２０２４年早春、まだ肌寒いソウル、仁川で日本統治時代の建物を巡る　１．ソウル駅から南山公園周辺を歩く

2024/03/11 - 2024/03/11

昨年の秋に台湾に行って日本統治時代の建物を見学した。台湾や中国本土には日本統治時代の建物が結構の残っていて、現在も使われている。韓国に最初に行った時には朝鮮総督府の建物があったが、２回目に行った時にはなくなっていた。韓国には日本統治時代の建物は残っていないのかと思って、韓国に行くことにした。今回も日本の近代史のブログのための写真を撮るのが大きな目的である。見逃しを少なくするために事前に調べて、日本統治時代の建物を探しながら写真を撮った。今回の韓国旅行は三泊四日と期間が短いのでできるだけ安く旅することにした。
３月１１日（月）ピーチ航空の昼便でソウルへ。午後、仁川国際空港に到着、空港鉄道A'REXでソウル駅へ。ソウル駅から南山公園公園周辺の戦前の建物散策をした。前の旅行で使い残した現地通貨があったが、クレジットカードが使える店で夕食。夕食を終えて、ソウル駅近くのホテルだったが、迷いながら何とか到着してチェックイン。

エリア ソウル(韓国)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.0
• グルメ: 4.5
• 交通: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: 鉄道 徒歩 飛行機
• 航空会社: ピーチ航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

３月１１日（月）午前１１時前に関西空港駅に到着。シャトルバスで第２ターミナルに行き軽く食事をして、午後１２時３０分発のピーチ航空の飛行機の出発を待つ。

関西国際空港第二ターミナル 空港

午後２時３０分に仁川国際空港に到着。空港内のモノレールで到着ロビーに移動。入国審査に１時間近くかかり、空港鉄道A'REXの乗り場に向かう。直通列車と一般列車は乗り場が違うので、一般列車の乗り場に行き地下鉄やバスで使えるICカードのT-ｍoneyを購入。１回乗車券だと保証金５００ウォンを毎回払い戻すのが面倒なのでカードにした。自動販売機には日本語で説明してくれる案内の人がいるので安心。

仁川国際空港駅 駅

カードを自動改札機にタッチしてホームに向かう。インターネットではカード料金は２５００ウォンだったが、５０００ウォンに値上がりしていた。直通列車は座席予約が必要だし本数が少ないので、料金も安い一般列車にした。車内のパネルにどの駅に到着したか日本語の表記とアナウンスがある。午後３時２９分発の列車に乗車。54

空港鉄道 A'REX 鉄道系（地下鉄・モノレールなど）

午後４時５４分にソウル駅に到着。空港鉄道A'REXのソウル駅を出て地下の構内を歩いていると階段にはスーツケースを自動で運搬できる機械が設置されていた。駅の地下街は広くて、なかなか地上に出ることができない。慣れると簡単なのだが、慣れるまでは結構大変だった。

地下鉄ソウル駅 駅

何とか地上に出ると、目の前に美しいソウル駅が見える。現在の赤レンガのソウル駅舎は塚本靖の設計によって１９２５年に竣工した。ルツェルン駅を手本としたいわれており、戦前の日本統治時代の駅舎としては東京駅に次ぐ規模のものとなった。ここを出発点に散策を開始した。Googleマップを頼りに西に向かって歩く。

国鉄ソウル駅 駅

トェゲロという道からソウォルロ、ソバロを歩いて行くと写真の「南山公園」の表示が見えてくる。さらに進むと大階段があり、階段を上ると安重根義士記念館がある。この階段は「サムスンの階段」と呼ばれ、韓国ドラマ『私の名前はキム・サムスン』の舞台になった場所のようだ。

南山公園 広場・公園

階段の上にはソウル日本軍“慰安婦”被害者追悼碑が建っている。案内板には「この記念碑は、１９３１年から１９４５年まで日本軍によって性奴隷にされ、『慰安婦』とよばれ…これらの女性たちの記憶のために捧げられており、世界中での性暴力や性的人身売買を根絶するために建てられたものです」と記されている。

