2026/01/23 - 2026/01/26
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ondine24さん
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中国人作家 ハン・スーインが
青春の日を送った香港。
彼女の足跡を辿った 一人旅 4日間の記録。
-
不惑を過ぎる事、幾星霜。
人生の最終章に差し掛かるも、未だに迷ってばかりの日々。
自分の努力ではどうにもならない悩みに翻弄されて、いつも必死にもがいてる私。 -
自分の生き方を見つめ直したい…
そんな思いに駆られ、 -
または、
ある種の 「天啓」 の様なものを求め、 -
2026年1月23日
真冬の凍てつく早朝、
私は一人 羽田空港 第3ターミナルに向かった。 -
作家 ハン・スーイン。
本名は 周光瑚 (チョウ クァンフー) -
1917年9月12日
辛亥革命の興奮覚めやらぬ、世情騒然たる時代にあなたはこの世に生を受けた。
混迷の時代を、
揺るぎない意志と使命感を持って力強く生きた人
ハン・スーインの足跡を辿り、
彼女が若き情熱を傾けた地・香港を巡ることにした。 -
医師として、そして作家・歴史家として
多くの著述を残した。
ハリウッド映画「慕情」のヒロインとしても、その名は広く世に知られている。
原作の題名は「愛の光にきらめくもの」
これは、物語に舞台を借りた、自伝的歴史小説なのである。 -
父親・周彦同は中国・四川省 客家の一族。
母親・マルグリットはベルギーの裕福な家庭の出身。
2人は、彦同が鉄道技術を学ぶべく留学したブリュセルで出逢い、たちまち恋に落ちた。 -
彼等の娘・スーインは、所謂〝 ユーラシアン ”
欧亜の混血児だった。
とは言え、彼女の精神は生粋の中国人そのもの。
祖国・中国に尽くす事こそが、彼女の生きる道だった。 -
日本航空 29便 羽田発香港行は
午前9時40分、定刻よりやや遅れて
第3ターミナル149番ゲートから 滑らかに飛び立った。 -
現地時間 午後1時50分、香港国際空港 到着
ここ香港は、太平洋戦争中の日本占領時代を挟んで、150年余の長きに渡りイギリスに統治され、現在は中華人民共和国の特別行政区となっている。
空は生憎の 曇天。
遠くの山々も、
その稜線が灰色に霞んで見えるのみ。
そして私は、未知の土地・香港に
初めての一歩を踏み入れた。 -
スーインは 16歳で難関燕京大学(北京大学の前身)に合格し、医学コース予科で優秀な成績を納めた。
2年目に奨学金を得て、ベルギーのブリュッセル自由大学医学部に入学するためヨーロッパに渡った。 -
私は入国後直ぐに
交通系ICカード オクトパスカードを手に入れ、案内板に従って出口に進んだ。
ここは日本と同じ 東アジアの国。
自分とよく似た顔付きの人々が、バスターミナルへと繋がるコンコースをせわしなく行き交う。 -
A21番系統のバスは、
大嶼島の山裾をすり抜け、海峡の大橋を渡って進む。
見慣れない景色をぼんやり眺めていると、
いつの間にか、これまで見たことも無い様な細長いマンションの密集する都市部へと導かれて行った。
50分余りで九龍半島・尖沙咀に到着。 -
九龍・カオルーン。
我々日本人は「クーロン」と発する。
口にしただけでノスタルジーを呼び起こす、
甘美なその響き… -
地元の人々や世界各地からの訪問者、途切れる事のない車の波、丈高く林立するビル群、色鮮やかな商品を陳列する小売店…
街中が喧騒で溢れてる。
大通りに、或いは路地のあちらこちらに、間口の狭く奥行きの深い店舗が軒を並べている。
小さな茶餐廳では、濃厚で味わい深い土地の食べ物が、温かい湯気を立ててテーブルに供される。 -
3泊4日の短い滞在は、島の中間地区 湾仔に宿をとった。
今回、初めて Air bnb を利用してみた。
ヘネシー通りに面する、東亞大樓。
このビルの4階にフラットを持っている女性の家だった。 -
何事もチャレンジ すべし と思い試してみたけれど、、、
まさか隣の部屋に寝泊まりしている この家のハイティーンの男の子と、バスルームをシェアするハメになるとは…
別の部屋には、海外に留学していて香港に一時帰国中の感じの良い女の子が宿泊していた。 -
荷解き後に早速向かった、宿から徒歩10分程の
湾仔Water Front。
夕闇迫る、海沿いのプロムナードを 1人そぞろ歩けば、 -
湾を挟んだ向こう側に、 九龍半島の先端部分が視界いっぱいに広がる。
-
日中戦争 真っ只中の1938年
スーインの両親は日本軍占領下の天津にいた。
既に上海は占領され、南京も陥ちていた。
その様な中、祖国の危急に役立とうと医学の勉強を諦め帰国の決意をする。
それは大学の卒業試験に最優秀で合格し、5年分の奨学金が決まった直後、満21歳の時だった。 -
帰国の船中で、蒋介石配下の青年将校・唐宝璜(タン・パオファン)と出逢う。
宝璜から激しく求愛されると、
彼の愛国心と端正な姿に惹かれて結婚を決意。
しかしこの結婚は、夫の封建的な絶対服従の強要によって、スーインに耐え難い精神的苦痛を負わせることとなった。 -
2人は日本軍の激しい爆撃下、陸路 重慶に辿り着く。
重慶に落ち着くと、スーインは成都間を往復しながら、看護婦や助産婦として働いた。
