
電車の窓が額縁のように、流れていく景色を切り取ります。
この時期の中央線の車窓、本当に好きなんですよね。
幾つも重なった山が、赤くなったり黄色くなったり、ふっと銀杏の大木が現れたり。
長野まで行くと、カラマツの紅葉で山全体が金色に染まって…
京都も鎌倉もいいけれど、こういう景色こそ、海外のお客さんに見てほしい気がします。
さて、そろそろ目的地の勝沼ぶどう郷駅に到着です。 -
電車からホームに降りると、正面にこの景色。
ぶどう畑の真ん中の駅は、東京から2時間もかからないのに、降りた瞬間から別世界です。勝沼ぶどう郷駅 駅
-
駅の階段を下った先の、観光ぶどう園やワイナリーの案内がまた、良い味出してるなぁ。
-
駅を出たところのぶどう棚で、小ぶりのぶどうが出迎えてくれました。
-
勝沼ぶどう郷駅には国鉄時代の古いホームがあって、その跡地が公園になっています。
春にはこのあたり有数の、桜の名所になるそうです。
秋風にすっかり葉を減らした桜の向こうを、松本行きの特急が駆けていきました。 -
桜の紅葉も、こうやって見るといい色してますね。
もみじにはない哀愁があります。 -
駅前の交番も、ちょっとメルヘンな雰囲気。
非日常感のある景色によく馴染んでます。
こうしている間にも、駅のロータリーにタクシーが何台もやってきては、次々にお客さんを下ろしていきます。
土地柄、タクシーでワイナリーを巡る方が多いんでしょうか? -
さて、つい前置きが長くなってしまいましたが…電車に載せてきたロードバイクに乗って、勝沼の町へ漕ぎ出しましょう。
-
駅を出てしばらくは、長い長い下り坂。
左右も前も、見渡す限りぶどう畑が広がります。 -
ぶどうの紅葉って、こんなに鮮やかだったんですね。
ここのぶどうは黄色だけど、葉っぱが赤くなった品種も見かけました。 -
ひと月前は盛況だったろうぶどう園も、今は静かに冬の訪れを待っています。
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大きな池のある公園の周りも、ぶどう畑がいっぱい。
奥の斜面の方まで、ぶどうの黄葉が見えます。
ぶどう農家って、ただでさえ上を向いての手作業が多くて大変と聞きますが、あの斜面でぶどう収穫するの、本当に骨が折れるだろうなぁ…
でも、大変だけどその分儲かるのも確かだそうで。
山梨大学に通っていた友人は、毎年ぶどう農家のバイトで一儲けしたとか、しなかったとか(笑) -
公園のあった小佐手地区から坂を駆け上がって、山の上のペンションへ向かいます。
たぶん、正面に見えてる集落の中に、今晩の宿があるはず。 -
集落に入ると、お寺の境内に鮮やかな紅葉が見えてきました。
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不動明王が背負う焔のような、燃え上がる赤が見事。
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お寺の少し先に、今夜お世話になる宿がありました。
洋風民宿「ひとつぶの葡萄」さん。
ぶどう畑に囲まれた高台にある、静かなペンションです。ひとつぶの葡萄 宿・ホテル
-
優しいモスグリーンの扉の先が、今晩のお部屋です。
ちなみにこのお宿、部屋1つずつにぶどうの品種名が付いていて…私のお部屋はワイン用の白ぶどう「甲州」でした。 -
お部屋の中は、シングルベッドと小さな机・椅子がついた、必要最小限の構成です。
テレビもないし水まわりは共同だけど、そうと思って泊まればどうってことはありません。 -
お隣の部屋のドアには、お洒落なピンク色のリースが。
お部屋は狭いけれど、こういう小物のセンスが本当に良くて、宿をあちこち見てるだけで楽しいです。 -
夕食まで時間があるので、宿の外へ出てみます。
玄関前の小さな庭はよく手入れされていて、秋バラがちょうど見頃でした。 -
小粒の木の実が西日を浴びて、宝石のブローチみたい。
-
夕暮れのぶどう畑と、暮れなずむ甲府盆地。
日が暮れて、だんだん風が冷たくなってきました。
そろそろ宿に戻って、夕食をいただくことにします。 -
天井の高い食堂へ入ると、前菜が出揃ったところでした。
“田舎のおばあちゃん”感あふれる女将さんが、旦那さんお手製の料理を説明してくれます。
「左のはね、海と山のカキカキグラタンよ」
・・・・・?(´・ω・`)?
あの、今、なんておっしゃいました…? -
えっと…「牡蠣柿グラタン」ってこと・・・?!
