大阪のＳＬ3輌（中央区・茨城・南茨木）と大阪城プラス３輌

2020/09/23 - 2020/09/23

大阪府のＳＬ３輌を訪ねました。かつて大阪には交通科学博物館があり、たくさんの鉄道車輛が保存されていました。今では京都の梅小路にある鉄道博物館に統合されてしまいました。Ｄ５１２は岡山の津山まなびの鉄道館へもらわれて行きました。後はもうＳＬがほとんど残っていない大阪ですが、わずかな保存車輛を訪ねてみました。
大阪城公園のローソン店内にあるＣ５８６６。茨木市の公民館にあるＤ５１１５８。同じく茨木市の眞龍寺にあるＤ５１８８５です。
せっかくの大阪編なので、半年後に訪れた高石市と堺市のＳＬも書き添えます。
また、同じ日に訪れた京都府木津川市のＳＬも追加します。
この旅行記で、日本全国の旅行記が揃いました。祝、全国走破！

エリア 大阪

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0

• 交通手段: 自家用車
• 旅行の手配内容: 個別手配

夕暮れの大阪城公園に来ました。
大阪城公園はとても広いので、城に辿り着く前に日が暮れましたが、綺麗な夕焼けが見られました。

お堀も夕焼け色に染まります。極楽橋を渡ります。

石垣に御紋が照射されています。誰の御紋？

ようやく大阪城の足元にやって来ました。
石垣には緑の蔦のプロジェクションマッピングがされていて、
「自分の花は見つかりましたか？」とか「ありがとう、また会いましょう。」などの文字が現れていました。

金色に輝く大阪城。閉館時間なので入れませんでしたが、夕暮れ時の城を堪能できました。

極楽橋で振り返ると、すごいビジュアルの大阪城がありました。

ローソン 大阪城公園店です。
大阪城公園にはいくつものローソンがありますが、
大阪城ホールの前の噴水に面したところにあるローソンです。
店の前に動輪があるので、目印になります。

店の奥に大きなガラスケースがあり、その中にＣ５８が収められています。しかし店内の照明がガラスに反射して、まともに撮影することは出来ません。

コンビニの商品と一緒に写るＳＬなんて、ここでしか撮れないと言えばいいのでしょうか。夜に行ったので尚更ひどい状態になりました。昼間ならもう少し違ったのかな？

ああ、なんてひどい。余程載せるのを止めようかと思ったのですが、こういうのも有りかな？
日本全国どこを探してもこんなＳＬはありませんから。
Ｃ５８６６。１Ｃ１過熱テンダー機関車。
昭和13（1938）年川崎車輛製造。
最高時速85㎞/ｈ。走行距離1,713,035㎞。
所属機関区、米子・奈良・王子・龍華・奈良・亀山。昭和４８年廃車。
有償払い下げ昭和５２年、搬入・整備完了昭和５８年。

でも、側面は比較的綺麗に撮れます。シリンダーの数値がくっきり書かれているのが嬉しい。

デフレクターに白いツバメ？が描かれています。梅小路のＣ６２２を模したもののようですが、なんだか絵が稚拙。却ってみっともない気がします。

かなり厚塗りされていますが、個体番号は殆どの部品で視認できました。
「保存・展示の銘
蒸気機関車は、明治５年、横浜・新橋間に鉄道が開設されて以来、我が国の発展に大きな役割を果たしてまいりました。
　蒸気機関車Ｃ５８は、昭和１３年から同２２年にかけて427両が生産されましたが、その１輌をこのたび大阪築城４００年まつり開催と国鉄大阪城公園駅の開設、並びに近く迎える大阪市制100周年を記念して、特に日本国有鉄道のご理解と西野公庸・橋本太一郎両氏のご厚意によりご寄贈賜ったものであり、ここに保存展示するものであります。
昭和５８年１０月１日　大阪市」
でもそれが何故ローソンの店内なの？？？大阪は不可思議なところです。

おそらく大阪では知っていて当たり前、富山県高岡駅のドラえもんの散歩道くらい有名なのでしょうが。大阪城に面して建っている読売テレビの本社ビルには「名探偵コナン」がいます。さすがにファンという訳ではありませんが、せっかくなので見て来ました。

夜で閉まっているので中には入れませんが、外から「眠りの小五郎」が座っているのが見えました。

「怪盗キッド」は吹き抜けの２階から飛び降りようとしています。
他にも、怪しい黒い人影があったり、原画が展示されていました。
「名探偵コナン」と言えば、鳥取県の「青山剛昌ふるさと館」が有名ですが、大阪も関連があるのかな？

その読売本社の隣に建つ「ホテル ニューオータニ 大阪」がこの日の宿。大阪城ビューの部屋にしました。
すごいですね。大阪城は広大な敷地とお堀のお陰で周りに何もない場所に建っているので、背後のビルの夜景を従えて君臨していました。周りの照明が徐々に減って行き、深夜、城のライトも落ちるまで、飽きることなく部屋の窓から見ていました。たまには、こういう贅沢もいいものです。

