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バーゼルからロンシャンへのショートトリップ。ル・コルビジェのロンシャンの礼拝堂。

2020ヨーロッパ周遊vol.10 ロンシャンの礼拝堂

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2020/02/23 - 2020/02/23

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たけむらあきと

たけむらあきとさん

バーゼルからロンシャンへのショートトリップ。ル・コルビジェのロンシャンの礼拝堂。

旅行の満足度
4.5
観光
5.0
ホテル
4.5
グルメ
4.0
ショッピング
4.0
交通
4.5
同行者
一人旅
一人あたり費用
3万円 - 5万円
交通手段
鉄道 徒歩
旅行の手配内容
個別手配

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  • バーゼルではベルンに続いてまたまたユースに宿泊。<br />物価の高いスイスで予算面からの選択でしたが、おしゃれでかっこいい宿。<br />市街地でありながらライン川に近い静かな場所に位置し、清潔感もあって快適。<br />本日はここから列車でフランスのロンシャンに向かいます。

    バーゼルではベルンに続いてまたまたユースに宿泊。
    物価の高いスイスで予算面からの選択でしたが、おしゃれでかっこいい宿。
    市街地でありながらライン川に近い静かな場所に位置し、清潔感もあって快適。
    本日はここから列車でフランスのロンシャンに向かいます。

  • フランスのベルフォートという街で乗り換え、列車で約3時間。無事ロンシャンに到着しました。小さな田舎の村といった風情で、早速ロンシャンのイラストがお出迎え。礼拝堂までの公共交通はないため、もちろん歩きます!

    フランスのベルフォートという街で乗り換え、列車で約3時間。無事ロンシャンに到着しました。小さな田舎の村といった風情で、早速ロンシャンのイラストがお出迎え。礼拝堂までの公共交通はないため、もちろん歩きます!

  • 緩やかな山道を登ること約30分。ようやく礼拝堂が姿を現しました。<br />これまでの私がこの旅で見てきたコルビジェのモダンでシンプルなものとは違うその姿が目に焼きつきます。<br />まるで生き物のようで、数あるコルビジェ建築の中でも異彩を放つ存在。<br />ル・コルビジェの最高傑作とも言われています。

    緩やかな山道を登ること約30分。ようやく礼拝堂が姿を現しました。
    これまでの私がこの旅で見てきたコルビジェのモダンでシンプルなものとは違うその姿が目に焼きつきます。
    まるで生き物のようで、数あるコルビジェ建築の中でも異彩を放つ存在。
    ル・コルビジェの最高傑作とも言われています。

    ロンシャンの礼拝堂 寺院・教会

  • このロンシャンの礼拝堂の正式名称は「ノートル・ダム・デュ・オー礼拝堂(Chapelle Notre-Dame du Haut)」。<br />ノートル・ダムとはフランス語で「私達の貴婦人」。それは聖母マリアを意味し、彼女に捧げる礼拝堂という意味のようです。<br />何か大きな彫刻作品のようなその姿は、この建築が建てられた1950年代に主流になりつつあった「鉄筋コンクリート」がその自由な造形を可能にしたようです。

    このロンシャンの礼拝堂の正式名称は「ノートル・ダム・デュ・オー礼拝堂(Chapelle Notre-Dame du Haut)」。
    ノートル・ダムとはフランス語で「私達の貴婦人」。それは聖母マリアを意味し、彼女に捧げる礼拝堂という意味のようです。
    何か大きな彫刻作品のようなその姿は、この建築が建てられた1950年代に主流になりつつあった「鉄筋コンクリート」がその自由な造形を可能にしたようです。

    ロンシャンの礼拝堂 寺院・教会

  • ロンシャンの丘には、中世からキリスト教の聖地的な存在の礼拝堂があったようですが、第二次世界大戦で破壊されてしまいました。<br />その後敬虔なキリスト教たちの要請で再建が決まり、アラン・クチュリエという神父がル・コルビジェに設計を依頼。クチュリエ神父は当時、信仰と芸術の融合を目指した先進的な宗教指導者でもありました。<br />ル・コルビジェは1950年に設計を開始し、完成は1955年。<br />その後クチュリエ神父からはラ・トゥーレット修道院(リヨン郊外)の依頼も受け、こちらは1960年に完成しています。

    ロンシャンの丘には、中世からキリスト教の聖地的な存在の礼拝堂があったようですが、第二次世界大戦で破壊されてしまいました。
    その後敬虔なキリスト教たちの要請で再建が決まり、アラン・クチュリエという神父がル・コルビジェに設計を依頼。クチュリエ神父は当時、信仰と芸術の融合を目指した先進的な宗教指導者でもありました。
    ル・コルビジェは1950年に設計を開始し、完成は1955年。
    その後クチュリエ神父からはラ・トゥーレット修道院(リヨン郊外)の依頼も受け、こちらは1960年に完成しています。

    ロンシャンの礼拝堂 寺院・教会

  • 屋外にも祭壇がありますが、十字架や窓、ベンチ、外壁との構成が、とても美しく配置されていて、それだけでも一つの芸術作品のよう。<br />コルビジェは画家出身の建築家でもあり、若き日はピカソなどが提唱した「キュビズム」を超えた次の概念として「ピュリズム(純粋主義)」を提唱していました。<br />また教会のコンクリートの壁には戦争で破壊された時に残った瓦礫が使用され、過去の記憶を大切にし、次の世代に繋いでいく想いが込められているようです。

