梅雨の南東北を巡る　③山形県　上杉神社・上杉伯爵邸

2024/05/30 - 2024/07/03

7月1日

五色沼から北上して米沢へ。

午前中の福島県が雨のち曇りだったので午後の山形県の快晴には驚きました。

上杉神社境内に大河ドラマ｢天地人」の景勝と兼続の銅像を見たとき妻夫木聡を思い出しました。　　

初めてドラマと風土が一致した感じ。

表紙は伯爵邸にあった紅花（ドライフラワー）。

エリア 米沢(山形)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 観光バス
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）
• 利用旅行会社: 阪急交通社

参道にあったマンホールの蓋。

シャクナゲの文様。

上杉神社の御祭神は戦国時代・越後の武将上杉謙信公。

関ケ原合戦で敗れた上杉家は、それまでの会津120万石から米沢30万石に大減封となり上杉景勝が米沢藩主になって謙信の御霊もこの地に祀られることに。極力藩士を切り捨てない方針を採ったため、石高に比べて藩士の数が多く、そのため藩財政も窮乏することになりました。

上杉神社拝殿。

上杉神社の境内は旧米沢城址本丸跡でその６割を占め、およそ6300坪です。

その後3代藩主が急死したため本来御家取り潰しとなるところ、末期養子が認められる代わりに石高を半分召し上げとなり、15万石となります。その末期養子が綱憲で、忠臣蔵でおなじみの吉良上野介の実子です。

江戸時代の上杉鷹山（ようざん）は米沢藩政改革を行った名君として知られています。

鷹山が藩主となる明和4年(1767)頃には、藩の借金は20万両(現在のおよそ200億円)にまで達していました。

鷹山の3つの改革「財政再建」「産業振興」「心の改革」

心の改革「自分は藩のために何ができるか」という意識を育てるために鷹山は自ら先頭に立って質素倹約の生活を貫き、また領内を足繁くまわって領民と言葉を交わし、信頼関係を築いたといわれます。

こうして米沢藩は鷹山の次の藩主の代に、途方もない借金を完済することができました。

ケネディー大統領が「日本人でもっとも尊敬する人は？」の質問に名を挙げた人物としても有名です。この質問をした日本人記者団のうち誰一人鷹山のことを知らなかったとか。

もう一つの金言が「受けつぎて国の司の身となれば忘るまじきは民の父母」

松岬（まつがさき）神社

1902年（明治35）、上杉神社から上杉鷹山公を分祀して、米沢城の別称・松岬城に由来する社号を「松岬神社」としました。

そしてここは伊達政宗生誕の地でもあるのです。

1923年（大正12）に米沢藩初代藩主である景勝公を合祀、1938年（昭和13）には景勝公の重臣である直江兼続と、鷹山公の師・細井平洲先生、鷹山公の藩政改革を補佐した功臣・竹俣当綱、莅戸善政を合祀し、祭神は六柱となりました。

大河ドラマ｢天地人」で一躍有名になった景勝と兼続の像。

上杉神社見学のあとは上杉14代茂憲伯爵邸へ。

元米沢城二の丸跡に建てられました。

かつては鶴鳴館と称され皇族の御宿所となった建物です。

ここでお昼・献膳料理をいただきます。

枯山水の中庭。

献膳料理とはお殿様にお出しするにふさわしいという意味を込めたもの。

米沢地方の伝統料理とハレの日に出される料理。

鯉のことこと煮。

鯉の甘煮、骨まで食べられるように煮込んであります。うまみが凝縮していました。

米沢牛の芋煮。

里芋、こんにゃく、牛肉、ゴボウ、豆腐。美味しくないはずがない。

丘ひじきの辛子醤油和え。

季節の冷や汁。

米沢の冠婚葬祭に必ず出される冷や汁。

ホタテの貝柱と干し椎茸でとっただし汁に季節の野菜を合わせます。

塩引き寿司。

鮭の塩引きを使った押し寿司。紅白であることからハレの日には必ず出される郷土の祝い寿司です。

うこぎご飯。

とげのある低木の植物。直江兼続公や上杉鷹山公が垣根として整備させた、新芽は食用となる。米沢の人たちにとっては春の新芽を天ぷらや切り和えにして食べるのが何よりの楽しみです。

おみ漬け。

近江商人が最上川をさかのぼり紅花を買い付けに来たときにこの漬物を伝えていったという。近江商人の漬物。転じておうみずけ・おみずけ。

菊のお味噌汁。

米沢名産、食用菊を使った味噌汁。

食用菊はは松尾芭蕉も愛したと言われています。

デザート

果物王国山形、ブドウを寒天にしたもの。

食事をした人は2階も見学することができます。

階段部分の天井。

２階から庭園を望む。ガラス越し撮影。

庭園入り口。

庭園から見た伯爵邸。

蓮池のある庭園は東京浜離宮に倣って造園したそうです。

公園にこんな碑がありました。