2025/03/10 - 2025/03/10
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プロムナードさん
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2025年2月~3月のネパール→インド→パキスタンの旅を記録します。もうひとつのガンダーラを求めてペシャワールに到着した翌日です。
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毛布のにおいと羽虫の音のせいか、疲労と体調不良がピークのせいか、深夜に目が覚めて眠れない。このタイミングで、部屋のトイレの手動ウォシュレットが壊れていることも判明(つまりフィンガートイレしかない)。
現金の余裕はあるのだ。もうこんなところは嫌だ。そう思い、早朝そうそうにホテルを飛び出す。外は雨だ。 -
今日は遺跡を目指したかったが、雨では延期するしかない。しかしとにかくは宿だ。バックパック旅行は「宿がある」「宿がない」というふたつの状態のいずれかにあるが、「宿がない」状態の不安感はきつい。トイレや体調不良時にかけこめる場所がないということであり、なにより重いバックパックを背負い続けなければならない。さっきの宿で我慢してもよかったのでは……と一瞬思うが、策はある。
ペシャワールの幹線道路の真ん中につくられた専用路線を走るぴかぴかのバス、BRT(bus rapid transit)。調べたところによると、あれに乗れば新開発エリア(ユニバーシティ・タウン)へ行けるという。中級以上のホテルもそこに集中しているようだ。 -
BRTの駅らしいところへ入ってみると、チケットカウンターがある。どこまで乗っても60ルピー(約30円)らしい。リキシャなら市街地へ出るだけで200ルピーはとられるのでお得だし、なにより安心だ。
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デリーのメトロと同じく、荷物検査ゲートをくぐったあと発券されたQRコードを読み込ませて改札を通る。そして、この改札の向こうはひとびとの服装ががらりと変わる。
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このペシャワールのBRTは「ZU Bus System」と呼ばれ、Geminiの話によれば2020年に導入されたらしい。パキスタンでは(インドもそうだが)とにかく市街地の渋滞、騒音、排ガスが凄まじいのだが、その解消のための試みだという。できたばかりなのでぴかぴかなのもあり、テンションがあがる。
なお外国人としてこういう公共交通を利用するとき、サイネージの英語併記は実に助かる。 -
プラットフォームと車両の両方の扉が開くタイプなのも安心感がある。通勤時間帯だからかそれなりに混んでいる。
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車内のようす。身なりの整ったひとばかり。たとえばここには、昨夜ボロボロの軽トラを爆走させていたゲイリー・オールドマンの姿はない。
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BRTを降りたあとはGoogleマップを頼りに、「高級ホテルではないものの、それなりに清潔な中級ホテル」として事前に目星をつけておいた「hotel city view」を目指す。
体調不良に雨、そしてまた「外国人宿泊許可がないからだめ」と断られるのではないかという不安もあり、それなりにつらかったが、無事にチェックインできてほっとする。Wi-Fi、手動ウォシュレット、お湯(24時間!)、洗濯サービス、すべてクリアしている。さらに、何気ないことだが外の光の入る窓がある部屋というのはこの旅で初めてで、素晴らしい。 -
バスルーム。ロールペーパーがあること自体信じられない。お湯はややぬるめだが、夜の冷えるスワートと違ってペシャワールは暖かいので十分だ。
1泊7000ルピー→交渉して6000ルピー(約3000円)。現金の残高的にも絶妙のラインだ。安心したのですぐにシャワーを浴び、汗まみれの服を着替え、そのまま倒れるように眠る。 -
2時間ほどの浅い眠りから覚めて、じっと窓の向こうの街の喧騒を聞いていた。安心したせいか、かえって疲れが出たようで頭が重い。i iPhoneに入れたボカロ曲を聴きながら、なんでこんなところにいるんだろうと思う。
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旅の総仕上げとして明日訪れる予定だったペシャワール博物館へ向かう。BRTは、乗るたびに外の喧騒から隔離された世界だなと思う。
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博物館についたのは15時だったが、15時閉館とのこと。そんな……。やはり15年前のガイドブックを見ているからこうなる(ガイドブックには17時までオープンとある)。いや、それでも閉まるのさすがに早いのでは? 冬季営業か?
