
2022/12/30 - 2022/12/30
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ちふゆさん
2022年12月30日(金)朝の10時半、近鉄東花園駅から真っ直ぐ北に向かうスクラムロード花園でラグビー場へ向かう。2012年に公募により愛称が決定された道。ラグビーといえば「スクラム」、ラグビーワールドカップ花園誘致に向け、市民、企業、市役所がスクラムを組んで進めていこうという熱い想いを込めて命名された。
400mほどの道路だが、街灯に全国高等学校ラグビーフットボール大会の歴代優勝校のユニフォームのイラストが描かれた丸型の看板が設置されていて、気分を盛り上げる。
5分ほど歩くと東大阪市花園ラグビー場がある花園中央公園に到着。花園中央公園は東大阪市が運営する1987年開園の都市公園。元々は花園ラグビー運動場(近鉄花園ラグビー場)とそれに隣接する大阪外国語大学の花園運動場だった。
大阪外国語大学は外国語教育とその地域文化研究を主体とした人文・社会科学の国立大学で、1921年(大正10年)に大阪市の上本町に大阪外国語学校として創立、戦後の1949年に大阪外国語大学となる。外国語学部のみを置く国立大学は東京外国語大学と大阪外国語大学しかなかった。
この地に花園運動場を新設したのは1937年(昭和12年)。しかし、1979年の大学の箕面市移転に伴い運動場は東大阪市に払い下げられ、公園として整備された。なお、大阪外国語大学は2007年に大阪大学と統合して消滅した。卒業生としては作家の司馬遼太郎(23年生れ、モンゴル語専攻)、陳舜臣(24年生れ、ヒンディー語とペルシア語専攻)や歌手の木山裕策(68年生れ、スペイン語専攻)らがいる、
花園ラグビー場は1929年(昭和4年)に現在の近鉄の前身の大阪電気軌道によって日本初となるラグビー専用競技場、花園ラグビー運動場として開場。長年にわたり近鉄が所有し、1982年からは近鉄花園ラグビー場と称していたが、2015年からは東大阪市が所有して運営している。
スクラムロード花園を北に歩くとそのまま花園中央公園に入る。まずは右手にラグビーの森がある。ラグビーワールドカップ2019の会場となることが決まったことを記念して、2017年末に東大阪ライオンズクラブが寄贈したラグビーボールをイメージしたモニュメント「鉄のボール」が建ち、奥には高校ラグビー歴代優勝校碑があり、各大会の優勝校名と校章が飾られている(下の写真1)。
ラグビーの森と道を挟んで建つのは1997年に開館した東大阪市民美術センター(下の写真2)。絵画や書道など各種団体による展覧会のほか、優れた芸術作品の紹介を中心にした特別展示、創作の手掛かりとなる講座等も開催している。
正面奥の第1グラウンドの前の広場は両サイドに噴水のある噴水公園となっていて、中央部には「対話する石たち」と名付けられた石のモニュメントが置かれている。ラグビー発祥の国であるイギリスのストーンヘンジをモチーフに、人々が集い、語らう憩いの広場の象徴として1994年に設置された。
メインの第1グラウンド(花園ラグビー場)は最後に寄るので、まずは噴水公園の右手の多目的球技広場、通称トライスタジアムへ。日本陸上競技連盟の第3種公認陸上競技場で、東大阪市花園ラグビー場第3グラウンドとも呼ばれる。この日も高校ラグビーのの試合が行われていた。
12時過ぎ、トライスタジアムの試合を観戦した後、公園の東側を散策する。トライスタジアムの北側は多目的芝生広場で周辺に健康遊具が設置されており、普段は柔らかいボールを使った球技もできるのだが、この日は駐車場と化していた。
その東には東大阪市立児童文化スポーツセンター「ドリーム21」。科学・文化・スポーツを通じて人間性豊かな子どもの育成を図ることを目的とした施設で、探検ひろば(科学展示室)や宇宙ひろば(プラネタリウム)、のびのびひろば(スポーツホール)がある。
ドリーム21の東側は桜並木が広がっており、春には見事な光景を見せる。この桜並木の南側、道を挟んで近鉄の東花園検車区がある(下の写真3)。奈良線および京都線、けいはんな線で使用する一般車両の他、名阪特急や観光特急「あをによし」の基地となっており、マニアの方にはたまらないかも。
ドリーム21の北側には、花園ラグビー場のスタンドを望める風望の丘や子ども向けのコンビネーション遊具が多く置かれたラガーステーション花園かるふぉがある。
「かるふぉ」は東大阪市が米国カルフォルニア(California)州グレンデール(Glendale)と姉妹都市であることから来ており、風望の丘とラガーステーションの間にはグレンデール市の碑がある。グレンデール市はロサンゼルス中心部の北15kmに位置している。
ラガーステーションの北側には一段低くなったところに池が広がるが、これは花園多目的遊水地で、普段は緑地公園だが、公園の東側を南から北に流れる恩智川の大幅な増水時には、一時的に貯水する調整池としての機能を有している。最大の貯水容量は32万立方m。
この遊水地は、14haあるが、中に仕切堤と呼ばれる堤防を設け、3つのゾーンに分割されており、池がある部分がAゾーンで、3.4haある。Bゾーンがこの日は駐車場として使われてた多目的芝生広場で5.6haある。さらに大会の第3グラウンドとして使われてたトライスタジアムと多目的芝生広場に北側にある花園セントラルスタジアムがCゾーンで、それぞれ1.9haと3.2haある。増水の程度に応じてA、B、Cと使っていくってことね。
さらにだが、実際に見た訳ではないが、メインスタジアムの東側の地下には松原南調節池がある。大雨の時は、恩智川のもう少し上流、東花園駅の南側にある新池島ポンプ場内の取水施設から送水された水が、この地下に貯められる。貯水容量は花園多目的遊水地の約1/10の3万3千立方m。
