2025　泉尾一丁目散歩

2025/10/07 - 2025/10/07

大阪市の南西部に位置する大正区は、区全体が大阪湾、木津川、尻無川に囲まれた島状の三角州に立地する所で、かつて姫島と呼ばれた小島を礎として、大阪築港計画による埋め立てにより現在の区域が形作られました。

江戸時代の木津川と尻無川は、大坂の経済を支える水上交通の大動脈で、船番所も置かれる水運の拠点として賑わい、明治時代以降には紡績工場や造船所などが次々と建設され、臨海工業地帯の中核地域として発展しました。

明治43年（1910年）頃に始まった沖縄県出身者の移住により、現在の大正区は人口約8万人の内、1/4にあたる約2万人が沖縄県出身者いわれるほど、数多くの方々が居住していることから、親しみを込めて「リトル沖縄」や「沖縄タウン」と呼ばれています。

島状の三角州ゆえに隣接区とのスムーズな交通の確保は必須で、多くの連絡橋が架橋されるとともに、7ヵ所の渡船が「動く橋」として運航され、区民の日常の足として親しまれています。

今回訪れた泉尾一丁目は、大阪メトロ長堀鶴見緑地線とJR大阪環状線の大正駅の南西側一帯に広がる三軒家西地区の南側に隣接する町で、太平洋戦争時の空襲による焼失を免れたこともあって、新しく建てられたマンションや商業施設に混じって、卯建をあげた町家や防火用の袖壁のある町家などが点在する町並が展開しています。

エリア 大阪ベイエリア(大阪)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

泉尾一丁目にやって来ました。

では、ここから町歩きを始めます。

2階の腰壁に板材を使った町家です。

こちらの町家は、2階の窓に木製手すりが設けられています。

昭和レトロなモルタル壁の長屋です。

こちらの町家の2階の窓にも木製手すりが設けられています。

隣り合った町家同士で、白黒くっきり対比するかのように外壁が塗分けられています。

泉尾一丁目の町並みです。

防火用の袖壁を備えた長屋です。

部分的に手が入っているとはいえ、かつての面影ははっきり残っています。

大阪市水道局の汚水桝の蓋。

市の花「パンジー」がデザインされています。

2階の外壁にテラコッタのようなタイルを貼った長屋です。

外部とのコンタクトを遮断した町家です。

軒下部分を左官材で塗籠めた町家です。

大阪市下水道事業125周年の記念蓋です。

下水道事業125周年を迎えた令和3年にデザインを一般公募し、応募作309作品の中から選ばれたものだそうです。

観音開きの玄関戸を設けた町家です。

こちらは、泉尾六丁目にある一般財団法人の建物です。

こちらの法人は、経済的に困難なひとり親家庭の子女に対する育英基金の給付に関する事業などを行っておられます。

こちらの町家は、2階の窓は開いているにもかかわらず、玄関には板が打ち付けられているので、どうやら空き家のようですね。

泉尾一丁目の町並みです。

泉尾一丁目の町並みです。

こちらの四軒長屋には、軒下にブロック塀を積んで玄関前のスペースを生み出している住戸があります。

瓦葺きの本卯建をあげた町家があります。

その本卯建を境に住戸が分かれているようで、手前の住戸は名栗加工の外格子をめぐらせておられます。

二軒長屋の隣り合う住戸ですが、玄関の幅が違っています。

こちらのマンションの、面白いデザインの外階段が町並みの光景に変化をもたらせています。

こちらは幼稚園です。

外周のネットフェンスに園児が書いたとみられる絵が掲げられています。

もちろん、人気者のパネルも掲げられています。

印刷屋さんとおぼしき看板を上げた町家です。

こちらの町家の左手の開口部は、奥まった所にある建物に続く通路になっているようです。

この町家の奥に建物が続いているなんて、一見しただけでは想像できません。

この交差点は、北側にのびる「泉尾中一商店街」と、南側にのびる「泉尾商店街」の分岐点になります。

こちらは「大正湯」の看板をかかげた銭湯です。

こちらの銭湯は、創業以来70年以上にわたって営業されているそうです。

周辺にお住いの皆さんにとっては憩いの場なんでしょうね。

では、これで泉尾一丁目の町歩きを終わります。