2022/12/31 - 2023/01/01
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Eivor the WKさん
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年末年始は国内の温泉宿でゆっくり過ごすのがここ数年の定番になっている。
2022年の年の瀬は、青森のお隣、岩手県二戸市にある金田一温泉で過ごすことにした。ちなみに きん「た」いち である。座敷童子伝説がある小さな温泉街だ。また、今回泊まった宿はバレーボール漫画「ハイキュー!!」の聖地だった(ワタクシはこの作品を読んでいなかったので、宿に着いてから知った)。
これより座敷童子捕獲作戦を開始する。
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いきなり楽天トラベルからの写真引用で申し訳ない。割烹旅館おぼないさんに1泊した。料理自慢の宿である。食いしん坊のワタクシにとっては、料理が美味しいことは非常にだいじ。
宿は駅から離れているが、バスも出ているので二戸市まで鉄道を利用した。列車の旅は本を読んだり、ボーッと景色を眺めたり出来るが良い。
しかし、ワタクシはやらかしてしまった。ネットで調べたバスダイヤが平日用で、この日は乗る予定だったバスは運休。タクシーも一瞬考えたが、そこそこ田舎だと事前予約していない限り、断られるケースがある。
日は暮れたが天候は晴れ、グーグルマップによると駅から宿までは2km。海外に行けば1日に4,5km歩くことは普通なので、歩けないことはない。
…車で来ればよかったorz -
グーグルマップが指定した最短ルートは、田畑の中の舗装されていない道を往くものだった。街灯もない。行く先を照らすため、スマホのライトをつけながら歩いたが、これでは座敷童子の里でワタクシが妖怪騒ぎを起こすのではないか。「大晦日に田んぼの中を人魂が飛んでいた」という噂が金田一温泉で流れていたら、正体はワタクシである。
途中からは舗装路になり、無事到着。数十年以上前に建てられたものをリフォームし、優しいオレンジの明かりと木のぬくもりがマッチしている。和モダンとレトロが調和した空間。 -
良いセンスの宿にリフォームし、裏手にグランピングもできるキャンプサイト「YUDA BASE(ユダベース)」を作ってしまったのが2代目ご主人と若女将。この地域の住所は湯田(ゆだ)といい、温泉にちなんだ名がついている。
ご主人は東京でシェフをしていた経験もある(ハーレー・ダヴィッドソンがお好きらしい)。Uターンして旅館業を継いだというわけだ。地方が泣いて喜ぶ人材である。しかも青森からチャーミングなお嫁さんも連れてきた。この奥様が接客業に天賦の才を持っていたうえ絵心もあるという、まさに最強のふたり。ご夫婦は地域づくりにも貢献している。羨ましいぜ二戸市。
※写真は楽天トラベルより借用 -
温泉はこんな雰囲気(楽天トラベルより引用)。金田一温泉は南部藩の指定湯治場だったため、侍の湯とも呼ばれる。400年もの歴史がある温泉である。弱アルカリの単純温泉で、侍の湯という男気な名前とは裏腹に、美肌効果も期待できるとのこと。肌あたりが優しいお湯で、ずっと入っていられる。良い湯だ。
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お待ちかねの夕食。薪ストーブが焚かれた、和モダンな雰囲気のダイニングルームで頂く。ファイヤーグルメ(固形燃料で温めるメニュー)が3つもある。鱈白子のバター焼き、この地域の郷土料理ひっつみ(すいとん)鍋、短角牛のすき焼き。温かい鮎の塩焼きも嬉しかった。
お盆やお椀は漆塗りで、ツヤツヤとした赤と黒が美しかった。100年以上前のものだという。お盆の津軽塗も美しい模様が出ていた。
料理の味はもちろん、目でも楽しめる2022年最後の夕食は、地酒と共にいただいた。 -
手入れにも気を使うであろう、漆をあえて使う心意気に感激。二戸や八幡平には漆掻きと漆器製作の歴史・文化がある。
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地酒はこの器で。日本っていいなぁ。
夕食の途中、若女将が南部地方に伝わる昔話を披露してくれた。若女将はとても気さくで、各テーブルに声をかけて回ってくれた。
最近の宿題は「上手に訛ること」だという。北国の宿を切り盛りし、青森出身ということもあってお客さんから方言で話してくれ、と頼まれるのだという。だが客商売をしていれば、一般的に使うのは標準語であり、そもそも若女将の出身地は、同じ青森でもワタクシの土地ほど訛りがきつくないのだ。
次に来た時も若女将とおしゃべりをして、訛りをうつしてあげようかしら。 -
酔いをさましてから2回目の風呂。上がって部屋に戻る途中、なんと廊下を走ってきた子どもに遭遇。座敷童子!ではなく、若女将の息子さんだった。座敷童子捕獲作戦に来たわけだが、宿の息子を捕獲すれば誘拐犯で出禁になってしまうだろう。
さぁて寝るかと布団をめくったら中に先客がいた。湯たんぽ!湯たんぽで布団を温めてくれる宿は初めてである。またもや感激。 -
元旦の朝食は、いくらと数の子、なます、昆布など正月らしい品が並ぶ。なますは柚子をくり抜いたものに入っており、香りがとても爽やかだった。
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煮しめ(山菜、ごぼう、練り物などの煮物)、けんちん汁の雑煮も。ワタクシの実家では津軽地方の郷土料理であるけの汁に餅を入れて食べていた。懐かしい。
冬場は根菜、山菜がしみじみと美味い。 -
すべてのゲストへ、若女将から手書きのメッセージとイラスト入り年賀状が贈られた。年賀状はすべて違う絵、違うメッセージが書かれていた。なんてホスピタリティ溢れる宿なのだろう。心がほっこり温まる。
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宿をチェックアウトし、近くを散策する。座敷童子伝説で有名な緑風荘(りょくふうそう)の源泉があった。ぬるめである。そういえば宿泊したおぼないさんも加温して温泉を使っていた。
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こちらが緑風荘。一度火災に見舞われ、建て直されたもの。新しくなってから座敷童子の出現率が下がったとかなんとか。新しいお家いいじゃないの?座敷童子さんよ。
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年始を旅先で迎えた場合、その土地の神社に初詣に行くことが定番となっている。多くの参拝者が訪れる神社になることもあるし、ひっそりとたたずむ神社になることもある。今年は後者。金田一温泉を見渡す小高い丘にある、温泉神社にお参りをした。静かな朝、暖かく、良い天気だった。今年は良いことが多くなりそうだ。
2022-2023岩手編 おわり
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