南山公園 広場・公園

少し歩くと漢陽都城遺跡がある、「２０１３～２０１４年の発掘調査を通じて現れた漢陽都城を見ることができる。漢陽都城は１３９６年に築造した朝鮮王朝の都を囲む城郭で、この場所は南西側の区間あたる。現在、発掘当時の城壁の姿がそのまま展示されており、日帝強占期に建てられた朝鮮神宮の拝殿跡や防空壕、１９６９年に設けられた噴水も観覧できる」と説明されている。

南山公園 広場・公園

長い朝鮮王朝の歴史の中で、何度か、補修されていた。石垣の下方に見える不規則な区画が１４世紀、上方の隙間が少なく綺麗に並んでいるのが１８世紀に積まれたもの。城壁を補修するときの基礎を支える柱の跡も出土し、展示用の一部を残して埋め戻して保存している。

南山公園 広場・公園

この公園には安重根義士銅像が建っている。中国・ハルビンで伊藤博文を暗殺してから１０１年目の２０１０年１０月２６日、安重根義士記念館の新装オープンにあわせて安重根銅像の除幕式が行われた。青銅製の高さ７．３５ｍ。太極旗を右手で広げ、薬指が欠けた左手を前に突き出している。太極旗には、左手の薬指を切断した血で書いたとされる「大韓独立」の文字が刻まれている。

南山公園 広場・公園

銅像の周辺には安重根が残した言葉が記された石碑が設置されている。「見利思我見危授命」と書かれていて、利益になることがあれば義理を考え、危険を見れば命を投げ出して事にあたるということだそうだ。

南山公園 広場・公園

安重根義士記念館は１９７０年に建てられたが、国の支援金と有志の募金などにより旧館があった敷地のすぐ裏に半透明のボックスが連なるような形で建物を拡張し、安重根没後１００年の２０１０年に再オープンした。以前来た時に入っているので、今回はパスした。

安重根義士記念館 博物館・美術館・ギャラリー

漢陽都城遺跡の横の道を少し歩くと、朝鮮神宮拝殿跡がある。１９１９年に天照大神と明治天皇を祭神とする朝鮮神社創立の内閣告示が出され工事が進められた。１９２０年、南山の頂の御用地に６年かけて竣工した。石階段の表参道の他、東西に２つの参道があり、伊東忠太設計の正殿、神庫、祝詞舎、瑞垣門、勅使殿、手水舎、社務所等があった

南山公園 広場・公園

朝鮮神宮拝殿跡の前の案内板には「これは１９２５年に日本皇帝によって建てられた朝鮮神宮の１５の建物の１つで、一般の参拝者が利用する拝殿の基礎構造です。今、朝鮮神宮の痕跡を見ることができる唯一の場所です。建設中、南山山麓の城壁のかなりの部分が取り壊された」と記されている。

南山公園 広場・公園

さらに坂道を上がると防空壕跡がある。案内板には「これは防空壕の入口で日本植民地期に造られたものと思われる。防空壕は敵による空襲を避けるために建てられた。これらは防空法施行令に従ってソウルの至る所に造られた」と記されている。

南山公園 広場・公園

防空壕を覗くと地下に下りる階段がある。案内版には「防空壕の内部には階段を下りて行くと３３㎡の部屋がある。その部屋から反対方向に伸びる廊下が途中から崩れ落ちている」と記されている。

南山公園 広場・公園

公園内を散策していると、夕暮れのソウルの町が美しく見えた。南山公園を降りてソバロを歩く。

南山公園 広場・公園

ソバロを東に歩くとリラ小学校の門が見えてくる。奥にはリラアート高等学校や南山院がある。この場所は南山公園の中腹で倭城台と呼ばれていた地域で、統監府庁舎があった。朝鮮総督府庁舎完成後は恩賜科学館として使われ、現在はソウル・アニメーション・センターがある。また、崇義女子大学校には京城神社があった。近くには乃木神社もあった。