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しかたないので、入口に掲げられた「Welcome to the land of Gandhara」のバナーを撮影して帰る。
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せっかくなので、昨夜歩いたカイバル・バザールから旧市街を街歩きしようかと思うが……車、バイク、リキシャの大洪水で気力が萎える。博物館が閉まっていたショックもあり、全身の疲れがどっと出る。旅では毎日数キロ以上は歩くが、スワートの田舎と違って排ガスまみれの市街地ではきつい。しかもラマダーンなので毎日ほぼ朝昼抜きであり(ポテチをかじるくらいはするが)、貧血で倒れそうだ。
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とっととユニバーシティ・タウンへ戻る。ここにKFCがあることはGoogleマップで確認済みだ。果たしてラマダーンで営業しているのか……?
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営業中! さすが全世界フランチャイズだ。ここで体力回復といきたい。
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店内はガラガラ。なんほど、あくまで夜に食べる分のテイクアウトして営業している体らしい。ムスリムの国だものな。街なかでもサモサやパン、果物は堂々と売られているのと同じだ。
だが、私はムスリムではない。旅人だし、もう限界なのだ。ジェスチャーでイートインしたいと伝えると、苦笑されたのち、まあいいよいわれる。ひと目で異教徒であることはわかるから特例なのだろう。申し訳ない。 -
インド~パキスタンの濃い油料理がそろそろしんどいので、世界共通の味はたいへんありがたい。過去のバックパック旅行でも、疲労の蓄積する旅の終盤に日本料理店やフランチャイズのお店に駆け込むのは定番だった。セットで980ルピー(約490円)。
だれもいない2階でこっそりと食べる。はじめは窓際に座ったが、「あの、目立つのまずいんで……」と席を変えるよう頼まれた。これはこちらが悪い。ラマダーンは強制ではないが、食べるならこそっとだ。多少の後ろめたさとともに、久しぶりに胃腸の驚かないものが得られた。 -
帰路、大人も子供も遊ぶ賑やかな公園的スペースでぼんやりしていた。旧市街とか新開発区とかもうどうでもよく、私はこういうのんびりした空間だけを歩きたい。
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ホテルで休んでから、晩ごはんを食べに出かける。やはりこの一帯は新しい区画らしく、昨夜の旧市街とは並んでいる店が違う。お菓子屋さんひとつみても、海外のチョコレート菓子なんかが地元相場の20倍くらいの価格で売ってたりする。
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Googleマップで良さそうな店を探す。夕方KFCを食べているので、量はいらない。ということでやって来たのがCafe Crunch。空いているが、客層がローカル店とまったく違う。なるほど、やはりこういうお店はこのエリアにあるんだな。テラス席からは煙草ではない草のにおいが立ち込めているし、ヒジャブをしない女性と男性のカップルもいるし(パキスタンでヒジャブをしない成人女性ははじめてみた)、仕事の話をしながらナイフとフォークでステーキを食べるビジネスマンがいたりする(インドやパキスタンでは基本的に料理は手で食べる)。
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濃い味は避けたかったので、バーテンダーのひとに拙い英語で「スパイシーでない」「ナチュラルな味のもの」などと伝えて出てきたのがこのトマト&バジルスープ。これがまた濃厚、というよりレシピの塩を間違えて倍入れたのかという味わいなのだが、それでも地元料理よりは胃腸に優しい気がする。インドやパキスタンでは、とにかく濃い味が好まれるのだろう。
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続いてアイスクリーム。ヴァニラアイスだけ、なにも加えないで、と頼んだもののそうはいかなかったらしい。それでも食べ慣れた味に近くてほっとする。このあとパッションフルーツ・レモネードを飲んで帰る。合計1250ルピー(約625円)。覚悟したほどの価格ではなくてよかった。
なお、これは言い訳ではないが、ラマダーンでは(お菓子をつまむことがあるとはいえ)実質的に1日1食になるので、その1食でできるだけカロリーをとっておかなければ動けなくなるのだ。明日、最後のガンダーラ遺跡へ向かうので体力は必要だ。それも、できるだけ胃腸が取り込みやすいかたちで。明日朝の回復を願う。
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