くり抜いた柿の真ん中に、味噌風味の牡蠣が乗っています。
初めて見る光景に、頭がなかなか追いつきません。
でも実際美味しいし、牡蠣と柿と味噌が謎のハーモニーを奏でています。
旦那さん、これを形にするのは凄い腕だなぁ。 -
メインは豚肉のソテー、ホワイトソース添え。
-
続いて熱々のほうとうが出てきました。
野菜…特にきのこ…が凄い量入っていて、それだけで満腹になりそうなのに、お鍋の底から幅広の麺も出てきて、もうお腹がはち切れそう…(汗 -
食後のデザートは、濃厚なチーズケーキに、ひとつぶのシャインマスカット。
ぶどうのオンシーズンに来れば、ぶどうがもっと沢山出てくるのかもしれません。
食後は貸切の家族風呂で1日の汗を流したら、暖房を効かせたベッドに倒れ込んで…
山上のぶどう畑の夜が、音もなく更けていきます。 -
一夜明けて翌朝。
食堂の窓から甲府盆地を見下ろすと、ほんのり水色の優しい青空が広がっていました。
今日の旅も快適そうです。 -
朝食は、ハムエッグとサラダのプレートに、自家製ぶどうジャムの食パン。
ぶどうジャムが甘すぎず自然な口当たりで、とっても美味しい…!! -
食後にストレートティーをいただいたら、荷物をまとめて宿を出発です。
今日はこれから、西に向けて坂を下って、途中石和温泉に立ち寄りながら甲府まで向かいます。
最終目的地は、甲府の北、戦国時代の城跡に立つ武田神社。
その名の通り、城の主だった武田信玄を祀る神社です。
ここ勝沼からは約30km。
寄り道なしなら、自転車で2時間で着くかな。 -
宿を出たら、ぶどう畑に囲まれたワインディングロードを下ります。
市営の観光施設「ぶどうの丘」の側面を回り込むあたりから、あまりに勾配が急すぎて、タイヤと地面の摩擦を感じなくなって…
アルペンスキー・滑降の選手もかくやという爽快感でした。 -
ゲレンデの勾配が尽きたあたりで、地場のドラッグストア?スーパー?に立ち寄って、飲み物を補給します。
今回泊まったお宿は、本当に「山の上」なので、近くにスーパーやコンビニがなく、最寄りの食料品店が徒歩30分超のここになります。
一応、宿の前に飲み物の自販機はあるけど、車で訪れて柔軟に動けるようにした方が便利かもしれません。 -
昨晩、勝沼に来てる旨を実家に連絡したら「ほうとうセットかワインがほしい」とおねだりが来て。
「ほな、いい物探して送るか…」ということで、旧甲州街道沿いのワイナリー・白百合醸造さんにお邪魔しました。ロリアンワイン白百合醸造(株) 専門店
-
ワイナリーの軒先を飾るのは、赤ワイン用のぶどう、マスカット・ベーリーA。
少しくすんだルビー色の、甲州と並ぶ日本ワインの代表品種です。
昨日駅で見かけたのも、この品種だったかのかな? -
こちらの白百合醸造さんは、1938年創業の家族経営のワイナリーで、今の社長で3代目になるそう。
ブランド名の「ロリアン」は、フランス語で「L' ORIENT」、つまり東洋という意味。
西洋に負けないワインを作る、という意気込みからの命名だそうです。
ちょうど新酒の季節を迎えた店内は、新物のワインがずらり。
辛口の甲州に、甘口のベーリーAに…過年度物のお高そうな甲州もいくつか並んでいます。
うちは家系的にお酒が強くないから、ベーリーAの方がいいかな?と思っていたら、度数8%でもっと飲みやすい「アジロン・ダック」という品種の新酒をお勧めされました。
勝沼でも生産量の少ない品種で、毎年売れ筋だそうです。
後日、実家から「甘酸っぱくて香りが爽やか」「口当たりが軽くてどんどん飲める」と感想が届きました。
ワインは好きだけどお酒はあんまり強くない、って方にお勧めです。アジロン・ダック。 -
今回は自転車の旅だから、ワインは試飲できないけど、ぶどう3種のジュース飲み比べセットを頂きました。
左から、甲州、ベーリーA、コンコード(普通のぶどうジュース)です。
驚いたのは…甲州ってジュースの時点で渋いんですね。
醸造で甘味が消えて”辛口”になるんだと思ってましたが、果汁の風味がコンコードとは全然違う。。。大人の味だわ、これは。 -
渋くてスッとする甲州の余韻を口元に感じつつ、ぶどう畑の中を西へ向かいます。
緩やかな下り坂を軽快に走って、笛吹川の流れを越えると -
笛吹市の中心街・石和温泉に着きました。
富士山が近いこともあってか、インバウンド向けの押しがなかなか強いです。
この看板の前とか、桜の時期には海外のお客さんが鈴なりになりそう。石和温泉 温泉
-
