スペイン　世界遺産の旅　その③

2023/09/25 - 2023/10/04

初めてのスペイン旅行です。世界遺産に登録されたスペイン各地の名所を中心に巡る１０日間のツアーに参加しました。訪れた都市・町はマドリッド、トレド、アビラ、セゴビア、コルドバ、グラナダ、ミハス、エルチェ、バレンシア、タラゴナ、バルセロナ、です。
往復の飛行機はカタール航空、スペイン国内での移動はすべてバス。実質７泊８日でこれだけ周るので、それぞれサラっと見る程度。極めて初心者向けです。家内は以前に娘と同じようなツアーに参加したことがあるため、今回はパス。私ひとりでの参加となりました。
円安、ユーロ高によって、旅行会社にとっても費用的にはなかなか厳しいことが垣間見えますが、全行程天気に恵まれたことは幸いでした。
最終、バレンシア・バルセロナ編。

エリア バルセロナ(スペイン)

• 旅行の満足度: 3.5
• 観光: 4.0
• ホテル: 3.0
• グルメ: 3.0
• ショッピング: 3.5
• 交通: 3.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 50万円 - 100万円
• 交通手段: 観光バス
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）
• 利用旅行会社: 阪急交通社

旅行７日目、グラナダのホテルで朝７時の朝食。

８時１５分、ホテルをチェックアウトし、次の目的エルチェに向かう。３時間くらいかかります。

グラナダを発ったバスは北東へ、シエラネバダ山脈の山あいの高速道路を走ります。シエラネバダ山脈はアメリカにもありますが、シエラは山脈、ネバダは雪で、スペイン語ですから、当然こちらが本家。一番高いところは３４７８メートルもあり、雪が降り、スキー場もあるそうです。

風力発電の風車が並んでいる。スペインは雨が少ないので、太陽光発電のパネルもよく見かけました。スペインは石油・天然ガスが出ないので、再生可能エネルギー発電に熱心だそうです。

午後１時、エルチェの町に着きました。まずレストランで昼食。

水はタダのところと、有料でボトルドウォーターを買うところとがありました。このお店では無料。

ツナ・サラダ。サイコロの人参とチーズがのっている。自分でオイル＆ヴィネガーであえることはほかの店と同じ。

赤ワイン。

鱈のポアレ。ほかのひとのはちゃんとした切り身でしたが、私のは切れ端の寄せ集めみたい。味は悪くないのですが．．．

パン・プディング。さほど甘くありません。

世界遺産⑦　エルチェのやし園。
エルチェの町にはイスラム以来数万本のやしの木が植えられていたそうです。その一部が整備されて、無料の市民公園になっている。
３０分ほど自由散策しましたが、日差しが強く暑いので、日陰で休んでいるひとが多かった。
今回の旅行中、朝の最低気温は１３度くらい、午後の最高気温は３５度くらい。湿度が低いので、日陰に入ればしのげます。

午後３時すぎ、エルチェを発ってバレンシアへ。２時間半ほどかかります。

午後６時前、バレンシアの街に入りました。道路脇の石垣は元は堤防で、木が生えているところは元は川だった。放水路を作って流れを変え、川を埋め立て、長さ９キロの公園になった。