国共工作で重慶に来ていた 周恩来の街頭演説を聞いて、密かに感銘を受けたのはこの頃のこと。 -
1941年12月に日本軍が真珠湾を攻撃して太平洋戦争が始まると、夫・宝璜は イギリスの駐在武官としてロンドンへ赴任。
スーインも養女・永梅を連れてあとを追う。 -
ロンドンでは外交官夫人として、また改めて医学の道に進んだ学生として、忙しくも充実した日々を送った。
-
ところが、
第二次世界大戦終結を経て、祖国中国の国共内戦が激化すると、国民党の軍人として満州に赴いた夫が戦死してしまう。
しかしスーインは帰国せずロンドンで勉強を続け、やがて医師開業免許を取得する。 -
そして1949年 共産党が勝利し、新体制が成立すると、スーインは、香港行きを決意する。
ユーラシアンであり共産主義者ではない彼女にとって、新生中国に暮らすことは難しくても、せめて生まれ変わった国の近くでその息吹を感じたい、そんな思いがあったのだ。
物語は、ここから始まる。 -
スーインが暮らした 香港島。
彼女が生きた頃の名残を求め、明日から各地を巡る 小さな旅 に出る。
夜、
慣れない 堅いベッドに、疲れた身体をそっと横たえた。
しばらくまんじりともせず思いを巡らせていたが、程なく深い眠りに落ちていった…、 -
2日目。
小さな窓から差し込んだ、微かな光で目が覚めた。
昨日の海辺の公園を、再び訪問。
初夏の様な爽やかな空気に、心が一気に解き放たれる。
今日一日の計画を思い描きながら、一時間程の散歩を楽しんだ。 -
帰りがけに寄った、四つ角のカフェ Pacific coffee
-
英語の発音が拙くて、オーダーをしくじった私に、店の女の子はとても優しかった。
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私が日本からだと知ると、
「Welcome to Hong Kong!」と言いながら、入れ替えてくれたコーヒーをニッコリ差し出した。
旅先での人の優しさは、じんわり身に染みる。 -
先ずは島の南側 香港仔(アバディーン)を目指して、
バスに乗る。 -
1949年初夏 スーインが香港に来て間もなく知り合った オーストラリア人 イーアン・モリソンは、
ケンブリッジ大学を卒業後、1935年に来日し北海道大学で3年間英語講師を務めた後、在日英国大使館員となり、更にロンドン・タイムズの特派員として香港にやって来た人だった。 -
島の中腹を走る コンディット・ロードには、
当時、広いヴェランダと高い天井を持つ瀟酒な石造りの邸宅が立ち並んでいた。
その一画にあったスーインの医者仲間の自宅パーティーで、2人は運命的に出逢ったのだ。
パーティーの翌日、早速イーアンから夕食に誘う手紙が届いた。
忙しい2人は滅多に会うことは叶わなかったが、彼はスーインに毎日のように便りを寄越した。
多い時は、日に2度も、3度も… -
後に親密になった2人が
車でドライブしたり、仲間たちと海辺で遊んだりしたのが、ここアバディーンだった。 -
当時は小さな漁船が所狭しとひしめき合う、漁師と水上生活者の村だったのだろう。
映画「燃えよドラゴン」のロケ地としても印象深い場所。 -
柔らかな陽光に包まれ、
のどかな時間が流れる水のほとり。 -
籠に溢れんばかりの収穫で、
満足げにお茶を飲むお爺さん。 -
働き者の女達も、木陰でちょっとひと休み。
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次に向かったのは、
小さな浜辺の保養地 レパルス・ベイ(浅水湾)。
映画では、
浜辺でスーインと恋人のマーク(イーアン・モリソンがモデル)が、水着に着替えて泳ぐ場面が描かれていた。 -
湾に向かって建つこの建物。
レストランやブティック、マンションなどの複合施設
The Repuls Bay Complex -
この場所にはかつて、
1920年に建てられたThe Repulsbay Hotel
が優雅な姿で鎮座していた。 -
欧米の富裕層が集う、華やかな社交の場だった。
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西側の入り口から通路を抜けると、明るいパティオが開けている。
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2階につながるこのエレガントな螺旋階段を登った先が
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レストラン
The Velandah -
ザ・ペニンシュラホテルが運営する、
アフタヌーンティーが人気のレストラン。 -
スタンドに盛り付けられた可愛らしいケーキや、フィンガーサンドウィッチ等のセイボリー、ポットにたっぷりのお茶と共に過ごす、
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心踊るひと時。
-
ここには昔と変わらない、優雅で豊潤な時間が流れている。
-
午後の陽が西に傾き始めた頃、
名残を惜しみつつ、帰途についた。 -
続きは次の旅行記で…
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