やっぱり令和だなぁ…と思っていたら、今度は道の向こうに、昭和から時を止めたような佇まいの石和ビューホテルが現れます。
「石和びゅーほてる」の味のあるフォントに、中央のガラス張りエレベーターに、エレベーターの上の謎のギザギザ・・・
…こういうの、嫌いじゃないよ! -
温泉街に日帰り入浴を受け付けている旅館もいくつかありますが、今回はこちらの温泉銭湯「石笛の湯」さんに伺うことにしました。
天然温泉で1人500円。なかなかの高コスパです。
泉質は単純温泉、誰にでも優しいお湯ですが、浴室に入った途端に硫黄の香りが鼻をついて、温泉気分を高めてくれます。
浴槽は中温風呂・高温風呂・超高温風呂に分かれていて、高温風呂が一番適温でした。
最後の仕上げで超高温風呂に浸かったら、体が芯までホカホカになりました。
甲府まではあと10キロ弱。
温まった体に気合を入れ直して、甲州街道を西へ向かいます。 -
沿道のあちらこちらで、もみじやカツラの木の紅葉が目を引きます。
写真は、前を通りかかった山梨学院大のキャンパス。
早くも入学試験中でした。
私立は国公立より入試が早いとはいえ、もうそんな時期なんですね。 -
甲府市内をしばらく進んで、次の目的地・甲斐善光寺に到着しました。
立派な山門をくぐって、本殿へ向かいましょう。甲斐善光寺 寺・神社・教会
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参道脇のカツラの紅葉は、染め上げたような深紅でした。
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信州の善光寺に比べたらさすがに小さいけど、こちらも境内はたくさんの人で賑わっています。
さすがに11月にソフトクリームを食べる人はいないのか、紫の(確か焼き芋味だった)ソフトはちょっと寂しげでした。 -
本殿の左奥には、背の高い銀杏の木がツインタワーよろしく聳えています。
青空によく映えるなぁ。いい色してる。 -
12時前になったので、甲斐善光寺から少し北に行ったところのカフェレストラン「ハーパーズミル」さんでお昼をいただくことにしました。
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シックな喫茶店風の店内は、肩の力が抜けるような、ゆったりした時間が流れています。
オーナーさんが著名なギター職人らしく、トイレの壁紙がギターのライブの告知で埋め尽くされていて、ちょっとびっくり。
時々このお店でも、ライブがあるそうです。 -
ギターと並ぶこのお店の名物が、こちらの辛口カレー。
今回はビーフカレーを選びました。
辛さも3段階から選べて、初めてなので一番下の「辛口」を選んだんですが、それでも口に運んだ後から辛みがじわじわ増してきて…自然と汗が滲みました。
でも、ひたすらに刺激的って訳じゃなくて、旨みの中に辛さがあるというか、全然苦痛にならない辛さなのが印象的でした。 -
食事の後は、見晴らしのいい県道を西へ。
長いトンネルをくぐったら、甲府の中心市街に入ります。 -
甲府駅から伸びる通りをまっすぐ駆け上がって、突き当たりの武田神社に到着です。
武田神社 寺・神社・教会
-
城跡だからか、神社はお堀に囲われています。
紅葉が水面に映っていい感じ。 -
正面の橋を渡って境内へ。
-
ちょうど七五三シーズンだったため、境内はおめかしした子供たちで賑わっていました。
カラフルな袴や着物を着て、家族で一緒に手を合わせて。
甲府の子供たちは、信玄公に見守られながら大人になっていくんですね。 -
本殿の右手奥に、信玄公が使ったと伝わる井戸が残っていました。
籠城戦用の水の備えもバッチリだった、ってことか。 -
参道脇のもみじは、鮮やかながら少し儚げな表情。
このもみじが散る頃には、もう冬の足音がはっきり聞こえていることでしょう。 -
午後2時前、JR甲府駅に到着しました。
駅前広場で自転車を分解して、特急かいじ号に乗って山梨を後にします。
ぶどうも食べられたし(1粒だったけど)、ワイナリーも行けたし温泉も入れたし、甲府周辺でやりたいことはほぼできたかな?
この時期は勝沼の宿も比較的取りやすそうなので、紅葉とワインを巡る旅、おすすめです。
ここまでのご一読、ありがとうございました。
またいつか、旅でお会いしましょう。
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