ホテルニューオータニ大阪 宿・ホテル

翌日、茨木市立玉櫛公民館のお向かいにあるＳＬ公園に行きました。
ＪＲ千里丘駅からＪＲ東海物流への引き込み線が頭上を走る場所です。
ここはＪＲ関西かと思っていましたが、東海なんですね。ＪＲ東海物流の隣には東海道新幹線が走っています。

黒々とした柵が張り巡らされて、なかなか車輛をすっきりと見ることが出来ません。
コロナ前は、年に６回ほど見学会があり、柵の中に入れたようです。

ポイントの切り替え機があります。これを切り替えると、この柵がガラガラと開くといいのに。

柵の間から、がんばって撮ります。

Ｄ５１１５８。１９３９年日本車輛製造。１９７４年廃車。

足回りは、一見すると汚く見えますが、塗装が剥げただけなのかな？

錆びているわけではないようなので、一安心。でも、侘しいなあ。

個体番号がハッキリ見えます。

運転室。かなりいい状態です。

窓から見える計器類。かなり残っているし、屋根の塗装も綺麗です。

炭水車の後ろも、かなりいい状態です。後進を表す赤い表示板も二つ揃っています。

全体的に保存状態がいいＤ５１でした。しかし、近くで見て触れないと親近感が湧きません。

同じ茨木市の真龍寺の駐車場に置かれているＳＬです。

真龍寺 寺・神社・教会

立派な屋根と柵があります。向こう側は生垣なので、半分しか見ることが出来ません。

さっきはツバメで、こちらは鹿です。これは珍しい。しかも月を目指して飛ぶ鹿？

Ｄ５１８８２。昭和１９年２月２９日日立製作所製造。１Ｄ１ミカド型。
走行距離１，５１２，５８９㎞。昭和４８年９月３０日廃車。

くろがねのＳＬがこんなに白茶けているなんて、頭抱えたい。
震災を機に移転して来たそうだけど、仏様のご加護はなかったようです。

しかも、このシリンダーの数値。どちらも「１００」？ボイラーが吹っ飛ぶでしょう。左右の数値が同じＳＬなんてまず見ません。だから数値をここに書いているのです。大阪城公園のＳＬは９．５と１１．０でした。そもそも桁が違います。知識のない人が適当に書いたのでしょう。ひどいなあ。

何妙法蓮華経。南無阿弥陀仏。色即是空。

摩訶般若波羅蜜多心経～～もう、お経を唱えるしかありません。

せめてナンバープレートだけでも、綺麗にしてあげてくれないかなあ。

なんでこんなに引っ掻き傷のようなものがいっぱいのプレートなんだろう。尾灯は綺麗なのにね。

かつては、運転室にも入れたのでしょう。

更にひどいものを発見。運転室のナンバープレートは側面に直に手書きです。あんな乱暴で汚らしいものを書くくらいなら、何もしない方がマシでした。

「麒麟山真龍寺殿
日本のため働いた蒸気機関車百年の歴史と栄誉を讃え選ばれた陸の王者Ｄ５１８８２号機を境内に奉納させていただき御縁あるみなさまのご繁栄と由緒ある当山の興隆を祈ります。
昭和４８年１１月吉日　　　　　　　　　　　　合掌
　　　　　　　　　　　　　　　共永興業株式会社　社長西野公庸」
という事は、大震災前からこの寺に保存されていたのですね。

茨木童子の石碑がありました。ここは茨木市なので地元の説話でしょう。
茨木市のＨＰには「羅城門で渡辺綱に片腕を切り取られた茨木童子が伯母の真柴に姿を変え、物忌みをしている綱のところに訪ねて来て腕を取り返すという歌舞伎『茨木』（河竹黙阿弥作）の話は、一般によく知られています。」とあります。

さて、年が明けて２０２１年元旦です。いや、まだ夜が明けていないから元旦とは言えないか。
海の上に光の帯が見えるのが関西国際空港です。
大阪城ビューで味を占めて、関空ビューの部屋に泊まりました。

明るくなった関空をＡＮＡが飛び立って行きます。

２０１８年９月の開港記念日に台風２１号による浸水と、タンカーの連絡橋への衝突によって陸と分断されて連日大騒動になりました。
新しく造る空港は人工島が多いですが、橋が生命線だということをよく踏まえて、非常事態の対処法を考えておいて欲しいものです。

さて、元日の朝、高石市にある浜寺公園交通遊園に来ました。
浜寺水路に面した長～い公園の一角に交通遊園があります。

交通遊園の入り口まで来ましたが、なんと正月休み。
公園に正月休みがあるとは思ってもみなかったので、無駄足でした。

南海電鉄の空港特急ラピート先頭部の実物大模型です。
まだ設置されて間もない時期でした。

建物の間に、Ｄ５１の姿が見えます。

園の周りを回り込んで見ると、全体が見えました。遠いなあ。

さすがに屋根無しでも、ビシッと綺麗です。
Ｄ５１４６９。１９４０年大宮工場製造。１９７１年廃車。

隣にはＨＰでは「チンチン電車」としか書かれていませんが、
阪堺電気軌道のモ１３０です。
阪堺電気軌道では、２０２３年３月４日から４月１６日の期間限定で、国内現役最古の車輛モ１６１を土日に運行するそうです。
https://www.hankai.co.jp/_wp/wp-content/uploads/2023/03/ee9b677c757187293c21d68da1f2c3dc.pdf