    屋外にも祭壇がありますが、十字架や窓、ベンチ、外壁との構成が、とても美しく配置されていて、それだけでも一つの芸術作品のよう。
    コルビジェは画家出身の建築家でもあり、若き日はピカソなどが提唱した「キュビズム」を超えた次の概念として「ピュリズム(純粋主義)」を提唱していました。
    また教会のコンクリートの壁には戦争で破壊された時に残った瓦礫が使用され、過去の記憶を大切にし、次の世代に繋いでいく想いが込められているようです。

    ロンシャンの礼拝堂 寺院・教会

  • こちらは建物北側。<br />大小、形も様々な窓がたくさん設けられています。<br />壁の厚さも均一ではなく、一番厚いところで約3メートル。<br />それぞれの窓周辺の壁は、その厚みを利用して様々な角度でテーパーがかけられており、そのことによって窓を通した光が建物内部に拡散する仕組みとなっています。

    こちらは建物北側。
    大小、形も様々な窓がたくさん設けられています。
    壁の厚さも均一ではなく、一番厚いところで約3メートル。
    それぞれの窓周辺の壁は、その厚みを利用して様々な角度でテーパーがかけられており、そのことによって窓を通した光が建物内部に拡散する仕組みとなっています。

    ロンシャンの礼拝堂 寺院・教会

  • 建物内部は窓のステンドグラスと通して、様々な色の光の演出が見られます。<br />しかしそれは決して派手なものではなく、むしろ空間を厳粛で神々しいものにしています。<br />上部の線状の光は、壁と天井の隙間。所々柱で支えられていますが、壁と天井の縁を切ることでマッシブな建物に軽快さとソフトな印象を与え、親しみやすさを演出しています。実際に分厚い屋根や壁も中が空洞のシェル構造とすることで、このような表現が可能となっているようです。<br />またベンチや祭壇、聖水盤、燭台、十字架なども、建物と共にコルビジェが身体寸法をもとに発明した基準寸法のシステムである「モデュロール」に従ってデザインされています。

    建物内部は窓のステンドグラスと通して、様々な色の光の演出が見られます。
    しかしそれは決して派手なものではなく、むしろ空間を厳粛で神々しいものにしています。
    上部の線状の光は、壁と天井の隙間。所々柱で支えられていますが、壁と天井の縁を切ることでマッシブな建物に軽快さとソフトな印象を与え、親しみやすさを演出しています。実際に分厚い屋根や壁も中が空洞のシェル構造とすることで、このような表現が可能となっているようです。
    またベンチや祭壇、聖水盤、燭台、十字架なども、建物と共にコルビジェが身体寸法をもとに発明した基準寸法のシステムである「モデュロール」に従ってデザインされています。

    ロンシャンの礼拝堂 寺院・教会

  • このロンシャンの丘には、礼拝堂以外にもコルビジェがデザインした、礼拝堂を建設する労働者の住まいであった「巡礼者の家」や、司祭が住んでいた「司祭者の家」も存在します。その建物も家具もコルビジェがデザインしたものとなっていて、一見の価値があります。<br />また時代は下って1975年、当時のコルビジェの計画を実現する形でジャン・プルーヴェによって、3つの鐘を吊るしたベルタワーが完成しました。<br />そしてさらに2011年、レンゾ・ピアノは信者と巡礼者受け入れのための「聖クララ修道院と礼拝堂」を設計。<br />現在はその中に、ロンシャンの礼拝堂の受付及び事務所、ショップなどが存在します。

    このロンシャンの丘には、礼拝堂以外にもコルビジェがデザインした、礼拝堂を建設する労働者の住まいであった「巡礼者の家」や、司祭が住んでいた「司祭者の家」も存在します。その建物も家具もコルビジェがデザインしたものとなっていて、一見の価値があります。
    また時代は下って1975年、当時のコルビジェの計画を実現する形でジャン・プルーヴェによって、3つの鐘を吊るしたベルタワーが完成しました。
    そしてさらに2011年、レンゾ・ピアノは信者と巡礼者受け入れのための「聖クララ修道院と礼拝堂」を設計。
    現在はその中に、ロンシャンの礼拝堂の受付及び事務所、ショップなどが存在します。

    ロンシャンの礼拝堂 寺院・教会

  • 私が訪れた平日の2月はどちらかというと閑散期にあたると思いますが、この日礼拝堂には、途切れることなく見学者が来ていました。<br />建築を学ぶ学生にとっては安藤忠雄らの影響もあるのか、コルビジェはすこぶる人気のようで、ロンシャンの礼拝堂にはとても多くの日本人が訪れていると現地の人からも教わりました。実際にこの日も私以外に数名の日本人の方がおられ、建物をスケッチする若い学生風の方もいらっしゃいました。<br />この日私はバーゼルからアクセスしましたが、パリからも列車で日帰りできます。<br />みなさんどこから来て、またどこに向かうのか?<br />360°見渡せるロンシャンからの景色を眺めていると、これからの去就にも想いを馳せる自分がました。

    私が訪れた平日の2月はどちらかというと閑散期にあたると思いますが、この日礼拝堂には、途切れることなく見学者が来ていました。
    建築を学ぶ学生にとっては安藤忠雄らの影響もあるのか、コルビジェはすこぶる人気のようで、ロンシャンの礼拝堂にはとても多くの日本人が訪れていると現地の人からも教わりました。実際にこの日も私以外に数名の日本人の方がおられ、建物をスケッチする若い学生風の方もいらっしゃいました。
    この日私はバーゼルからアクセスしましたが、パリからも列車で日帰りできます。
    みなさんどこから来て、またどこに向かうのか?
    360°見渡せるロンシャンからの景色を眺めていると、これからの去就にも想いを馳せる自分がました。

    ロンシャンの礼拝堂 寺院・教会

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