緊急時に遊水地となる花園セントラルスタジアムだが、2006年開場。収容人員1600人、両翼97m、中堅120mの天然芝球場。元々は内野も芝だったが、今は土。大阪近鉄バファローズの練習場やファームの本拠地として考えられたが、球団消滅で実現しなかった。
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野球場と多目的芝生広場の西側が東大阪市花園ラグビー場。上に書いたように2015年までは近鉄が所有していた。日本初となるラグビー専用競技場だが、現在はサッカーのF,C,大阪(2024年シーズンはJ3所属)の本拠地でもある。
戦時中は花園練成場としてパイロットの初等訓練施設になり、メインスタンド上屋は軍需物資として供出するため撤去された。また戦争末期には食料増産のため農場となった。戦後、1949年までは進駐軍に接収されていた。
1953年には第1グラウンドでゴルフの打ち放しが営業を開始し、その周りを囲むようのショートコースが造られた。打ち放しは1991年まで、ショートコースは1998年まで営業。1963年から全国高等学校ラグビーフットボール大会に使用されるようになり、以後定着した。
1979年に第1グラウンドのバックスタンドをコンクリート製に改造。1982年には甲斐バンドが戸外ライブを行う。1991年、第1グラウンドのメインスタンドを改修し、収容人数が約3万人となる。
2015年に東大阪市に第1グランド・第2グランドの所有権を譲渡。2019年9月20日にラグビーワールドカップ2019が開幕、プールステージの4試合が開催された。イタリア47-22ナミビア(19/9/22)、アルゼンチン28-12トンガ(19/9/28)、フィジー45-10ジョージア(29/10/3)、トンガ31-19米国(19/10/13)。
初戦が行われた9月22日は東大阪市の花園ラグビーの日にに制定された。第1グランドの南スタンド(正面入口)の左手には、この制定を記念して2020年に建てられた花園ラグビーの日制定記念モニュメントがる。
ラグビー場には第1・2グラウンドと練習用グラウンド、ウィルチェアースポーツコートで構成されている。
第1グラウンドはメインスタジアムで、一般的に花園ラグビー場はこのグラウンドを指す。ラグビーの聖地とも言われるイングランドのトゥイッケナム(Twickenham)スタジアムを参考にして作られた。1991年完成。2018年に大規模改修され、27346人収容。
西側のメインスタンドは鉄筋コンクリート構造の地上5階建て。全面屋根架設で、正面に生駒山を臨む。バックスタンド、南北サイドスタンドには屋根はなし。2018年の改修時に新設された北側サイドスタンドの上にパナソニック製の710インチの大型ビジョンが設置されている。南スタンドの1階にはラグビーミュージアムがある。
第1グラウンドの北側、北サイドスタンドの裏に第2グラウンド。花園近鉄ライナーズの練習グラウンドで、練習用にナイター照明設備が用意されている。収容人員約1300人の簡易型観客席が設置されているが高さが4段と低いのでフィールド全体は見づらい。
2019年に、現在J3のFC大阪が資金を拠出してホームスタジアムにするために5000人収容規模に改修し、市に寄付する方針が示されたが、全く進んでおらず、FC大阪は第1グラウンドを使用している。
第2グラウンドの南側、第1グラウンドの東に練習グラウンド。ゴールポストも設置され、若干インゴールが短いながら、一応フルコートのフィールドになっているが、ウォームアップ用の練習場として使われている。
練習グラウンドの南にウィルチェアースポーツコート。パラリンピック正式種目である車いすラグビー、車いすテニス、車いすバスケットボール、ボッチャや車椅子ソフトボール、車椅子ハンドボールなど車いすを使用したスポーツを楽しめる施設。2020年に東大阪市がオープンさせた。
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3時半くらいまでこれらの第1、2グラウンドと第3グラウンドのトライスタジアムで第102回全国高等学校ラグビーフットボール大会の2回戦を観戦したが、簡単に記す。
最初はトライスタジアムでの尾道(広島)と常翔学園(大阪第1)の試合。常翔学園が前半リードするが、後半28分に尾道が逆転して31-30で競り勝つ
次に見たのは第2グラウンドでの茗溪学園(茨城)と国学院栃木(栃木)。国学院栃木のワンサイドゲームで43-12。続いて第1グラウンドで東海大大阪仰星(大阪第3)と大分東明(大分)。前半29分までは1ゴール差だったが、以後は東海大大阪仰星の一方的なゲームだった。42-7。
トライスタジアムに戻り、天理(奈良)と青森山田(青森)。後半27分から青森山田が追い上げるが結局29-15で天理。続く昌平(埼玉)と京都成章(京都)は後半14分からようやく昌平の反撃が実るが、最終的に40-12で京都成章。
最後、大阪桐蔭(大阪第2)と目黒学院(東京第2)を第1グラウンドで。大阪桐蔭の一方的な試合で、後半31分に目黒学院がようやく1ゴールを返し、41-7。
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3時半頃、観戦を終了し帰宅する。なお、この大会は最終的に東福岡(福岡)が報徳学園(兵庫)を下して優勝した。この日勝った天理(奈良)と京都成章(京都)は準決勝で敗れ、大阪桐蔭(大阪第2)と東海大大阪仰星(大阪第3)は準々決勝で敗れ、尾道(広島)と国学院栃木(栃木)は3回戦で敗れた。
以上
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