その公園の先にあるのが”芸術・科学都市”の建物群。奇抜なデザインの建築物が並んでいる。
ヘルメットのような形のオペラハウス。

アイマックス・シアター。

科学博物館。

植物園。

吊り橋とその奥に国際展示場。
手前のプールは一部がボート遊びなどに開放されている。

芸術・科学都市での記念撮影。
バレンシアはマドリッド、バルセロナに次ぐスペイン第３の大都市。
このあと、バスに乗って旧市街に向かいます。

コロン市場。２０世紀初頭に作られたモダニズム建築。

国立陶器博物館。元は貴族の館だそうです。豪華なファザード。

世界遺産⑧　ラ・ロンハ。イスラムの王宮跡に建てられた絹製品の取引所跡。バレンシア繁栄時代を象徴するもの。

ラ・ロンハの斜め向いの中央市場。

正面のビルと右側のビルの間に、幅１メートルほどのビルがはさまっている。世界一狭いビルとしてギネスブックに載っているとか。

大聖堂。

バレンシア旧市街の城門。

午後７時半、バレンシア観光終了。この近くからバスに乗ってホテルへ。

午後８時、ホテル”ポルト・アサファータ”に到着。

部屋はこんな感じ。冷蔵庫はあり、バスタブあり。今回のスペイン旅行で、なぜかここだけが普通の枕で、長枕ではありませんでした。このほうが慣れているので寝やすい。

午後８時半、夕食はホテルで。ミックスサラダ。オイル＆ヴィネガーで、混ぜていただく。

２回目のロースト・チキン。飲みものは赤ワイン。

チョコレートケーキ。
７日目終了。この日はバス移動が長かったので、歩いたのは１１０００歩ほど。

８日目。朝７時の朝食。
８時すぎにチェックアウトして、次の目的地、タラゴナに向かいます。２６０キロあり、休憩を入れると４時間近くかかります。

昼１２時、タラゴナに到着。古代ローマ時代の城壁が残る旧市街の入り口。残っている壁を住居や店舗に利用している。

旧市街のこの店で昼食。

店内。壁の一部はあえて古代ローマ時代のものを残している。

赤ワイン。

ムール貝ワイン蒸し。一人分としてはたっぷり。おいしいが、ミハスで食べたものより塩がきつい。汁をパンにつけた。

ロースト・ポークのチーズソース．．．が、豚肉はラーメンに入っている１枚きりのチャーシュー程度。ロースト・ポークというより、ポテトのチーズソースと呼ぶべき一品でした。トホホ。

クレーム・ブリュレ風。

昼食のレストランのすぐそばの大聖堂のファザード。

タラゴナは比較的小さな町ですが、大聖堂はなかなか立派です。

坂を下って、”地中海のバルコニー”へ。沖合に数隻の貨物船が停泊している。
ここでバスを待ちます。タラゴナ郊外の水道橋へ。

世界遺産⑨　”ラス・ファレラス水道橋”。タラゴナに水を送るためローマ帝国が作ったもの。
古代ローマ時代、タラゴナは人口５０万人を擁するローマ帝国屈指の大都市だった。が、謎の疫病が流行って衰退した。これは水道管に使った鉛によるもの、鉛害によるものだったという説がある。
中世においては、ローマ時代の建築技術が失われ、当時の人々はこの水道橋は人間が作ったものと思えない、”悪魔の橋”だと言い出した。
午後３時前、バルセロナに向かって北上。１時間半くらいかかります。

午後４時半、バルセロナ市内に到着。
マドリッドのタクシーは白地に赤のたすき、でしたが、ここでは黒と黄色。東京と大阪でもタクシーの色使いは違うかしら。

バスの車窓から撮ったバルセロナの闘牛場。だが、バルセロナを含むカタルーニャ州では動物愛護のため、闘牛が禁止となり、闘牛場は別の用途に使われているそうです。闘牛はスペインの国技なのですが。
ちなみに一般的な闘牛のシーズンは３月末から１０月初旬だそうです。夏の競技なので、日陰の席のチケットが高いとか。

午後５時、いよいよ世界遺産⑩　サグラダ・ファミリアに入場。
サグラダファミリアを含む建築家アントニ・ガウディの作品品群が世界遺産に登録されております。

サグラダファミリアには３つの門（ファサード）があります。生誕の門、受難の門、栄光の門。このうち、栄光の門は現在建設中。生誕の門のみがガウディ存命中にほぼ完成している。
我々は写真の生誕の門から入場。

生誕の門には聖母マリアの受胎告知やらイエスの生誕などの装飾がある。
ちなみに、サグラダファミリアは日本語では”聖家族贖罪教会”というらしい。

生誕の門の、やや白っぽく、新しく見える像は、長くサグラダファミリアにたずさわっている彫刻家、外尾悦郎氏によるもの。楽器を演奏する天使たち。

ブロンズの扉。描かれているのは葦と百合の花。

中に入ると、両側壁全面がステンドグラス。片方はオレンジ．．．

もう片方はブルーの色調。

祭壇。両脇にパイプオルガン。

天井。両側面からすぼまった形になっている。なにやら背骨のよう。

聖母マリア像。

黒いダースベイダーみたいな像がありますが、これはカタルーニャの守護聖人、聖ゲオルギオスだそうです。

生誕の門から入って、反対の”受難の門”から出ます。ここには最後の晩餐などが彫られております。

ユダの接吻。

十字架磔刑。

建設中の”栄光の門”。完成すればここが正門となる。

午後６時前、わずか１時間足らずで、サグラダファミリアにお別れ。
バスに乗って、次へ移動。

世界遺産⑪　サン・パウ病院。ガウディの先生であり、ライバルでもあった建築家リュイス・ドメネク・ムンタネーの作品。見えている建物だけでなく、広い敷地に４８もの個性豊かな建物があるそうです。我々は正面、側面を外から見ただけ。
このあと、バスの車窓から、”カサ・ミラ”、”カサ・バトリョ”など見ましたが、これらは翌日改めてじっくり見る機会があった。