ソウルアニメーションセンター 博物館・美術館・ギャラリー

ソロバ４ギルを歩くと慰安婦被害者のための「記憶の場」という記念公園がある。公園には「統監官邸跡」の石碑がある。「日帝侵略期の統監官邸があった所で、１９１０年８月２２日に第３代統監寺内正毅と首相代理李完用が韓国併合条約を結んだ京畿国恥の現場」と書かれている。京畿国恥は京畿年に起きた恥辱の意味で、石碑は京畿国恥１００年を迎えた２０１０年８月２９日に民族問題研究所が建立した。

「統監官邸跡」石碑の隣に「逆に立てた銅像」石碑がある。石碑の裏にはの説明板があり、「駐韓日本公使として赴任した林権助は、高宗皇帝及び大臣達を脅迫し、乙巳条約を強要するなど、併呑の足がかりを作った人物として知られる。」と記されている。

さらに「当時の大日本帝国は、その功績によって林に男爵位を与え、大韓帝国が国恥を受けた場所である韓国統監官邸に銅像を建てた。銅像の名は、男爵林権助君像であった。光復７０周年を迎え、散らばった銅像の残骸を集めて逆さに立てて恥辱の戒めとする」と記されている

１９０５年の第二次日韓協約によって大韓帝国の外交権を奪い保護国として統治するための機関として統監府が設置された。説明板には当時の統監官邸や林権助像の写真が見られる。「記憶の場」には林玉相の作品が展示されていた。入口近くに「大地の眼」、奥に「世界のへそ」があった。

「世界のへそ」は広場の中央に「記憶しない歴史は繰り返される」という言葉がハングル、英語、日本語、中国語で書かれた大きな石あるとインターネットに書かれていたが、作家がセクハラで有罪判決を受け、慰安婦を侮辱することになるということから、すぐに撤去された。全国から集められた同情と支持の心を意味する８１の石だけが残されていた。「大地の眼」という作品も撤去された。

この公園の外周道路の壁には「世界人権宣言」の３０条のハングルで書かれた条文がパネルで貼られている。

「記憶の場」から少し歩くと地下鉄の明洞駅に到着する。少し北にある歩くと東西に屋台が並ぶ明洞夜市場に出る。明洞はソウル市内で最も有名な繁華街で、人ごみを歩くとさまざまな店が並んでいる。

以前、釜山に行った時にたまたま入った店で、美味しそうもの食べている人がいたので同じものを注文した。それがソルロンタンだった。今回はソルロンタンを食べようと決めていた。神仙ソルロンタン明洞店に行った。

神仙ソルロンタン (明洞店) 韓国料理

ビルの２階に上がると、神仙ソルロンタン明洞店の入口がある。店内にはPOPなフィギュアが置かれ、壁には楽しい装飾が施されている。

神仙ソルロンタン (明洞店) 韓国料理

各地にチェーン店を展開するソルロンタン専門店。大ヒット韓国ドラマ『華麗なる遺産』の舞台になったそうで。ソルロンタンを注文。１００００ウォンだった。

神仙ソルロンタン (明洞店) 韓国料理

ソルロンタンは、骨付き牛肉を長時間煮こんで作る白濁色のあっさりした中にコクがあるスープが特徴。ソルロンタンとお茶、ご飯が運ばれてきた。一般のキムチと熟成キムチ、ダイコンキムチのカットゥギがテーブル毎にセットさている。テーブル横に引き出しがあって、箸やスプーン、ナプキンがある。食事を済ませて、地下鉄の明洞駅に行く。

神仙ソルロンタン (明洞店) 韓国料理

地下鉄１号線でソウル駅に戻る。ライトアップされたソウル駅が美しい。ホテルはなかなか見つけられなかったが、Wifeある場所で検索すると歩いて１０分位の場所にあった。ホテレッテ・ソウル・ステーションにチェックインする。朝食を買うため駅にあるロッテマートに行ったが高かったので、コンビニでおにぎりを買った。今日の歩数は２１００３歩だった。

国鉄ソウル駅 駅