次は、堺市堺区にある焼肉店です。仁徳天皇陵のすぐそばです。
実はこの建物はもうありません。コロナ禍中にリニューアルして、建物は取り壊されて隣にあったＳＬもちょっと移動しました。

日本家屋風の建物の横に並んでＳＬは置かれていました。
建物の解体工事に伴って、ＳＬはクレーン車で吊り上げられて手前に避けられました。
新築工事中は、ＳＬの横に設けた仮設で弁当の販売をしていたようです。

Ｃ１１２１８なのですが、ちょうどこの頃に放映されたアニメ映画に登場した「無限列車」に因んで、「無限」というプレートを付けたＳＬが散見されました。

アニメは大正時代が舞台なので、８６2０型などが無限列車に変身するのですが、Ｃ１１は昭和１６年製造です。まあ、お店なので子供受けすればいいのでしょう。

雑然とした前庭に、ぎゅうぎゅうに詰め込まれた感じのＣ１１です。

２枚の説明板があります。
Ｃ１１２１８の歴史
昭和１６年８月１３日　広島鉄道管理局機関区へ配車
昭和１７年８月２０日　札幌鉄道管理局機関区へ配車
昭和４８年１２月２４日　釧路鉄道管理局機関区へ配車
昭和５０年１月３０日　廃車
最終路線　北海道標津線標茶～中標津～厚床
最終走行距離１，４８３，８７２.９㎞。
日本の鉄道開通１８７２年　イギリスの鉄道開通１８２５年
アメリカの鉄道開通１８２７年　フランスの鉄道開通１８２８年
ドイツの鉄道開通１８３５年

運転席の窓の下に「札幌」と書かれたサボがあります。
ＳＬにサボが付いているのは初めて見ました。

置かれている環境の割には、まだ状態はいいのかな？

もっとひどい車体もよくあるから、一概には言えないけれど・・・
店の改築に伴って少しでも整備されたかな？

個体番号は見えるけれど、うう、磨きたい！

これは大阪のノリ？今はなんて書いているんだろう？

もうこの風景はありません。かなりスッキリしたようです。
ついでに磨いてくれたかなあ。

せっかくなので、世界遺産になった「百舌鳥・古市古墳群」を見に行きました。簡単に言えば「仁徳天皇陵」を含む古墳群です。

仁徳天皇陵古墳 名所・史跡

仁徳天皇陵の南には参拝用のスペースがあります。
可愛い埴輪のモニュメントが出迎えます。

仁徳天皇陵の模型です。樹木に覆われていて、このように見ることは出来ません。
古墳時代、この一帯には100基を越える古墳が造られました。
現在は4世紀後半から6世紀前半に造られた44基の古墳が残っています。
仁徳天皇陵の墳丘の長さは486ｍ、三重の堀を含む全長は840ｍです。

仁徳天皇陵の外堀。南辺なので一直線です。

白砂の敷かれた橋の下に中の堀があり、神域を示す鳥居があります。
その向こうに幅の広い内堀があります。そうしてやっと巨大な前方後円墳があるのです。地図で見ると上（北）の方が円形になっていて、「前」が南向きなことがわかります。

仁徳天皇陵の前には大仙公園があります。ここもいくつもの小規模な古墳が集まっています。真ん中に瓢箪型の池があり、日本で繁殖する鷺の中では最大のアオサギがいました。

大仙公園 公園・植物園

池の魚でも見つけたかな？首が長いね。

ブロマイドにしたくなるほど格好いい！

掛川花鳥園のハシビロコウ「ふたば」とどちらが格好いい？

ふたばに首ったけ。女の子です。

この日は、もう１輌ＳＬを訪ねています。大阪ではなく、京都府木津川市の加茂小学校の校庭とＪＲの線路に挟まれています。

このＳＬは、校庭とは公道を挟んで離れた場所にあるため、学校の許可を取る必要がなく、いつでも自由に見学できるので助かります。

ＳＬの前にはこんな説明板があります。小学校を意識して、平易な表現になっています。

隣に本物の線路があるので、そのまま走れそうに見えます。

炭水車のナンバープレートは綺麗ですが、尾灯は割れています。

プレートがしっかりしているのは、気持ちがいいですね。

運転室の中の計器は残念ながら、殆ど残っていないようです。

関西本線の列車が走って行きます。

丹念に塗られていますが、油壷の下に個体番号が見られます。

こちらも油壷の下に見えます。白と金の塗り分けにこだわりがあるのかな？

Ｃ５７５６。１９３８年川崎車輛製造。１９７１年廃車。
貴婦人にしては、デフレクターが大きいような・・・
これにて大阪編ＳＬの旅を終わります。これで日本制覇です。やったー！