午後７時半、海岸沿いの屋台村のようなところでバスを下車。そこから夕食のレストランまで歩きます。バスの乗降が許されている場所が限られているため。

夕食は海辺のテントのレストランで。

サラダ。黒オリーブがたくさん。例によってオイル＆ヴィネガーで。

シーフード・パエリヤ。ここではフライパンではなく、めいめいの皿で供されました。味はいいです。飲み物は赤ワイン。何度か試すうち、スペインでは白より赤のほうが平均的にうまいと思ったため。

アイスクリーム。カップに入ったやつです。

食べ終えて、海岸沿いの屋台村まで戻ります。
遠くに船の帆のような形のホテル？　みなとみらいに同じような形のホテルがあったような．．．

屋台でいろいろな種類のオリーブを量り売りしている。スペインらしい。
ここからホテルまで３０分ほどかかります。

午後９時１５分、ホテル”フロントエア・コングレス”にチェックイン。
このホテルは市街中心部から遠く、バルセロナ空港に近く、また隣りにショッピングモールがあります。

部屋の中はこんな感じ。冷蔵庫なし。バスタブあり。長枕。

旅行９日目。実質最終日です。朝６時半、最後の朝食。
この日１２時にチェックアウト、１時に空港へ向かう。午前中は自由時間、ということでしたが、急遽旅行会社が市内中心部までの送迎を手配してくれました。市内行きを希望したひとは約半分。残りは隣りのショッピングモールなどで時間をつぶす。私は市内行きを希望。

８時にバスでホテルを出発し、市内の凱旋門近くで下車。ここからカタルーニャ広場まで１０分ちょっと歩きます。この辺でしかバスを止められないため。

カタルーニャ広場のデパート、”エル・コルテ・コングレス”の前で解散。１１時に再集合ということに。
”エル・コルテ・コングレス”はスペイン主要都市にあるデパートチェーンで、デパ地下スーパーもあります。ここで食料品のお土産を買いました。

解散後、カタルーニャ広場からグラシア大通りを北に向かって歩く。
グラシア大通りはマドリッドのグランヴィア通り、東京の銀座通り、のように高級ブランド店の集まったところです。

四つ角の手前にZARA、向こう側にユニクロがある。

１０分ちょっと歩いて、ガウディ設計の”カサ・ミラ”。これも世界遺産の一部になっている。
グエル邸やグエル公園も見たかったですが、このあたりからは遠いので、機会がありませんでした。

ちょっと戻って、これはガウディが改築した”カサ・バトリョ”。

”カサ・バトリョ”のすぐ隣りに”カサ・アマトリェール”。こちらはジョゼップ・プッチ・イ・カダファルクというひとの作品。

リュイス・ドメネク・モレラ作の”カサ・リュオ・”。
これら２０世紀初頭にバルセロナに建築ブームが起こり、多彩な才能が輩出したのは、当時バルセロナでは繊維産業で財を成したひとが多かったからだそうです。グエルさんもそのひとり。

バルセロナはなぜかスクーターが多いです。自動車だと止める場所がない、港町で坂が多い、というような理由があるようです。

カタルーニャ広場に戻り、更に南に下って大聖堂。
買い物をして１１時、時間切れで集合場所に戻って、ホテルに帰ります。

１２時にホテルチェックアウト、１時にホテル出発、１時１５分バルセロナ国際空港。
カタール航空のチェックインにはまた１時間近くかかりました。

午後４時半、バルセロナ発。ドーハまで６時間ちょっとのフライト。

食事はベジタリアン・メニューのラビオリをチョイス。
映画は”DUNE 砂の惑星”と黒人初のメジャーリーグ選手となったジャッキー・ロビンソンの伝記映画”４２”。４２は彼の背番号。

２３時半、ドーハ着。３時間弱の乗り継ぎ時間があります。
集合場所はまた黄色い熊さん。

午前２時半、ドーハ発。
最初の食事、バナナ・プディング。これもベジタリアン。食後、うとうとして．．．

映画はケヴィン・コスナー、ダイアン・レイン主演のドラマ”Let Him Go”。
２度目の食事は牛の煮込みにピラフ。
日本時間午後７時前、成田到着。東京は小雨。出る前は３０度でしたが、２０度割れで肌寒い。
今回の旅行、目玉となるプラド美術館、アルハンブラ宮殿、サグラダファミリア等に的を絞って時間を使うようなツアーもあるのでしょうが、初心者向けにはこんなもんかも知れません。欲張った、よく歩いた１０日間でした。お疲れさま。